650.えも言えぬ信頼感に無性に快哉を叫びたくなる

仲間を疑って厳格に処分を決めるのが監察官
いや向こうからは仲間とは思われていないだろう
「悪を野放しにしない為に杓子定規ではやっていられない」
けれどそれを許していては信頼が失墜し毀損するから
真面目に職務に当たれば当たるほど
遠巻きにされ敵視され「融通が利かない」とか
いつの間にか友達すら居なくなってしまった

とある事件で秘めたる関係の同性が被害者に
弔い合戦を果たし無事に解決して
ベンチで一人写真を見ながら密やかに偲んでいると
「もしかして恋人?」なんて声を掛けた君
驚いていると「大事な人を見る目だったから」なんて
庁内に年の離れた友達がいるらしく
僕を見掛けたことがあって声を掛けたようで

「上手く慰めるなんて私には出来ないけれど
泣きたい気持ちならもしも泣くのならば
気が済むまで思いっきり泣いた方がいいですよ
泣き止むまで私はここに居ますから」

事件の概要も写真の人物との関係性も
何も聞かずに君は隣に居てくれて
一人も友達が居ないことを愚痴れば
「それなら友達になろう」と軽快に言ってくれた

一人では到底行けなかったケーキバイキングも
一人きりだった趣味のスイーツ巡りも
誰にも言えなかった秘めたる関係の思い出話も
君という友達が一人居ることで
こんなにも華やぐとは思ってもみなかった

君に彼氏が出来た時は喜びと同時に
同業だからこそ全てを話して納得を得て
君との友達を続けることが出来ている

今回君の彼氏が逮捕したのは同業者で
剰え僕と同じ監察官だった
「お前にとっては当たり役だろうけれど
ドリップギリギリのスリルを楽しまなきゃ
こちとら監察官なんて仕事やってられないんだよ」
パワーバランスを考慮しないと間が持たないなど
警察の警察である監察官の風上に置けない

「けれど監察官に友達なんて出来ねぇよ
あの子もお前が監察官だから友達になったんだよ
庁内に元々年の離れたお友達が居て
ご丁寧に彼氏まで刑事なんだから
何かあった時の為の保険代わりだろうよ」

吐き捨てるように言われた言葉が頭を巡る
年の離れた友達の方を監査したことはあるけれど
規則を破って規律を犯して逸脱したのは承知の上と
捜査に口を挟まない君は気にもしていなかった
けれど友達と彼氏は違うだろう

「もし…もしも僕が君の彼氏を
監察することになったらどうしますか?」

「あの人何かやったの?迷惑掛けるようなことを」

「いえ例えばの話です」

「まあ監査されるようなことをしたのだから
当然じゃない?なんで?」

「そのようなことになれば君が複雑かと思いまして」

「複雑?」

「監査する側の僕と監査される側の彼氏
その両方と関わりがある君にとっては
複雑な心境になるのではないかと」

「ラッキー?っていうか超安心かな」

「安心…ですか?(僕が君の友達だから?)」

「担当は指名制じゃないでしょう?
服務規定違反でも事の次第を聞いて公明正大に
決め打ちで腹いせに報復人事なんてせずに
正当な処分を下してくれるから

弁護士だった私の父親の影響もまだあるし
その関連の人達は面倒な人ばっかだし
私も少しは権力者と知り合いだし
他の監察官を知らないけれど
そういうの気にする人は気にすると思うから

私と友達だからとか友達である私の彼氏だからとか
そんな理由で忖度なんてしないでしょ
あの人もそういうの大嫌いだしね」

たまたま友達になった人の職業が警察官なだけ
知り合いや友達もその関係者が増えただけ
図らずも僕の職業が監察官だっただけ

公権力さえも君の前では
形無しになるしかないと思い知った

651.バラエティに富んだ当意即妙こそ用意周到を超える真骨頂

彼が私を楽しませようと
デートプランを組んでくれたらしい

イマーシブ感たっぷりで
言葉通りの時間が過ぎていく

彼のオススメのお店に行ってみれば
運の悪いことに臨時休業

今までに見たことがないくらいに
彼は物凄く慌てていて

その慌てっぷりの様子に
私は笑いが止まらなくなってしまう

いつも完璧に見える彼が
いつも冷静に事を運ぶ彼が
慌てている姿が面白かったから

一通り笑った後に謝ったけれど
彼はばつが悪そうに落ち込んでいる

「代わりのお店を近場ですぐ探すから」

「一緒に探そうよそれも醍醐味でしょ」

652.極致‐アイコニックハーバリウム‐

声も匂いも体温も何もかも失いたくない

握手をするように差し出された手を掴んだ時から

手を繋ぎたいからと言って離さずに

離れたくないと引き寄せられて抱き締められる

いつかは終わりが来る関係なのだと分かっていた

好きだけではどうにもならない

ゲーム内のチャットで連絡するような

誰にも知られないようにしないといけない

秘めなければならない関係

朝起きたら隣に居ないなんて嫌

眠っている間に黙って帰らないで

そう言えば落ち着かせるように

諦めたように仕方がなさそうに

トントンと優しく背中を叩いてくれる

別々の道を歩み始めディバイドされる

その日までのほんの少しの間だけ

夢のように幸せなこれらの時間を

日がな一日分をこの胸に留めておけたなら

自分だけにくれるこの笑顔を忘れなければ

独りになってもきっと生きて逝ける

そう思ったのにそう思い込みたかったのに

未来の断片をほんのちょっと垣間見ただけで

遣る瀬無さが際限なく込み上げてくるならば

出船の纜を引くように指をくわえたままに

離れ離れになって壊れそうになるならば

怒涛の万歳三唱‐ハンマープライス‐で

強制的に有終の美を飾らされる前に

バージンに手を付けてブレイクスルー

世界の未来からかっさらえばいい

653.VPN髱‐テクノキュレーター‐

私にとっては世界平和なんてモン

これっぽっちも知ったこっちゃない

私の身近な世界が平和ならばそれでいい

もっと言えば君が平和ならばそれだけでいい

広大に拡がって存在感のあるその世界に

ドロドロが張り詰めて弾ける破裂寸前の

風船なのに重りみたいな私は居ないから

けれど君が世界平和を望むなら

叶える為に身命を賭すのなら

索敵してデバッグして呪禁

届けを撤回する為の届けが必要ならば

人事不省でも手回しで仕込んで

首尾良く人死から守ってリワード

私が骨を埋めて君が骨を拾えば

どの世界も平和になれるから

どんな平和も成り立つ世界の出来上がり

654.レンゲツツジのブービー賞

ペンダントトップが付いたネックレス
着飾らない君に似合うようにと考えながら
凄く悩み抜いて手間暇をかけたプレゼント

君は言葉に詰まりながらも
ありがとうと言って受け取ってくれた

失くしたくないと仕事では着けていないけれど
デートの時には着けてくれているから
喜んでくれていると思っていた

同僚が趣味ではないブローチをプレゼントされて
一応お礼は言ったけれど反応に困ったらしい

趣味では無いと言えばきっと落ち込むし
嬉しいと言えば次からもその趣味になるだろうから

そういう時は今度から一緒に選べばいい
そうすれば自ずと相手が趣味の物を分かってくれる
他の同僚からの策でその問題は解決

しかし頭の中は君の反応でいっぱいだ
普段着けないアクセサリー
選んだ趣味は君ではなく自分で
言葉に詰まったのは嬉しさではなくて困惑だった?

