◆
1.子供は特別
◆
「動物は可愛いな~。文句は言わないし、癒される。」
『悪かったね可愛くなくて。』
「まぁ、言う事聞かない時もあるしねー。憎たらしくて可愛くない時もあるよ。でもそんなのどうでもいい事だけどね。だって子供は特別だから。」
とある日の母と子の会話。
◆
2.守る戦い
◆
戦争はなくならない。
争い事がない世界なんてない。
自分も相手も大切なものを守る為の手段なのだから。
だけど僕は戦う事を、命を奪う事を止めない。
君と君の愛する国を守る為に。
◆
3.幸せと不幸
◆
幸せがあるから不幸を感じる。
不幸があるから幸せを感じる。
どちらかだけでは駄目なんだ。
笑ったり泣いたり、両方あるから良いんだ。
◆
4.約束の挨拶
◆
「行ってきます」
『行ってらっしゃい』
「ただいま」
『お帰り』
――行って来るけど必ず帰るよ
そんな暗黙の約束
◆
5.不参加の理由
◆
兄は戦いで命を落とした。
妹は強く戦えるにも関わらず手は出さなかった。
『だって兄が言ったの。』
――「お前は手を出すな。頼むからお前は生きろ。たった1人の妹くらい守らせてくれ。」――
『だから手を出さなかったの。馬鹿な兄よね。でも…』
――そんな兄の言う事を聞いた私は最低な妹ね…
◆
6.生きることにした
◆
戦乱の世、殺戮の為の存在。
人形同然に扱われてきた私にも大切な人が出来た。
だけど、赤黒く血に染まった手でお前を抱き締め返す事なんて出来なかった。
だから、戦いと共に私の全てを終わらせようとしたのに…
「もう命を奪わなくていい、戦わなくていいんだ。過去は忘れてはいけないけど、俺は君に隣に居て欲しい。生きられないなら俺の為に生きてくれ。それがどうしても出来ないなら一緒に終わらせてやる。」
なんて、怒った様で泣きそうな顔で言うから。
生きることにしたよ。
だってどんな事があっても、お前に死んで欲しくないから。
こんな事思えるなんてお前のせいだからな。責任とれよ?
「『愛してる』」
◆
7.夫婦とは
◆
仕事ばかりですれ違いの毎日。
「苦労ばかりかける。」と謝る僕に君は言ったんだ。
『大丈夫。そんな事分かってて一緒になったのだから。』と。
――あぁ、やっぱり敵わない。
緊張で噛みまくりのプロポーズを1度で理解してくれた君には。
◆
8.天国の証明
◆
ドラマでよく聞く台詞。
他の奴のものになるぐらいなら殺して自分も死んでやる!
「なんでこんな馬鹿な事考えるかなー?大体天国とか地獄とかあの世とか、俺らに分かる訳ないっつーの!《一緒に》なら死ぬじゃなくて生きるだろ?君もそう思うよなぁ?」
なんてテレビを見ながら、写真に向かって喋ってる私の夫。
良かった、私の心配は貴方には馬鹿な考えだったのね。
でも、天国はあるのよ?
だって私がその証明だもの。
◆
9.お約束の少し前
◆
命に代えても守ってやる!
なんてカッコイイ勇者様。
でも、自分の命さえ粗末に扱って何を守れるのかしら?
自分も愛する人も世界も救ってこそ、本当の英雄でしょう?
私を倒してハッピーエンド、正義は必ず勝つんでしょ?
でもだからって、私はご都合主義に屈しない。
簡単になんて負けてやらないんだから!
勇者一行を目の前に、ラスボス魔王様の無駄な決意であった。
◆
10.自分か他人か
◆
「自分が自分の子供をけなすのはいいけど、それを他人に言われるとイラッとするのよね。」
『けなすって、なんて歪んだ愛情よ。普通に愛して!』
「諦めろ。親とはそういうものだ。」
『いや、親には誉められたいだろ。』
この家族は今日も平和です。
◆
11.帰還を願う
◆
戦地に赴く貴方を見送る。
『これをお持ち下さい。』
「大切な守り刀であろう?」
『はい。…ですから、戻られたらお返しいただけますか?』
「承知した。必ず手渡すことを約束しよう。」
――どうかご無事で
お戻り下さい。――
遠ざかる背中に祈りを込めて。
◆
12.指定席
◆
安全な場所で守ってもらっても、貴方の居ない世界なんて絶対に嫌。
どれだけ傷ついても構わないから、共に立ち向かう。
貴方の隣は私の指定席。
◆
13.親孝行
◆
親孝行ってどんなことをすればいい?