君と恋人になれたことに浮かれていたみたい
外出から戻って来た君に駆け寄る

「困らせてごめん」
「突然どうしたの?」
唐突な謝罪に君は目を瞬かせ首を傾げる

「趣味ではない物をプレゼントして困らせてしまったから」
「う〜ん…困ってはないかな」
悩ましげに答えてはくれたけれど気を使われているのか

「じゃ何であの時言葉に詰まったの?一瞬反応が遅れたでしょ?」
「それは…その…」
戸惑ったように目を反らされる

「理由を教えて?君を困らせたくないんだ」
「好きな人からプレゼントされるのはこういう気分かと思っただけで…困った訳ではないよ」
興味のないものでも好きな人から貰うとこんなに嬉しいものだと初めて知った

はにかむように君が言ってくれて
つまりは嬉しくて照れてたってことだったみたい

ガッツポーズしながら雄叫びを上げれば
今度こそ君を困らせてしまうかな?(笑)

655.特徴点が終生不変でも

ただのお出掛けを装って
デートの約束を取り付けて
その時から舞い上がっている
自覚は終始あったけれど
楽しく終えた筈だった

けれどもう会わない方が良い
そう言って君は連絡を断った
電話は繋がらなくて
メールも返信がなくて
既読スルーにさえならなくて
途絶えた理由が分からない

特大の溜息と共に項垂れていると
君の気に障るようなことを
僕が無頓着に何かしたのだろうと
同僚達からグサグサ刺されてしまった
無自覚に君を傷付けてしまったのだろうか

僕が警察官で君が前科持ちだからなんて
僕の出世の邪魔をしたくないからだなんて

一緒に居たいけれど楽しかったけれど
私を逮捕して更生させてくれたのに
私の存在でまた迷惑をかけたくないから

そんな理由だなんて
やっぱり僕が原因だった

君を傷付けてしまったのが僕ならば
君のその傷を癒すのも僕であっても良いよね?

656.苦労が偲ばれる彼の横合いに私はなりたい

貧乏籤だった弱冠の半生を
偉くなって夢を叶える為に
ストイックに努力を重ねて
値千金と牙城に見せ付けて
他のライバル達を凌駕して
グロスとして占める世襲を
ギャラ飲み名下で蹴散らし
生かすも殺すも彼自身次第
当代随一と席巻していく彼


金に糸目を付けなくて金が物言う
殴り書きの制御不能な獣道の世界
私に出来ることはお金を稼ぐこと
そんなホールインワンを狙う様な
新鮮味を感じられない事ではない
バンクをディセントしてストール
なんて事をさせてしまわない様に
私との繋がりが分かってしまえば
暫定でも弱味になり足元を見られ
波乱の幕開けとなってしまうから


フライトデータ並の情報でエルロン
彼の商売敵でもある派閥の反対派を
チャーミングさでモニタリングして
走り書きした仄聞であったとしても
巡航で手に入れる事が出来たならば
彼との繋がりを気付かれないように
第三者を介して齎された情報として
引っ張りだこのマスターキーで復元


ハイドロプレッシャーのフラップとなって
彼が決めるラダーの役に立てるだろうから
多岐亡羊の大局を見る彼の夢が叶うならば
インロックで面識を無くし自ら消息を絶つ


彼の隣にも傍にも私なんかが居てはいけない
彼の真っ直ぐな人生に私は居なくていいから
彼がカリグラフィーを描く事が私の夢だから
彼が夢を叶える事が出来るならばそれでいい

657.巻頭から巻末まで終の栖‐キャノピー‐になろう

抜け目なく恨みを買った鼻つまみ者の俺を
美談でも何でも無く俺は俺だと言ってくれた
だから長年影を落としていた事件と向き合えた
君も俺もいつ死ぬか分からない
死と隣り合わせのリスキーな仕事だけれども
誰もがクランクインして
誰かがクランクアップして
誰も彼もオールアップするまで
全力で向き合って往くと決めている
君と共に生きることに向き合う


母が愛した人も誰かも分からない父も
母さえも産んだ私と向き合うことに疲れて
久方ぶりに見てらんないと死に逃げた
すべり台がなるへそと永遠に続き
ブランコがほやほやとユラユラ揺れて
監督不行き届きに物色された
半端ないモヤモヤが編成されて
ボディガードのように耳鳴りが張り付いて止まない
彼を非業の死で失うことを怖がる私に
彼は一緒に向き合うと言ってくれたから


元々壊れて歪な欠片同士が集まって
支え合い補い合い綺麗な円形を保っている
そしてピザみたいな形をとりさえすれば
切って貼って付け足してくっつける
たとえ増えても美しい丸になれるよね

658.先刻承知の触れ得ぬ諸般の事情を推認しても従容で認諾して三文役者の朗笑で空集合を掠め取ってやる

忙しいという彼女とはしばらく会えていない
たまたま会った彼女の同僚に聞くと特段忙しくはないようで
何故食うや食わずなムーブで嘘を付いているのか分からない

ただ疲れている顔をしていると彼女の同僚から聞いて
素知らぬフリをして気分転換にとデートの約束をして
電話越しの声はいつもと変わらないようで安堵して
待ち合わせをしたけれどいつまで経っても現れなくて
電話をしても繋がらなくてメールをしても返事がなくて
急な仕事でも入ったかと思って職場に確認してみても当然休みで

心配になってとりあえず家に行ってみると彼女は壁に寄りかかっていた
駆け寄って声をかければ深く眠っているようで揺すっても起きない
眠りこけて約束をすっぽかすことは初めてだと思いながら部屋を見回せば
机の上には空になった錠剤のシートと度数のきつい酒

一瞬で血の気が引いていく
眠っているのではなく意識を失っている
よくよく見れば呼吸も浅くて小さい
頭が真っ白になって目の前が真っ暗になって
そんな絶版になり得るコントラストを必死で抑えて救急車を呼ぶ

一命を取り留めた彼女の顔を見つめる
病院では一見自殺未遂に見えることから
常習性が無いか常用していないか聞かれたけれど
酒はともかく睡眠薬なんか見たこともなかった

ヤモメが創設した猟奇的で冒険活劇のような人生
アンチヒーローのような検閲的な仕事
マッハの体当たりですっ飛んでいき
常にクライマックスをライフワークにして
絶頂期のブームの大合唱を吟味して厳選
道ならしに悶絶するような奥の手を使ってでも
鈍臭いシリーズへマストに軍配を上げる

そんな堪忍袋の緒が切れそうでも
彼女は着実にこなして上り詰めている
そんな彼女が前後不覚で飲み合わせを間違えるなんて

けれど間違えたのではなかったとしたら
彼女に限ってそんなことはないと思いながらも願っていた
俺の知らない彼女を知りながら生きていく
彼女の知らない俺を教えながら生きていく
二人で生きていきたいと俺が言ったら彼女は分かったと承諾したから
彼女の異変に気付かなかったなんて現実を受け入れたくなくて

「デート楽しみにしているって言ったからさ寝なきゃなーと思って」
目覚めた彼女がただ寝たかったからとあまりにもあっさりと
「飲みすぎただけでしょこれからは気を付けるから」
事の重大さを理解していなくて大した事ないと軽く言うものだから
「俺が行くのがもう少し遅かったら死ぬとこだったんだぞ!」
病院という場所も病人という相手も忘れて大声で怒鳴ってしまう
「あー死んだら夢は見なくて済むのかなー」
まるで良いことを思いついたとばかりにニッコリ笑うものだから

育てる前に失って理論的に詰め込み学習をしただけ
感情を取り戻した反動は破竹の勢いで
間違いでも意図的でもないただそうするのが一番効率が良かっただけ
やりたい事をやる前にやるべき事をやらないと
二人で生きていきたいのだから

「夢を見なきゃいいんだろ?夢を見てもここにいるから手を握っているからそれなら寝れるだろ」

「でもデートは?楽しみにしていたじゃない」

「今日はいい俺も寝たいんだだから一緒に寝てくれないか?頼むよ」

「なんで泣いているの?」

「泣いていない眠いだけだ」

「ふーんそっかじゃ一緒に寝ようかな」

椅子に座って手を繋いで少しすれば寝息が聞こえてくる
息を長めに吐いて体の力を抜いて壁に持たれかかる
眠れないと言っていたのが嘘のような安らかな顔で

安心したのか椅子に座ったまま彼女と一緒に寝てしまったようで
目を開けたら手を繋いだままに起き上がった彼女と目が合った
彼女が起きて動いたから俺も目が覚めたけれど寝るつもりはなくて
しまったと思っていると彼女がクスクス笑う

「なんだよ?」

「なんでもないよ」

俺のしまったとばかりの顔が面白くて
そんな雰囲気が楽しくて俺と居るのが幸せで
彼女にとってのを不思議そうにする俺が知る由もない

「ちゃんと夢は見なかったよ」

「そうかそれは良かったな」

俺が居たからだと言って彼女はキスをする
俺が居るだけで良いならば幾らでも居てやるからさ
これから先もずっと隣に居よう一緒に居よう

659.ヤミツキのスキにキス

キスしたいからキスしてもいい?って聞いても反応は芳しくない
ムードがとか言う彼はムード以前に間引く様に全然乗り気じゃない
差し当たりに何の脈絡もなく愚図って言っている自覚はあるけれど
ごった返すような場所とかどこでもどんな場所でも言っている訳ではないし
顔を潰すような真似とかそういうTPOを弁える分別はあるけれども
やっぱりキスしたい
けれど聞き分けのない人にはなりたくないしシテる最中ならキスしてくれるから
我慢し過ぎて禁断症状とか澱が溜まってもまるっと無視して一切合切そうしよう

嫌なことを忘れるには酒が一番と聞いてせんべろよりは家なら大丈夫かと思って
結構な種類を用意したらこれまた結構楽しくなって飲み進めていたけれど
回転が速い頭を無駄遣いして段々思考が軟弱な陸でなしに偏ってくる

ムードがとか言う割に風評なイベントごとは嫌いで放免ばかり
お互いに奉公仕事が忙しくてすれ違いでも愁うことなく結構平気そう
好きだと告白してきたけれど態度は今までとあまり変わらない
幼馴染のような私より同僚の元カノの方が通じ合っている気がする

確かに告白された時は驚いた
そういう風に見たことが無かったから
けれど彼はそれでもいいと言って付き合い始めた
お出掛けがデートになって家に行けばお家デートに早変わり
要綱から様変わりした私と違って彼は特に変化が無いように思えてくる

彼は私と居て楽しいのかな?
長年の片想いが実ったみたいだけれど今は私の方が片想いみたい
両親は私を置いて逝ってしまったけれど私が死んだら彼は泣いてくれるのかな?

唐突に答えが知りたくなって彼に電話をすれば
珍しく酔った私が珍しく試すようなことを言えば
どこにいるのかと何故か焦った様子に面白くなって
どこでしょうかとクイズを出して解答を待たずに電話を切った

少し経って乱暴な足音がしたと思ったら彼が家に辿り着く
酔っ払ってケラケラ笑っている私を見て怒るどころか呆れるように安堵して
ソファーからベッドに行こうと私を運ぼうとする彼を拒否して
こんなところで寝たら風邪を引くからと言い聞かせるように
目線を合わせようとしゃがみ込んだ彼へ上に乗っかかるようにして覆い被さる
ちゅーしたいと言うだけ言って返事を待たずに唇を重ねる

彼は自分と私を支える為に尻餅を付き手を付いている状態で
私が顔に手を添えているから逃げるに逃げれなくてされるがままで
体の力が抜けてくるのか段々後ろに押し倒されて肘を付く体勢になる

流石に酸素不足になったのか無理矢理引き剥がされたけれど
呼吸が荒くて顔も赤くして突き上げるように反応していることも
理由が私なことが嬉しくてちょっとだけからかったら
こんなことされたら誰だって反応すると嫌そうに言われてしまった

そっか誰だっていいんだ
私じゃなくてもいいんだと思ったらなんだか悲しくなって
トボトボとベッドへ向かってポスっと不貞腐れるように倒れ込む

いやそういう意味じゃ
私を追って来た彼は慌てるように焦っているようにみえる
いや実際焦っているのだろういやとかあのとか言葉が続かずアタフタしている

キス好きなのか?
彼とキスすればなんだかフワフワするけれど全身温かくなって好きだと答えれば

仲直りだと言って頭を撫でながらキスしてくれる
喧嘩してないけれどもう少し続けた方が盛り上がるかもしれないけれど
彼が拒否せずにたくさんキスしてくれて目を瞑って酔いしれていれば
体も心も満足したのか撫でられる心地良さでいつの間にか眠ってしまっていた

起きれば何故かベッドに居て横には座って壁にもたれて眠り込む彼がいた
何で居るのか分からないけど毛布もかけていなくて風邪を引くと困るから
揺すって起こせば目が合った途端何故か組み敷かれてしまった
記憶が無いことは一旦棚に上げて朝イチから何をしているのと言えば
昨日散々煽っておいてふいにしておあずけをくらったんだからいいだろと
若干怒っているような気が急いているようないじめっ子のような顔で

人の話を聞かない行動の動機に隠された感情をお互いに知らない
知らなくても知れるように知ってもらえるようにすればいいから
査問委員会をちょろまかして人でなしにでんでん太鼓を授ければ
いつか来たら良いなと思っていた通じ合えた日が今日だっただけ

660.梅の折り枝

帰ろうとしたらフラフラ壁に向かって進んでいく彼女がいて
そのまま壁にぶつかりそうになりそうな彼女を慌てて引き戻す

「危ないですよ」
「ありがとうございます」

お礼を言われたけれど目が合わなくてどこかいつもと様子が違う
顔を覗き込めば顔色が悪く見えて体調も悪そうに見える

「大丈夫ですか?顔色が悪く見えますけど」
「少し暑いだけです解熱剤を飲めば問題ありません」
「解熱剤って…ちょっと触りますよ」

一言断って彼女のおでこや首筋に触れると少しどころではなくとても熱い

「ちょ…かなり熱があるじゃないですか病院に行きましょう」
「病院は説明が出来ないので行きません」

感情が自覚出来ないから説明が出来ないと言う彼女
熱で浮かされている割にやんわりではなくハッキリ断られる

「僕が付いて行きますから説明なら僕がしますから
タクシー捕まえて来るんでここに座って待っていて下さい」

彼女をベンチに誘導して座らせ急いでタクシーを拾って急いで戻る
しかし僕が一緒に行くと言ったからか意外にも従順に待っていてくれた
治療している間にコンビニへ行って買い込んで彼女の家まで送って
緊急時だと言い聞かせて彼女をベッドまで連れて行く

「とりあえず着替えてくださいあと冷蔵庫開けますね色々と買ってきたので」

そのまま寝そうな彼女に着替えを促すと何やらゴソゴソと男性物の部屋着を差し出して

「もう遅いですからシャワー浴びてください着替えはこれしかないんですけど
ご飯もあまりないですけど冷蔵庫とかのを適当に」

「あのそんなことは大丈夫ですからとりあえず着替えてください」

自分より僕の心配をする彼女を宥めて再度着替えを促す

「何か食べれますか?」

着替え終わった彼女に問いかけても僕の心配をするから
堂々巡りにストップをかけて食欲も無さそうなので

「もう寝てください寝たら帰りますから」

寝たらそのまま息をしなくなりそうな気がして
そんなことは無いと思いながらも離れられなくて
苦しそうでも息をして眠った彼女に一安心とホッとしたら
一気に疲労が押し寄せてきて息を吐きながらベッドの下に座り込む