お金?
旅行?
家?
きっと違う。
笑って泣いて、そして何より健康に生きていること…かな。
子供は親より長生きしなきゃ。
それが親の願いだもの。
◆
14.君なりの言葉
◆
「お前は俺に守られてりゃ良いんだよ!」
お喋りでお節介な私に、無口で不器用な君が言う。
君なりの愛の言葉はちゃんと届いたよ。
◆
15.そうありたい
◆
感謝されたくて親切にするわけじゃない。
でも【ありがとう】と言われる様な人でありたい。
あの人がそうだった様に。
◆
16.思っちゃった
◆
「私のどこが好き?」
そんな事聞かれても答えようがないよ。
理由なんてないんだから。
容姿とか性格とか価値観とかじゃない。
君は君で、君以外の何者でもなくて。
君のこと
【好き】って【愛してる】って思っちゃったんだからさ。
◆
17.私だけの
◆
君はいかにも不良って感じの風貌で、怖い噂は数知れず。
君が暴力は嫌いだと叫ぶのに、私以外誰一人信じようとしなかったみたい。
転校初日の質問攻めにうんざりして、逃げる様に屋上でサボってる君の隣で落ち着いた日々を過ごす。
『俺が怖くねぇの?噂とか色々あるし。』
「別に。噂は尾ひれが付くし事実と異なる事もあるから。自分の目で見て感じた事を信じる。だから君を怖いと思ったことはない。」
ある日突然の質問に思ってるまま答えたら、『ば、ばっかじゃねーの!』なんて君は言いながらそっぽを向いた。
でも私は知ってる。言葉は乱暴でも思いは違うってこと。
だって見え隠れしてる耳が少し赤いから。
君の素顔は私だけが知る、私だけの特権。
◆
18.好きで恋して愛する
◆
恋って気持ちじゃなくて
心でするもんなんだね。
何度でも君だけを好きになる。
だって、君と愛し合った日々も
産まれてから今までの思い出も
全ての記憶が無くなった現実。
それが今の僕なのに、こんなにも《君が好き》って気持ちが溢れてる。
僕はいつだって君を好きで君に恋して君と愛する。
◆
19.上司の言葉
◆
「凄く助かってるよ」
言われたいわけじゃないけど嬉しくなる。
認められた様で。
必要とされてる様で。
『これからも頑張ります。』
再び決心した新人の夏。
◆
20.謝罪と感謝と自慢と
◆
「あいつは俺を庇って…。俺はあいつをころ」
『してない!お兄ちゃんは誰にも殺されてない。貴方を守ったの。勝手に殺さないで。』
「だけど…」
『お兄ちゃんに言うの。お兄ちゃんが守った貴方は最高の彼氏で旦那だって。言うの。言うって決めてるんだから!』
救われたと同時にプロポーズまでされちまった。
今度は俺の番だな。
花と線香とお前の好物持って、たっぷり聞かせてやるよ。
嫁自慢をな。
◆
21.良いんだ
◆
辛い事・悲しい事・しんどい事
色々な事があっても
頑張らなくて良い
悩んだって良い
立ち止まったって良い
逃げたって良い
いつか前に進めるなら
そして前に進めても忘れちゃいけない
それがあったから今があるって事をね
◆
22.時の流れに思うこと
◆
過去は思いを馳せるもの
今は現実を見つめるもの
未来は夢見るもの
◆
23.ママには分かる
◆
言葉が通じないって大変。
でも少しずつではあるけれど、君の伝えたい事が分かってきたよ。
新米で悪戦苦闘しながらだけど頑張るね。
ママって呼んでくれる日を楽しみにしながら。
◆
24.応援ではなく
◆
「勝てると思うか?」
『どうだろうね。』
「………。
【勝てるよ】とか【頑張れ】とか応援しねぇか普通。」
『応援して欲しいの?』
「いや…、そういう訳じゃねぇけど。」
『勝ちたいのも頑張ってきたのも知ってるから何も言わない。でも、待ってるから。どんな結果になっても私はベンチで待ってるから。』
笑顔で言い切ったマネージャーに【勝利】を誓った試合前日。
◆
25.本音と建前
◆
就職して1年経過、仕事も雑用も色々こなして任される。
でもさすがにオーバーワーク、頼られて任されてこなしてまた任されて…一向に自分の仕事が出来ない悪循環。
やっと任された仕事の要領が分かってきて、時間配分をやりくりして定時で帰っていたら暇だと思われる。
等々…色々と限界なので、やる気を見せつつ密かに転職活動。
気付かれずにひっそりと。
面倒な事押し付けられる度、ストレスは溜まるけど華麗に完璧にこなす。
必要不可欠な存在になる為に。
私が辞めた後困る様に。
嫌がらせの様に。
なんてちょっと意地悪かしら?