少し部屋を見渡せば彼女のイメージにはないカラフルな部屋と
太っ腹な流れ弾へつんのめるように出馬したセブンスな生活感

きっとあの医者の趣味だ

壊したい愛しているからバラバラに壊れても俺がかき集めてあげるとか
彼女の精神を壊した犯人を逮捕する為に他殺を装って自殺したあの医者
聞屋のインプ稼ぎと組手の踵落としでしっぺ返しとリークしたあの医者
有耶無耶にされた不手際に秘伝奥伝‐ハック‐を彼女に授けたあの医者
彼女に並々ならぬ屈折していて辺鄙でもある愛情を抱いていたあの医者
彼女のフィロスだとコンセプトを突き通した只者ではなかったあの医者
フォーチュン・クッキーを差戻しされたとしてもホット・リーディング
彼女を依り代にして長考をもぎ取ったといっても過言ではないあの医者

公認の舞台裏はつま先立ちの猫の目でも結構毛だらけ猫灰だらけ

彼女の精神はかき集めたとしても英気を養ったとしても
後が無いくらいにきっと元通りになんて戻りはしない
けれども壊れていても僕は構わないと葉擦れの対抗心

いつの間にか幅を利かせてきたアンビバレンスの感傷にどっぷりと浸る

661.第二出動に准えられた五一‐デリネーター‐

友達が置き忘れたクリスマス特集の雑誌
出しっぱなしにしていたそれを彼が見て
クリスマス系統なんかに休みは取れない
そんなことを重々知っていてなんて嫌味
友達を代替にせずに直接言えば良いだろ

私はそんなことを微塵も思っていないし
言ったこともないと言ったって堂々巡り
仕舞いには可愛げがないとまで言われて
カチンときてそっちがそこまで言うなら
そうくるのならば今すぐに別れてあげる

どうぞどうぞと彼シャツが良く似合って
可愛げが常設されて私に全く似ていない
彼が思い描く通りの素敵な素敵な彼女を
作ってくださいとそう言えば彼のことだ
売り言葉に買い言葉も頭が冷えるだろう



可愛く行かないでなんて言われてみたいじゃないか
現実的には無理だと分かっているけれど少しぐらい
ほんの少しぐらいでも期待したっていいじゃないか
俺と過ごしたいって思ってくれている確証が欲しい

仕事が忙しいのは分かっている夜通しの朝帰りが常
可愛く言えないのも引き止めて迷惑になりたくない
私の元へ元気に帰って来てくれたらそれでいいから
クリスマスなんて少しだって気にしたことないから

誰かが考えたイベントより代わりの居ない彼が良い

662.人事異動通知書:過保護の任を解き反抗期の任務を命ずる

何さらしとんじゃと自分の声とは思えないような怒りに満ちた大きな声が響く
直行して間に入り目に激情を孕みユラリと揺らめき厳しい表情で睨み上げれば
僕の迫力に気圧されたのか至極間抜けな顔をして下手な匍匐前進で逃げて行った
シュールな遠吠えさえ喚声にならない見応えも読み応えも無い二次使用の激闘
赤色灯のタイムラインは華麗な剣捌きで死語も私語も厳禁で抜け駆け禁止
リードタイムは門限でブーイングさえ口は災いの元だと猛攻してタッチアウト
後追いを辛抱して常態化を証言台へ誘ってもサービス残業でコピペばかり
ガラの悪いハイエナの副業は物質的主義のちんどん屋でヒット作を連発
競合のあずき相場はオマケしてもマケても異例の百発百中で申し分無く斯有り

私に関わらない方がいい
貴方には関わって欲しくない
もう私に構わないで
もうそっとしておいて
貴方まで面倒事に巻き込まれるから
貴方を巻き込みたくはないから
私一人でなんとかするから
先立つ物がなければならないから
なんとかしなくちゃいけないから

街頭の端っこで金をせびっていた男から庇った矢先に汎用性の報復を受けたのは彼女
僕のやらかした藪蛇によって手数が多く目に余る行為を身を以て受けたつれない彼女
男のせいでプライムに迷惑を受ける彼女と僕のせいで怒られるオウンゴールな彼女
どちらにせよ不平不満の矛先を怪演の二次被害さえ被ったのはツレの彼女
まぐれでも出来る限りかっ飛ばして登板する彼女の希望に添いたいと思っていても
トライアウトに引っ込みがつかなくてもキャスティングのオファーは来ない
前説も前座も触れ込みさえも上演は丸かぶりして顧客のフィーバーは漏電
自分が架線の希望にさえなれないグロテスクな不快感を呑み込みながら問いかける

金を渡そうとしても固辞して男は父親だから大丈夫と鳩時計のように念を押す彼女
元より見上げた根性でマンネリだから傷は浅いと思い込んで自分を鼓舞する彼女
いつでも死ねると思ったら楽になれる気がするから常に持ち歩くこれはお守りで
手が回らなくなってもタッチアンドゴーでレイリー散乱の打線は鬼門をコーティング
タッチアップの走塁ですらどうにもこうにもプライズを復旧出来なくなったとしても
本拠地を殺したら良いんだって気付いたからこれって成長だよねと彼女は笑う
けれどいくら死にたいという最終的な目処にして思っていても殴られれば頭を庇って
いくらエグくてもどれだけムゴくても尻込みしても犬死にも飢え死にもしたくなくて
千里眼を持っていない素人目であっても彼女は彼女自身を一番守りたがっている

ジリ貧のさもしい鉄面皮の父親にとっては稼ぎ頭‐スポンサー‐である彼女
父親からヤングケアラーを兼ねた虐待はゴールデンエイジより前からの恒例行事
牢獄の中で行われる呪詛の儀式‐トレーニング‐だから狼煙さえ我慢を強いて
ほんの少しの情報を零すだけで視線を動かすだけで多くの目ぼしい事を推測し
言葉を選んで誘導して仲間を売るような罪悪感を煽ってどこにも行けなくして
断ち切れない鎖で繋がれているからなんてことなかったと痛いけれど我慢出来るからと
各局のパンタグラフだと思い込もうとして自分を大切に出来なくなっていく
住み込みで没入させブレーカーを握り通電火災の出火を引き起こす支配人
時計の針が鋭利な凶器に変わって時間が経つ度に癇癪を起こすように刺さる

子供だから親の信頼を得ようとするし信じようとしてしまう食わせ物のヤマ
犬は三日飼えば三年恩を忘れぬと武者修行と称して躾けるのも親の仕事
成長曲線を捻じ曲げてぽしゃらせた子供を引き寄せる術を持つのは毒親でしかない
育ててもらった恩という風に感じてしまい毒が回って身動き出来なくなっている共依存
忠義的にべったりと依存するのは愛に飢えて必要とされたかったからで
信じるから騙され裏切られるけれど彼女は本気で父親からの愛を信じている
清純派を装った条件付き愛情でイヤイヤ期も無く親の期待に応えることが出来れば
上手くいけば愛情という多大な報酬が与えられた経験があるからこその厄介
そうじゃなかった時の別件の思い出にすがってまた気まぐれに優しくされて期待して
そうこうしている内にモラハラに慣れしまって素朴な疑問すら抱かなくなってしまう
質問してきたくせに自分の満足する回答をされないと同じ様な質問を繰り返して
自分の言いたいことだけを相手に言って強く反論されなかったら当人の同意を得たと
勝手に周囲に押し通せる人の欲望を知り尽くした正に悪魔ならではの作戦
何故あいつを信じる?俺の方が正しいことを言っているのは考えれば分かるだろう?
だって俺はお前の親だぞ?いの一番に疑うべき人間が違うだろうと言い包めて
そしてこいつは何でも俺の言うことを聞く奴って依存症で完全になめられる
親という権力があればいとも容易く躾という名の虐待が子供に対して実現出来てしまう
自分の人生を粗末に扱って隷属している親を何故自分の全てを犠牲にしてまで
面倒をみなければいけないのかとそんな必要は全く無いのだとそんなことすら気付けない
スキージーに均されて躾という名にラッピングされた男性不信もとい人間不信
都合良く扱われて根こそぎ使われてナメた真似で忍び込み喰い物にされても
身綺麗なおべべで泣きの一手をすってんころりと信じる彼女が馬鹿なだけと笑う