◆
26.謝罪じゃなくて感謝
◆
【すみません】
【ごめんなさい】
【申し訳ありません】
謝ってばかりだね。
謝罪も大事だけどさ、代わりに
【ありがとう】
【助かったよ】
【嬉しいよ】
なんて言ってもいいんじゃないかな。
感謝の言葉の方が、あったかい気持ちになるでしょ?
◆
27.私達だけの軌跡
◆
貴方の決めた事に反対しない。間違ってたら言うけど。
貴方の人生だから。
一度きりの人生だから。
悩んで考えた末の結論でしょ?私は貴方の味方よ。
たくさん苦労したってどんなに貧しくたって構わない。
歩んで行こう、私達なりの最高と言える人生を。
◆
28.背中合わせ
◆
貴方が辛い時、
なんて言ったらいいか分からないから。
泣き顔なんて見られたくないだろうから。
背中合わせで手を重ねる。
――私はここにいる、気が済むまでずっと傍にいるよ。だからどんな感情を見せても大丈夫。
そう伝わる様に。
◆
29.抱え込んで駄目になる前に
◆
悩み事なら言ってごらん?
解決法なんて分からないけど、聞くだけなら出来る。
溜めずに吐き出して?
そしたら受け止めて、そのままどっか遠くへ放り投げてあげるからさ。
◆
30.思い込みと決め付けは事実ではない
◆
闇に堕ちた漆黒の天使
光を導く純白の悪魔
狂気と赤に染まる神
慈悲深い優しき死神
見た目と中身が同じだとは限らない。
◆
31.地道だけど大切
◆
「みんなやってんじゃん。先にあいつらに言えよ。」
『確かにあの人達もそうなんだけど、君もそう思われてるんだよ。だからまず君から注意してるんだ。』
言い訳や屁理屈も何のその。
何度だって説明する。
理解してくれるまで。
納得してくれるまで。
それが君達に世を託す前の大人の責任だから。
◆
32.自分の意志で
◆
生きろと言われたから死ななかった訳じゃない
助けられたから生かされてる訳じゃない
貴方と生きていきたいと思ったからなんだ。
◆
33.他人の為には自分を変える
◆
全てに決着が付いた。
これで自分の人生歩んでくれると思ったのに。
まだ他人の為に生きるのか?
もっと我が儘で利己的になっていい。
誰かの為なんかじゃない、自分の為に生きてくれ。
そうすれば悲しみを含んだものじゃなくて心から笑えるから。
大切な人達と今までよりもっと笑い合えるから。
今の自分の人生は1度しかないんだよ。
◆
34.暗殺者(アサシン)心中
◆
剣を振るう度
命を奪う度
既に砕け散った心は
その欠片さえ無くしてく
けれど斬った感覚は
この手に焼き付き
決して消えることはない
罪は重なり、罰は枷となり、
思考さえ停止させて蝕み続ける
◆
35.退軍を決めた理由
◆
いいかなーってさ。
未来にいるであろう子供と
お前の帰りを待ってるのも。
国じゃなくて家を守りたいと
そう思ったんだ。
◆
36.つまり私が君といたいだけ
◆
どんな過去を抱えていても
君の傍にいられない理由にはならないよ
◆
37.消えない罪と受けられない罰
◆
許されない罪はたくさんある
それでも必要としてくれるなら構わない
私は他が為に。
◆
38.贖罪
◆
命を奪った罪
死ぬ事は許されない罰
生き続けるという償い
◆
39.操り人形から人間に
◆
お前が傍にいるなら
私は二度と心を失わない
笑ったり泣いたり怒ったり出来る事を教えてくれたから
◆
40.全ては君だから
◆
電話をしたのは
声が聞きたかったから
会いに来たのは
顔が見たかったから
抱き締めたのは
愛しいと思ったから
◆
41.三段活用
◆
変えられないのは
過去と他人
変えられるのは
未来と自分
変わらないのは
時間の流れと人情
◆
42.殺し屋(ヒットマン)精神
◆
殺すなら殺せばいい
君の大切な人を傷付けたのは私
命を奪うなら奪われる
殺せば殺される
それくらいの覚悟はあるわ
まぁ、簡単に殺られたりなんてしないけどね
◆
43.原因は君
◆
笑ったのは安心したから
泣いたのは嬉しかったから
怒ったのは心配したから
◆
44.比べるなんてできない
◆
「私とあの子どっちが大切?」
そんなの両方だよ。
あいつは友達としての【友情】
お前は好きという【愛情】
大切なのは同じだけど、種類が違うんだ。
◆
45.オレオレ詐欺
◆
プルプル……
「もしもし俺俺、俺だけど…」
「オレオレ詐欺?残念だけどうちに息子はいませんよ。」
◆
46.シンメトリー
◆
人には同じ部分と足りない部分がある
同じだから高め合えて
足りないから補える
同じだから嫉妬して
足りないから羨む
一人じゃない
きっと誰かと対になる
◆
47.愛別離苦
◆
大切だから、悲しませない様に家族の死を見なくていい様に、最初に殺すんだ、普通はね。
だけど…それはしなかった。
出来なかった。
悲しませても、恨まれても、
君に辛い未来が待っていると分かっていても。
殺せなかったんじゃない、
生きていて欲しかった。
一番大事で大切な君だから。
◆
48.世界より君を
◆
世界を手に入れようとするアイツと世界を守る為に戦う
自分が神的立場になれば平和が訪れるなんて身勝手な理由
言葉巧みに敵さえ騙し操って
仲間を殺したアイツを
あと一歩、あと数センチで
引き裂ける距離
……だけど
君が泣いてるから
心の中で泣いてるから
アイツでさえ死ねば君はもっと悲しむから
アイツを止めてと言ったけど
倒してとは言ってなかったな
刃を下ろし攻撃を止める
矛盾だらけの辛く悲しい物語に終止符を打った
◆
49.人生は有意義に
◆
終わったことを
あれこれ悩んだところで
結果は変わらない
過去の出来事に
時間を取られちゃ勿体無い
もっと力抜いてさ
気楽に行こうよ
◆
50.最後に見たのは後ろ姿
◆
とても言いたかった
アリガトウ
絶対言いたくなかった
サヨナラ
どうしても言えなかった
ダイスキ
言わなかった
思いが
言葉が
静まりかえった部屋に溢れる
◆
51.守られるだけの傍観者
◆
私は大方知っていた
でも報告はしなかった
憶測だったから
自分の目で確かめた事しか報告はしない
それが例えあの方に有利な情報でも
だってあの方とあの人の
敵にも味方にもなりたくなかったから
◆
52.重要なのは
◆
善でも悪でも良い
あいつは仲間
それは変わらない
◆
53.我慢は良くないから
◆
泣きたかったら
泣けばいい
泣き止むまで
ずっと居るから
◆
54.1億円あげます
◆
でも手数料として1000円分のポイントを購入して下さい。
時間はかかりません。1000円購入するだけで1億円が貴方のものです。