暴力という弱味を握って脅したらリベンジポルノを示唆されて脅し返された
後日極秘に金を渡してその瞬間は済んだけれど強奪の上乗せが一生続くだろう
手渡した封筒から金が落ちるのは隙間があるからで埋める為に金をもっと寄越せと
無茶なんかではなく親切で言っているとこれはお前が守りたい彼女の為だと
集団訴訟に芽が出れば怪情報の投げ文を寄越して剽軽なタレコミで情報提供
割本の入稿を待たずに書評するコンクールで手持ち無沙汰なモブキャラの愛好家
スターダムの決起集会でクルーザーにてうじゃうじゃと結託しぼったくりの共謀
乾杯の音頭はすんなりとはいかず無銭飲食でT字路をべっ甲でコーティング
これまでは良い事が片手で数えられる程しかいやそれさえも無かったけれども
ここまでに悪い事が両手で数えられる程度には移り変わっている彼女の人生
大躍進など当たり前に無くてコツコツ地道にやっとここまで来ているのに
これっきりなんてことはあり得ず呑気にこのまま言う事を聞き続けたとしても
大動脈の金が途切れれば不服として戦力外通告されて命の保証なんて無いだろう
頸動脈に深手を負って格調高い検視に揚げ足を取られて合同捜査はお蔵入り

僕を牽制する為に彼女が犠牲になって旅情のダイヤが妄りで淫らに乱れる
収蔵されたモノが弾け出てパニックも止められず回転灯の経過観察は重症化
面会謝絶のべしゃりで功労虚しく泣き疲れて暴れ疲れて水入りに寝落ちする
止めることも出来ずどうすればいいか何をどうしてやればいいのかもう分からない
落ち込みはスライディングして力を失ったようにその場にしゃがみ込む
呼吸は適正にはならずもうこれ以上息が吐けないのではないかと思うくらいに
法外なアドレナリンの代わりに身体中から空気がなくなるかと思う程に
深い深い溜息を吐いて言葉足らずな器物破損の現行犯に頭を抱え微動だに出来ない
ピッキングで不法侵入したって回転扉の向こうのラウンジまで辿り着けずに
ノーカットで肩にかかる重荷を一緒に背負ってあげる事さえ出来ない

出待ちして突然介入することは正当な動きではないことは分かっているけれど
どんな些細なことでも役に立ちたくて庇になりたくて遠慮なんかしなくていい
何か力になれることがあれば頼って欲しいし肩入れして直撃に気張りたい
未練を残しているからがっしりと心に食い込んで住居侵入の機会を狙われて
フォローばかりしてきたせいで自分自身を蔑ろにして付け込まれる可能性が拭えない
身を引いて彼女の幸せを願うとか困らせたくないとか思いやりではあるけれども
自分がなんとしても絶賛に幸せにするというのも思いやりではあるけれど
泣きの一回を乱用する父親がどう扱うかどう扱われるか分からないから
レアな安心感を求めるのは実体験している不安感と劣等感の二股があるから
辛そうにしているのを見ていたら捌け口になれるのは僕しか居ないって
既にお聞き及びかと存じますが傷付き慣れているけれど痛く無い訳じゃない
刺股では距離を取れずに武士(もののふ)であっても取り押さえられない
過去に誘われて現在に戻れず未来に行けないその原因を突き止めて取り除く
施すなんて烏滸がましいけれど得点圏に犠牲フライで退き際の良さと往生際の悪さ
縺れた糸を解くことは出来ずに画面越しでも触れてしまえば絡ませてしまう
関係無いポストシーズンには全く関係無いことは分かっているけれども
どうにかしたいしプレーオフでもどうにかしなければならないとも思っている

彼女が父親に宣伝の恩を感じているのならば僕が父親に喧伝の恩を売ればいい
彼女の自然由来の考えに背いてでも父親に一点物の恩を売るフリをすればいい
誰かの為の彼女は生息して居るのに誰かの為に演じる熟練の彼女も居るのに
しかしそこに内助の功の実務家である彼女の為の彼女は居ないし存在しない
上手く気持ちを表現出来ない上に隠して圧縮データの解凍を如何にも阻止して
僕を助けようと自分が犠牲になるペイズリーな行動を取ろうとする彼女
ギンガムチェックな彼女を絶対に死なせはしないと余計に気合いが入る
やるべき事は死ぬ事ではなくて生きて償う事だということも分かっている
しかしながら積み重ねがもうこれ以上積み重ねられなくなり崩れる前に
錬金術の横取りを先送りせず大一番の大事な時期に先回りして時効を撤廃
ギアを入れて電光石火で大胆な行動に移して悪手と握手して悪主に悪酒を
危険だと思ったけれども父親に立ち向かった彼女の覚悟は無駄にしたくない
彼女をオービスから隠し通したかったら人任せにせず父親から守り抜くしかない
火の中水の底の彼女の為ならたとえ火の中水の中に潜ってどいてと直帰

禁止されている事には意味があり理由があれど憂いを払う為ならだんまりで
フレキシブルにカードを切って憂いがある要素を一気に潰す一騎当千の快進撃
これ以上足を突っ込むならばボヤキは勿論クシャミ一つでも失敗は許されない
信念を貫く為に危険を冒してルールを破り守る為なら罪ぐらい誇りを持って背負う
殺るのなら序盤から一気に勝負に持ち込んで瞬殺しなければならないから
彼女が逃れる為には救われる為には殺すしかないのかその御業には半信半疑
どういう風の吹き回しなどと最初から疑ってかかるようなことはしない
信じてもらえないなら話しても意味が無いし話す気力もなくなるから一休み
部も同好会もサークルも研究会もビックデータで許嫁をマネタイズ化
リレー捜査の代名詞‐ドミナートル‐はパーテーションでザックリと区切られて
彼女の為と言うのならば彼女の意見を重点的に優先させればいいだけなのに
自分のしたい様にしたいだけで言いなりにしたいだけで父親の意見をカモフラージュ

捕まって裁かれて罪を償わせて登ったら登っただけ急降下すれば地獄でも
誰であろうとも修理固成しなければならないなんて一区切りの道徳倫理
僕の身勝手な我が儘で彼女の必要な人‐ヒットメーカー‐になりたくて
クローゼットのトータルコーディネートはこれでいいこうするしかない
守る手段がそうするより他無いから全ての責任は僕が持ちますと計画を練る
フォームが真面目な人間は犯罪にだって身を低くして真面目になれるから
アリバイの演出過多になっても偽装工作をミスってもたとえボロが出ても
アメコミに噴き出して咳き込んでも集めたページを再び捲くることは無く
振り返ることも無くコースターを置いて席を外した彼女にだけは鉄壁のアリバイを