A,今手持ちが無いから、差し引いて構わないのでそこから支払って。
◆
55.死と生
◆
死にたくなかったのは悲しませたくなかったから
死にたかったのは失いたくなかったから
生きてきたのは望まれたから
生きていきたいのは貴方がいるから
◆
56.復讐者(アヴェンジャー)の心情
◆
出逢ったのは必然
再会は偶然
ねじ曲げた運命
手にした宿命
一緒にいるのは好きで側に居たいと思ったから
理由なんてただそれだけ
貴方にどれだけ後悔があろうと離れないのは私の意思
◆
57.悲恋(女の子ver)
◆
戦争
家族が祈ったのは
仲間が願ったのは
世界の平和、皆が無事に戻ること
終戦、
失った命は英雄
残された命は悲しみながらも前を向く
だけど
戦えなくて、守られて
生きてと願われて
幸せになれと望まれた
争いの原因の自分
『貴方が無事で良かった』
『貴方が生きていて良かった』
なんて自分勝手で自己中で我が儘な思考回路
貴方からの告白で分かる相思相愛
でも、ごめん、ごめんね
私もなんて言えないよ
幸せが悲しかった
◆
58.悲恋(男の子ver)
◆
戦争
君への愛の告白と共に僕が誓ったのは君の元へ帰ること
終戦、
君の元へ戻っても悲しい顔
誰も気付かない程の些細なもの
でも僕には分かる
ずっと側にいて守ってきたから
君が抱えている気持ちぐらい分かる
戦えないことへの謝罪
守られてばかりの罪悪
死なずに生きると決めた贖罪
君はいつも他人のことばかり
周りが止めるのも聞かず君に叫ぶ
お願いだから自分を大事にしてと
もっと正直になってと
誰も責めないからと
『僕が無事で良かった』
『僕が生きていて良かった』
なんて俯きながら震える手が僕の服を掴んで言う
そのまま君は僕の腕の中で小さな子供の様に泣いた
ごめんと繰り返しながら言う君からは返事なんて聞くことは出来ないね
自分の幸せより他人の悲しみを優先する君とはきっと相思相愛
やっぱり君は他人のことばかり
悲しみが幸せだった
◆
59.私だけの理由
◆
過去に人の道を踏み外した
でも今は平凡ながら平和に過ごしてる
未来を守らなきゃならない大切な奴らもできた
でも幸せになるなんてできない
奪った命
守れなかった命
記憶に残るは
澄み渡る青空に
大地に広がる赤い海
手に染み付く命の重み
過去の罪に押し潰されそうになっている貴方に
後悔の念にさいなまれている貴方に
罪は消えないけど
貴方に家族を奪われた私についてぐらいは許してあげるよ
だって貴方は私の想い人
◆
60.きっと記憶は廻らない
◆
輪廻転生ってあると思う?
私はあってもいいけど、どうでもいい
だって今の私には前世の記憶がない
来世の私に現世の記憶がある保証もない
だから私は現在-イマ-を生きる
◆
61.だけど心は廻る?
◆
顔も
名前も
声も
思い出せない知らない人
だけどもう一度会いたいと
身体中が叫んでる
一体『誰』の記憶?
◆
62.ただそれだけのために
◆
いつ失うかも分からない命
でも
明日も君の側に居る為に
生きると誓う
◆
63.都合のいい夢
◆
真っ黒な空に浮かぶ真っ白な満月
その光に照らされた君
景色ははっきりしているのに君はぼやけてる
話しかけたって答えない
困った様に
悲しそうに
寂しそうに
それでも幸せそうに
君は声も無く笑うだけ
これが夢だと認識したのは
君がこの世にもう居ないと気付いたから
◆
64.形に残らないものだからこそ
◆
声が
感触が
ぬくもりが
肉体が
全て跡形もなく無くなっても
貴方を想う気持ちだけは
消えてくれないんだ
◆
65.失ってから気付くのはお決まり事
◆
かつて仲間と呼んでいたあいつと対峙する
混沌の世界で願ったのは
勝つこと?
生き延びること?
守りきること?
いや、平凡だけど今となっては幸せだったあの日々に戻りたいだけ
取り戻したいだけだ
◆
66.それはきっと君だから
◆
大切な人達に
ありきたりでありふれた
平凡でも最期に幸せだったと言える
そんな人生を送ってほしい
そこにたとえ自分の存在がないとしても
でも君の人生には僕という存在がいて欲しい
僕が想う分だけ君にも想って欲しい
出逢った頃は君が生きているだけでよかったのに
いつの間にかそれだけじゃ満足出来なくなっていた
あぁ、欲張りだね
◆
67.Q & A
◆
クエスチョン
愛される資格なんてないけど
貴方を好きでいていいですか?