僕が蛇行して破れる身も蓋もないルールはこれが限界‐デッドライン‐
腑に落ちない父親を手の届かない遠くに逃がして輸送した彼女の近くで守る
彼女専従の僕だけの自警団を結成して出陣式へ彼女に円満退職で安寧の目星を
群集心理の波長がキャリーオーバーした最高峰の英雄視なんて公示日さえ期待しない
妄言多謝の素質はあれどフェミニズムのディスレクシアで痛い所を衝く
僕の罪はホールドされ消えなくても点字をおさらいすれば彼女の心は取り戻せる
惚れ込んだコアなファンの馬鹿な所業で酷評されても苦労人だと善人面する気は無い
ガールズトークの私怨‐タブー‐なんてお構いなしで慎み深い自責の念など無い
箸にも棒にも掛からないけれどもシリアルナンバーを細かく刻んで合間を縫う
ゴールデンスモークの枝別れした逆戻りに退廷を命じて被疑者死亡で送検
彼女を殺した人殺しを見つけ出して僕という人殺しを生み出すインターバル
ロックオンした勝算なんて何処にも無いけれどももう考えるのを避けたかった

663.シンクロニシティのキラーパス

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一肌も脱がないし引き止めもしないし何も言わないけれども運命や如何には一番乗りの君次第

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665.転機の非常口‐アサーション‐

私の両親は何でも話を聞かない人達だった
アバウトなフリーサイズで時々気まぐれに
プレゼンターのポジティブな吉兆に期待も
すぐに突き放されて痛みこそ愛だと信じて
心配して欲しくて構って欲しくて傷付ける
私が居るから両親がどこにも行けないなら
感情を抑えられずに起こす破壊衝動ならば
崖の一歩手前にいて一線を超えるは生放送
イラナイ私に向けて壊して捨て切ればいい
ローテンションでプレイヤーを無視し断線
ハイテンションでプランナーを奪って網羅
アストロノミー並に広大である己の欲望を
享受する為には腑抜けに怯まず着こなして
鼻ちょうちんの学説で借金を重ね続けては
返そうともせずやさぐれて自調自考を放棄
社会的制裁は板の間でも風除室にはならず
マルキュウには麦角アルカロイドが回って
洒落にならない程に意識レベルは低下して
秋の日はつるべ落としとして木枯らし1号
人知を駆使しスチームでドーピングしても
毒素が巡り自縄自縛のタラップで立ち往生
お手上げで土に還されたら一溜も無いから
血相を変えて真剣白刃取りをこぎ着けての
死に物狂いで終盤には代わりに差し出して
レクトルに売り払ったのは不用品である私

怖い人達からの通念として私を引き取った
もとい掘り出し物の商品として受け入れた
名門の強豪校の特待生なんて自己紹介など
理事長も監督もコーチでさえも時差ボケで
損害賠償の金銭感覚は富裕層へ独自路線で
ハードさてんこ盛りの銭ゲバの経営方針を
分断せず併用する在り方をレギュラー入り
ニーズを釣り上げインバウンドへ知恵熱を
代替医療も統合医療も初対面の急病人さえ
正気の沙汰では失くしパワフルにブースト
誘いに乗らせて絵を描いた遺言書を装填し
個室にて嘱託してお開きにして退場させる
店のオーナーは話を聞いてくれる人だった
恰幅が良くて敵に塩を送るように見える人
身銭を切り成長株を受け入れる懐が深い人
トレンディでサンオイルが似合うような人
潤沢な実業家の経済圏は外貨の密約が満悦
けれど聞くだけ聞いてその全てを否定して
自分の考え以外は誰にも何にも通さない人
悪質な土地転がしにて食い荒らす厳荘な人
言い草を改良してはOBもOGも怪文書を
くそったれと押っ広げに提訴など出来ない
それでも追い上げられないドベの避暑地で
立ち行かなくなり決死の曝け出す地産地消
名瀑の荒廃に彗星の如く現れ空気を澄ませ
着手金として涼をとらせ人生設計を解体し
鉄骨の支柱でも傾斜の斜度は鋭角に推移し
亀甲の宝殿を打撃すれば危機一髪の救出劇
難攻不落もキューポラにしてだるま落とし
スリングショットに成すがまま受容させる

接客のスペックは全く問題なかったけれど
クスリのレッスンは頓と体に合わなかった
私をバックアップして撫養するオーナーは
あまり頻繁に店に顔を出さなかったけれど
お気に入りの同衾としてお手付きにされた
私が頭でっかちに見えて気に食わないのか
クスリに溺れさせる事が出来ない苛立ちか
最悪に染まったり魂を売ったり注入したり
一役買ったとしてもごちゃごちゃうるせー
イビったりどついたりビンタされたりせず
飲んだくれることもなく待遇が良く見えて
戦友に潜水させてお捻りのぶりっ子を捩り
パブリシティに日夜奔走し高嶺の花を演出
鮮烈なピンポンダッシュの回遊の企てるも
ゲスい内緒話は人海戦術で雨脚が強くなり
短絡的な夜這いも出張の火遊びも恋愛相談
出尽くしたウブな更地を古風だと装っても
脱皮してどちら様と線を引いても劣化して
はたかれた指南書の原器は鳴かず飛ばずで
自分達の情勢は自傷しても何も変わらない
省エネのリアクションはメトロンも動じず
店長や同僚からは話すら聞いてもらえない

私のリムを守っていたオーナーが病死して
よーいどんとぶっちぎりのSDGsの時評
中でも歴が一番長く売上も良かった店長が
元締めとしてのオーナーも兼任することに
店長からの当たりはますます激しくなって
しかしおいそれと喉笛を掻き切れないから
一木一草に対して速効性のある苦肉の策は
私を表には出さずに皿洗いと裏方に回した
意味深に出しゃばるディフェンダーの店長
スケベの神器は便宜上に程があっても拝借
欲望やストレスの捌け口の適任となっても
周りから店長のお気に入りに見えるらしく
同僚達との争点の溝は深まる一方だけれど
討論の獲得やクレーターを埋める努力すら
そんなことはしないから当然と言えば当然
初任給の分け前さえ気を抜けば抱き込まれ
号泣されて騒ぎ立てられはしないけれども
アスペリティの下馬評は麻袋に詰め落ち目
白目の痛快と痛快無比でざまあみろらしい

ある日いつもの様に店長を迎えに行ったら
いつもの場所に居ないから付近を探したら
路地裏で血に染まって仰向けに倒れていて
近付けば刺されているようで身体が震えて
揺さぶって店長の名前を呼ぶしか出来ない
救急車すら呼ぶ考えが浮かばないくらいに
希釈された胞子でも塵も積もれば山となり
長年の洗脳で私の思考は完全に支配される
両親が不審火の仮組みをしてスリープさせ
オーナーが軍事転用の共同講でロックして
発足した寒冷紗で追憶すらシャットダウン
居合わせた私を固まった私を再起動させる
お手柄なプログラマーは目の前に居る店長
クスリの帳簿とかが入ったメモリを渡され
誰にも渡すな何も話すな捕まるな逃げろと
早口言葉のように店長にそう言われたから
幕を切って落とすこと無く火蓋が切られて
不慣れで手こずっても逃げる闇雲に逃げる

路地裏とはいえ人が通らないわけではなく
私がダッシュで逃げた後に発見されて通報
凶器が見付からないことで殺人事件として
捜査が開始されて防犯カメラに映っていた
路地裏から慌てて駆け出して出てくる私を
事件の重要参考人として警察が捜索を開始
超大国の十二進法の尺貫法の測量はダース
面が割れているから変装より特殊メイクで
窮状した手口のバリエーションは早歩きに
どっちに転ぶか分からない即席情状の余地
逆に言えばアクロバットなコーナリングで
緊急事態にメーターは振り切れてケーオー
しかしながら私は誰からも逃げているので
グレードアップしたコントローラーで裏手
他の手掛かりを一片も説明が出来ない以上
私を探すという考えを結論付けるほか無い
けれども私は尻尾を掴まれたらジ・エンド
我今帰するところ無く孤独にして同伴無し
目ぼしいものは全て無所帰の自転車を漕ぎ
テクニカルにミュートし凍結し姿を晦ます

時を同じくして店が風営法違反で摘発され
官民一体の交通網に内通者など居なくても
主幹の大枠をバッティングすれば一網打尽
逮捕されて取り調べを受ける他の従業員は
牛耳っている裏の組織なんて面識が無いし
唯一繋がっているはずの店長は行方知れず
しょっぴかれて窮鼠猫を噛めないキャスト
マチネもソワレも比較言語学を暗号化して
鳩が豆鉄砲を食らったようにしても無謀で
信じ難いと言っても訳アリの恩義は硬骨漢
モデル実験の予行演習は既に契約成立して
ランパートの仕切りに被害が遠征に及べば
心を動かし心を打たせるダメ押しの好印象
泣いても笑っても不可思議は洗い直されて
金のテンバガーをセンタリングで見ている
単純で単細胞の方が救われることもあるが
見えていないとか見ていないとかではなく
遮蔽物のアタッチメントをアーキテクトが
テレクラのアーティストとしてサーカスを
年回りのピークを超えても風習にのた打ち
門外不出を見ないようにしているのだから
放っておけば序章から捻挫して問題になる
うつ伏せで魘されても御後が宜しいようで
ダウジングの捜査の手からは逃れられない
無論私のことなど日常的に眼中に無いから
私の存在は全て無かったことにされている

店長の行方を未だ探している部署の捜査官
私の行方を今尚探している部署の刑事とは
顔見知りで愚痴零しを兼ねた情報収集をと
浮かない顔で話を聞きに行けば捜査資料に
肝心の要が寛いで行き掛けの駄賃になった
行方不明などではなく殺害されていた店長
重要参考人に店の女の子達と同年代の女性
思わぬところで繋がり私の存在が浮上する
店長にシールドされて店には出ていない私
もちろん写真も無く従業員達から聞き出し
書かれた似顔絵と防犯カメラに映った人物
その両方が一致してついに私が特定された
事件の犯人かどうかは分からないけれども
工面すらしていないからアリバイは崩れて
点在する防犯カメラと足を使った聞き込み
デジタルとアナログを駆使しスケーリング
トラッシングもケースバイケースの白銀比
縦横無尽の虱潰しに類推の迂回も一理あり
大事に至らない内にと発祥へ縁結びを願い
カップリングに際し枝折戸の地頭としては
使用上の注意をよく読み用法用量を守って
正しくお使い下さいとテコレップシステム
両方の部署が協力し私の行方を迫って来る

刑事の女が向かいの遊歩道から私を発見し
刑事の彼と鉢合わせて目が合ってしまった
正気を失って逃げることしか頭に無いから
兎に角捕まらないように人気の無い神社へ
出口なのか袋小路なのか分からずジグザグ
一見大人しそうな見た目の私の足の速さに
調子を狂わされてもそこはさすがに警察官
算額を通り越してもスレスレに振り切れず
流石のアコーディオンのコンビネーション
だらけずにへばらずに多面的に狙いを定め
追い付かれてお互いに荒い息を吐いている
見付けただけでは一件落着にはならなくて
オークションのようにタイマー刻みで競り
メトロノームのように一定の距離を保って
ちょっと待ってと呼び止めようと叫ぶ彼に
メモリを持った手を握り締め後退りすれば
手を伸ばしてくる刑事の彼から逃れる様に
後ろの石段に気付かないまま足を踏み外し
重力に従って最下部まで派手に転げ落ちる
直ぐさま駆け寄った刑事の彼は応急救護を
それと同時に刑事の女は救急車を要請して
直ちに病院へと運ばれ私は意識不明の重体

気が付いた時には病院のベッドの上に居て
手元にも何処にもメモリが見当たらなくて
暴かれないよう主である店長が隠す真実を
知られないよう敵である警察から守る為に
何も知らないからただ書斎を守るしかない
格下げされたお花畑と格上げされた南京錠
完璧な嘘を捏造するだけの技量は無いから
後腐れがないようにランサムウェアを発動
音を立てないようにして引き戸を開ければ
門番のように警護の警察官が仁王立ちして
気付かれないよう病室から疾く逃げようと
そういう時に限って気付かれるのは何故か
所定の位置から離れても追って来る警察官
加えて刑事の女も後ろから追いかけて来る
待ちなさいという声に待つつもりなどない
刑事の彼は携帯使用可能エリアにて上司へ
私の怪我の状態と自分の感じたことを報告
犯罪を犯し逮捕されることから逃げている
そのような感じではなく何かに怯えながら
逃げているように私のことが見えていたと

廊下を走れば刑事の彼が携帯片手に通話中
突っ切れないと判断してその手前に見えた
階段から下へ下りようとすれば話声がして
誰かが上がってきてしまったから仕方なく
上へと上がろうとすれば刑事の女と警察官
二人の怒号がする方向へと体と顔を向けた
刑事の彼とまた目が合ったけれど差し置き
慌てて電話を切って追いかけて来るけれど
そんなものは無関係だからと階段を上れば
ウォーキングに最適な屋上庭園に辿り着く
刑事の彼がドアを開け追い付かれてしまい
見回せば安全の為に囲われているフェンス
しかしながら今の私には不要の伊達メガネ
身を滅ぼす許容量はたらい回して押し売り
村八分の転院もお加減いかがとはいかない
足抜けの受け皿はコークスを鋳造した先に
叩いて伸ばして接合した切れ味の良い一打
乗り越えて飛び降りる為にフェンスを登り
ウソだろと刑事の彼が止めようと駆け寄る
登りきるその前の途中でクラリとして秒殺
回る視界とオーバーチュアは無音となって
即刻集音なんて進言はせずに仰け反る形で
手を離してしまってスローモーションの殯
落ちる私を無謀とも言える目下の上背にて
タックルのようにスライディングのように
キャッチした彼は私の体のあちらこちらを
甲斐甲斐しくも確認しては怪我は無いかと
力強く抱き締める形で庇ってくれた奏功で
その上に中肉中背の彼を下敷きにした封止
素っ転んだ私には彼が心配する様な怪我は
何一つ負っていなくて防衛本能の無駄遣い

出直せない一発勝負の真っ赤な嘘の効力は
愛読原稿の随筆を保管する書庫の制覇には
随所が液漏れして商売上がったりになって
外野は黙っていろなんて新調出来なかった
私の落ち度だとして切り返して郊外へと尚
帰巣本能みたく逃げようとして藻掻く私に
待って待って落ち着いて逃げないでお願い
お願いだからと万策尽きて差し迫る問題は
見苦しい剥製の摂食の蔵書は土蔵の尼僧で
自らに余命宣告しシノギごと本場の泥地へ
沈もうとしている私を集配して御用聞きに
トップクラスの最優先事項として保護の濠
話を聞きたいだけなんですという彼の言葉
私の中で太古の昔より抜本的である史上初
私はピタリと動きを止めて組み木の護岸に
徹する彼を見れば性根優しく見つめ返して
私の話聞いてくれるのと不確実性の論外を
問うた私に話を聞かせてくださいと頷く彼
モノローグはやっと肩の荷が下りただろう
悍ましく醜悪な依怙贔屓にイジけて争乱も
まどろっこしくお見えになって祭祀の扮装
駆け出しの頃から付き合いが悪くても与し
誘き寄せて何なりとお口に合えば幸いです
おどろおどろしくもちょこまかと買い付け
良好な関係を築けば助っ人さえ闇討ちされ
気負って特訓に明け暮れても破格の当確で
肩身の狭い不名誉は幕を下ろしてお勘定を

666.虚空のポンジスキーム

違反の宝庫だった霜降りが氾濫する店が摘発されて保護観察中
生活安全課に属する警察官の口利きで小さな工場で働いている
基盤の基板さえないけれど下宿して見様見真似の空中配線
志は高くともアイドラーは遅くてタコメーターは雀の涙
コンデンサのコンポになるには内包のパーツが足りなさすぎる
赤裸々な情操もパペットのように大袈裟には出来ないけれども
女将の挨拶回りのアシストぐらいは出来るようになった