アンサー
僕だって君が好きだから
そうでないと困るよ
◆
68.遅すぎる事なんてない
◆
真実を全て知っていた
でも言えなかった
たとえそれで味方の命が消えるとしても
敵と呼ばれる人達でさえ大切と思えてしまったから
でも言えていたなら何かが変わっていたかな
「ねぇ、――――――……」
◆
69.世界は不平等で平等
◆
俺が居なかったら
失わずにいた命もあったはず
でも貴方が居なかったら
守れなかった命もある
◆
70.実現不可能な現実
◆
ありきたりな日常を
切り取って閉じ込めたい
鮮やかなこの景色が
色褪せないように
◆
71.原因はただ一つだけ
◆
敵はもういないのに
戦争は終わったのに
何故あなたはそんなに苦しい顔をするの?
―――あぁ、そうか
『あの人』がもういないからだ
◆
72.きっと平行線
◆
貴方には私の願いを叶えることは出来ない
優しい貴方には絶対出来ないし、して欲しくない
だって私が望むのは貴方とは正反対のこと
私の『死』なのだから
◆
73.なにをしても
◆
身体が朽ち果てても
魂が転生しても
記憶を失っても
それでも
相思相愛なんて不思議だね
◆
74.答えてしまったらきっとまた
◆
たくさん失った
もう失いたくない
だから貴方の気持ちには答えられない
◆
75.お願いは誓い
◆
亡くすのは怖いけど
貴方と生きていきたいから
貴方とやりたいことがたくさんあるから
だから…、
だから私と
生きてくれませんか?
◆
76.当然のこと
◆
誰も信じてはくれなかった
だってあり得ないことだから
だけど信じてくれた
疑わなかった
「何で仲間の言うこと疑うんだよ」
不思議そうに言う
貴方の言葉が嬉しかった
◆
77.ぷれぜんとふぉーゆー
◆
君が喜んでくれるなら
いくらでも悩もう
ありがとうと大好きが
伝わるように
君が産まれた
年に一度だけの特別な日だから
◆
78.真っ白い部屋
◆
君と僕
呼吸する音と時計の音
スースー、スースー
カチコチ、カチコチ
規則正しく刻む
スースー、スー………
カチコチ、カチ………
君の呼吸と時計の音が止まる時
僕は壊れ、世界は停止する
◆
79.世界は貴方
◆
家族も友達も仲間もたくさんいる
だけど、
私の世界は貴方だけなの
どれだけ大切な人達がたくさんできても
貴方がいないなら
私の世界は意味を成さない
貴方はそういう存在
◆
80.暗中模索
◆
前はどこ?
進むべき道はどこ?
未来はどこ?
振り返れば過去という足跡がある
立ち止まったり
曲がりくねったり
ギザギザだったりしている
二度と戻れないけれど
過去と共に生きていく
模索しながら生きていく
選択肢を選んで枝分かれしたとしても
それが正しかったなんて誰にも分からない
それを決めるのは自分しかいないのだから
◆
81.連鎖反応
◆
神様は人を創った
人は人工物を作った
人工物は自然を壊した
でも
壊れてしまった自然は修復される
とても長い長い年月をかけて
元通りには程遠いけれど
それでも人は求め続ける
完璧を目指し続ける
自然と人と人工物が世界の中で存在し続ける為に
◆
82.火の無い所には煙は立たぬ
◆
ある町に笑顔が似合う可愛い女の子がいる
彼女は殺し屋
歴史ある一家のお嬢様
その一家は有名だけれどお嬢様と受付である執事以外の顔を町の誰一人として知らない
つまりお嬢様は広告塔
因みに町のアイドルでもある
町の皆は彼女が好きだ
彼女も町の皆が好きだ
端から見るとどこにでもいる女の子
でも気を付けた方がいい
彼女の通り名は「赤き天使」
天使の様な笑顔で
鉄の香りがする赤色の世界で
舞うという噂だから
◆
83.闇と音と水と
◆
夜は好き
住宅と街灯と月の明かりだけ
昼間の騒音とは正反対の静寂
雨も好き
屋根や道路にうちつける雨音だけ
騒音を掻き消す
明るい昼間も晴れ渡った空も好きだけれど
人が溢れているのを観察するのも好きだけれど
誰一人居ない道路で
傘をさしながら歩く
こんな夜の散歩もいいものよ
もちろん、怪しい人がいないか注意しながらね
◆
84.愛か絆か
◆
私はマフィア
結構名の知れた組織
現ボスの一人娘
仲間の一人に叶わぬ恋をした
先代まではかなり酷いことをしてきたらしい