リーゼントやモヒカンの第一世代が鳴らすチンケなスキール音
高分解能質量分析計のように鼻が効く奴等が取り囲む覆輪目地
何の話と諸説ぶいても俺達が知らないとでもと復元も復原も容易く
私がクスリを扱っている店に居たことを知って後味のつまみ食い
金の無心と販売ルートを吐かせて雇い止めとして利用する為
6秒ルールすら放送禁止と絶交して泣き寝入りで締め出される
協力しないと工場も人も目茶苦茶にするという脅しは火気厳禁
虚仮威しなんかではないことはスパコンでなくとも予見出来るから
間が悪くても解せなくても誰にも何も言わずに工場を離れた

突然行方が分からなくなったから当然生活安全課に入るクレーム
ヒアリングも言葉尻は畜生で国有地売却物件さえテスターシール
堆積して嫌気が差したんだろうからと反旗を翻されたワンオペ
後継が居ないから引き取っただけとざっくばらんな鋸歯も健在
受け入れ先だからとチヤホヤしてもああ言えばこう言う縮流なら
心変わりもせず吹き下ろしの叩き売ったセットバックなら錯誤だったと
自薦も他薦も剥離して科学的根拠が無くとも吹き流しで時代を読む

別動部隊の機動捜査隊も加わってブロックチェーンの捜索の開幕
刑事課の彼はこの逃走劇に焼き増しされたデジャヴを感じていた
売人の一人が野垂れ死ぬように殺害されてその捜査中であり
繋がりが見付かればエーシスを切り崩せるのではないかと息を吹き返す
と同時に漏斗のように狭めてしまう私の心身の状態が気に掛かる
エンカウント状態だったけれどもアクシデントを取っ掛かりに
ヒールだと取り違えられても腹を割って話をして話を聞いて
やっと自分の言いたいことが言えるようになってきたのに
弾力のあるフラッシャーされオピニオンはシュレッダーにかけられる
そんな私を早く見付け出して庇護して心因性を取り除かなければと

クスリを運び屋から受け取ってアジトへ運んでいる最中に
機動捜査隊に見付かって追い掛けられてしまう
クスリという荷物のせいで追い付かれてしまって
クスリの入った鞄を引き合っている内に中身が飛び出してしまう
養殖とは違う本物を受け渡しには持っていかないといけない
小金持ちとは桁が違って逝去も崩御も薨御も薨去も卒去もイジェクター
目指すところはピンぼけしてやり直せないけれど償いは次善
次に活かして身の毛もよだつオフ会からあの人達を守らなければ
プロネーションさえ戻れないからひたすら前に進むしかなくて
身の危険を感じても引き返せないから行くところまで行くしかない
蓋(きぬがさ)さえ振り払って機動捜査隊を振り切った

鞄ごと持っては来れたけれど揉み合った時に数個落としてしまったようで
クスリの個数が合わないと貧乏揺すりはボツの下準備
中古のガイドブックはパワーアップした滑車でツアーを
夢見心地の立ち飲みをスイートルームでフリーズドライ
やむなく動じないのは消し飛ばされた浪人だからか
一夜限りなんて儚いものではないから意識が戻った時には
辛気臭くがっついていた奴等はプリセプターもプリセプティも
注意散漫に消えていてアジトもとい廃倉庫に放置されていた
散乱している服をかき集めれば何とか様になって
道を歩いていても不審者にはならないだろう
クスリの受け渡しの皮算用と警察官を殺す算段をしていた奴等
誰かのインスパイアされたインスピレーションに乗かっているだけで
腕が鳴るとエンターテイメントを動かした気になっている奴等
ユニークな才能を秘めているフリをしてインターンを手抜きして
考え直すこともなく実際の現実はアシスタントに過ぎない
何の気なしにと打ち上げに出掛けている隙にのっぺりと抜け出す

公衆電話を見つけ出して掛ける先は急用の110番
私の名前と彼の名前を告げて設問の手間を省いて電子音
彼は私の話を聞いてくれるからどう伝えたら良いのか余計に難しくて
宵積みのプロジェクトなんて知ったら余計に混乱させそうで
もし手柄を上げることが出来るのなら彼の役に立てるのだろうか
私が工場に籍を置くことが決まった時みたいに喜んでくれるのだろうか
考えている間に繋がって彼の声が聞こえてくる
どこにいるのとか怪我の心配とかちゃんと食べているのかとか
トピックは私のことばかりで彼の人柄の根幹が変わっていなくて
人恋しいなんて私らしくないと一皮むけたフリップをクリップ
突き飛ばしてしまった機動捜査隊の人に向けたごめんなさいと
クスリの取引の時間と場所だけ告げて受話器を置いた

指示を受けるだけではあるけれども誰が味方か敵かも分からないということはなくて
売り付けと味見が一体化して地鳴りが猛威を振るう
明確に定義されていなくて曖昧なのにあることもないことも
基準が無いから証明も出来ないからクスリの現物だけじゃなくて証拠がいる
だから証拠のメモリがある事務所代わりのビルに潜り込む
行為中のこととはいえ奴等はそそっかしく喋り過ぎた
おっとっとと鍵さえ壊して忍び込めばクタクタでも見つけ出せた
けれど見つけ出すのに夢中になっていて階段を上がってくる足音に気付かなかった

持ち出そうとしたら扉の前で奴と鉢合わせて揉み合いになる
けれどもこのミソであるメモリは絶対に離さないと力を入れていたから
一瞬の間隙で階段から転げ落ちスプリングのように跳ね出された
頭が揺れて視界も歪んでいるけれども届けなければと
その一心で動こうとすれば奴に踏み付けられて動けない
丸くなってメモリを庇うけれどいつまでもつか分からない
彼はちゃんと辿り着けただろうか手柄をあげられただろうか
そんなことばかりが頭を過ってそろそろ意識が手放されそうになった

そこに駆け付けて奴を捕まえたのは機動捜査隊だった
彼と彼の上司と彼の同僚と生活安全課の警察官以外は
未だに信用出来ないというか話せないというか分からないから
このメモリを奪われる訳にはいかないから這ってでもと距離を取る
怯えるように逃げる私にどうしたらいいのか分からないと
オロオロするのはあの時私が振り払った人
自分達は彼や生活安全課の警察官の知り合いだと言う
私との共通点を見付けて会話の糸口を作ろうとする
知っている事を話してくれと言葉にしない出来ない声を聞いてくれて
誰にも話したくない話せないようなことを話せたけれども
目の前のパラメーターはピンとはこないバロメーター

機動捜査隊の一人が何やら私に電話を向ける
スピーカーから聞こえるのは生活安全課の警察官の声
彼は私の情報通りに仲間と共に取引ごと逮捕して評判も上々
元売りも仲卸も含めてスポーツマンシップに則り全員取調べ中
加えて目の前のその人達は信用出来る人達だという
彼は警察は私の情報を信じたのだから自分達のことも信じて欲しいと言う
カウンセリングのような達筆なリズムチェック
両の手で握り締めていたメモリを震えながらも渡せば
拍動は浮き沈み呼吸は落ち着くように浅くなっていく

667.オーガニックな恋路

年の差で付き合うことに負い目を感じているらしい

じゃあ老いた年上の君は年下で若いから私と付き合っているのか?

そうじゃないでしょ

年の差でも異性でも同性でも

君は私だから付き合っている

それは私も同じ

君だから付き合っている

そんなことで君との人生邪魔なんてさせない

先立たれたって骨抜きに添い遂げるだけ