人体実験もしていたらしく、貴方はそこにいた
貴方はマフィアを恨んでる
貴方の元仲間も恨んでる
いくら貴方から愛を伝えられても
いくら貴方の元仲間が幸せになってと言っても
私は応えられない
利害関係が一致している今はいいけれど、貴方達が私の組織に銃口を向ければ
私は貴方達を、
貴方を、
必ず、
仲間の為に
組織の為に
必ず……――――――
◆
85.夢は夢のまま終わる事が多い
◆
相合い傘
制服デート
二人乗り
少女漫画で思い描いていた淡い夢は
通勤途中に見る学生達によって思い出された
◆
86.遠回りした赤い糸
◆
「貴方も優勝目指してるの?」
卒業間近、足を伸ばした公園で出会った同い年の子
二言、三言、話してサヨナラする
「勝ち上がっていったらいつか会えるかもね。名前はその時にでも。またね。」
なんて自分から言ったのに
私は怪我をして諦めた。
リハビリで1年遅れの入学
桜を見上げていたら声をかけられた。
「俺は、〇〇」
貴方は名前を告げた
「私は、○○」
振り返り私も告げる
約束にも満たないただの会話、戯れ言だった
思い描いたシチュエーションとは全く違うけれど
私達には大切なものだった
紆余曲折あったけれど
優勝の祝杯をあげる仲間を
彼と手を繋ぎ見守るのは
また別のお話。
◆
87.視力が悪いのを嫌だと思ったことは一度だって無い
◆
眼鏡を外した
当然見える世界はぼやけてる
眼鏡をかければハッキリ見える
外しても見えないことはないけれど日常生活は困るからかける
でも眼鏡を外した世界が好き
景色も光も人も
まあるく、やさあしく
見える気がするから
◆
88.無理しなくったって嫌いになんてならないよ
◆
テレビの中でいつも笑顔の君
所謂芸能人というやつだ
僕と君は同級生で恋人
世間では内緒だけどね
そんな君が倒れてしまった
過労だって
駆け付けた僕に
ベッドの上の君は困った様に、心配かけてごめんねと謝る
「君の性格は良く知っている。だけど僕の前だけは、無理しないで。芸能人の君じゃなくて君自身が好きだ。だから、」
だから、僕の前だけはありのままの君でいて?
僕は君自身のファン0号
◆
89.子供から大人になった証拠かもしれない
◆
いつからだろう
少女漫画を読まなくなり
十数本見ていたテレビアニメは数本になって
バラエティーが白々しくて馬鹿馬鹿しくなったのは
きっとそれは
過去が思い出になり
明日が未来になったから
私が現実を見てしまったから
◆
90.「たとえ」が「たとえ」じゃなくなっても
◆
たとえ
目が見えなくても
たとえ
耳が聞こえなくても
たとえ
手足が無くても
貴方の
その体温が
貴方の
その鼓動が
私の支え
私の意味
◆
91.その時の為に
◆
強くなりたいと思うのは
勝負で勝ちたいからじゃない
守らなきゃならない時に
仲間と戦う為
足手纏いじゃなくて
戦力になれるように
同じ舞台で
隣に立てるように
◆
92.一見複雑に見えても
◆
世界は簡単だ
「好き」か
「嫌い」か
そのニ択で出来ている
◆
93.優しい偽り
◆
君を守る為に嘘を付く
真実を話さないのは
真実が君を傷付けるから
もし、もしも、
真実が明るみになったとしても君を疑わなくて済むから
真実から君を守り抜く
◆
94.永遠の眠り姫
◆
まるで眠り姫
だけど愛のキスでは目覚めない
何をしても目覚めない
おとぎ話みたいな物語を
幸せな奇跡を
決して語ってはくれないと
触れた僕の掌に教えていたのは
君の頬の冷たさだった
◆
95.どんなに難しくても
◆
気持ちを伝えるのは難しい
だけど
不器用でも
上手く言えなくても
伝えたい
「君に」伝えたい
◆
96.それはまるで勲章のよう
◆
貴方の体は傷だらけ
でも平気な顔して強がる
私を守る為に
世界を守る為に
大きく温かいその両手で
振りかざす武器は
凛と輝く
◆
97.誰がなんと言おうと
◆
シミができた
白髪が増えた
シワが目立ってきた
なんて嘆くけど
私は好きだよ
老けたくない、若く見られたいって聞くけどさ
笑ったらくしゃくしゃになるその顔は
とても可愛いと思うから
◆
98.2色はやがて1色になる
◆
混沌の空間
目の前には
黒い天使と白い悪魔
明暗が分かれた世界で
微笑んだのはどちら?
◆
99.夏色の風物詩
◆
漆黒の空に咲きほこり
暗黒の海に散りゆくのは
虹色に輝く
大きな大きな「花」だった
◆
100.運命でも宿命でも
◆
どうにも出来ないことがある
だけど一緒に悩むことは出来る
解決策なんて絶対にないんだけれど
その時が来るまで
その時が来ても
その後も
必ず傍にいる
それだけは変わらない
◆
101.強がりの本音
◆
大丈夫だよ
平気だから
心配いらない
それは無敵の言葉?
それとも嘘の魔法?
◆
102.まだ子供の立場だけど
◆
親は子供に苦労させたくない
って言うけど
苦労はした方がいい
子供が苦労している時
支えたり見守ったり出来る
そんな親になりたい
◆
103.結局のところ
◆
努力するのも
諦めるのも
自分しか出来ない
◆
104.存在証明
◆
今いる世界を
現実だと証明することが
できるだろうか?
けれど夢の世界だと
立証することもできやしない
◆
105.廻る廻る
◆
何も奪わず
生きてはいけない
でも
すべて奪っていいわけじゃない
頂いてその分還す
巡り巡る命の魂
◆
106.カレンダー
◆
それはまるで宝箱
単純な数字しかないまっさらなところに
たくさん予定を書いて
空白が埋まってゆく
時が過ぎ行く程に増えてゆく
目には見えない大事な宝物
心に積もる大切な思い出
◆
107.四つの季節
◆
青空に舞う桜
夜空に咲く花火
澄み渡る空に煌めく星
寒空に降り積もる雪
どこまでも続く空は
大きなキャンバスとなり
様々な色を描き続ける
◆
108.努める力
◆
頑張れば必ず成功する
なんて
世の中そんなに甘くない
でも
成功している人は努力している
運や才能も確かに大切な要素だけれど
それだけではその先に続いていかないさ
◆
109.探求は迷宮されど答えは単純
◆
生きている意味なんて
生まれてきた理由なんて
探したってどこにもない
親の都合で産み落とされて生を受けただけだから
自分で作り出すしかないんだ
人生の終わりの時
こんな人生で良かったのかなときっと悩んでしまうんだろうけど
それでも
生きてきて良かったと思える人生でいたい
◆
110.鏡花水月上映中
◆
カタカタと回り続ける映写機が映し出すのは
あの時の
あの場所の
あの出来事
観客席には私だけ
同じ場面で途切れてしまう
続きのない物語
私の頭の中で映り続ける
終わりのない物語
私だけの物語
◆
111.それはきっと球形
◆
海も陸も
いつかどこかで途切れてしまう
だけど
見上げたこの空だけは
どこまでも繋がっているよ
表情はくるくる変化するけれどそれはどれも同じ空だよ
◆
112.行動は同じでも意味が違う
◆
身を守る為に逃げることと
諦めて投げ出すことは違う
◆
113.流れ降る
◆
降るは
冷たい雨か
煌めく星か
それとも
温かい涙か
◆
114.答えは永遠に聞けない
◆
君の頬を両手で包み込む
色を無くして
温かさも無くしてるから
僕は温める
僕の手の温もりが
君に伝わればいいのに
君に移ればいいのに
どうしてかな?
いつまで経っても
何時間経っても
温かくならないな
僕の手は不良品?
君の頬すら温めてあげられないの?
ねぇ答えてくれない?
◆
115.それだけではないけれど
◆
今までのお金は好きにしたらいい
僕との未来にかかるお金は
これから2人で稼げばいいさ
だから困っている誰かの為に出来ることを
◆
116.賛否両論は不可欠
◆
何かの意見に対して
賛同する人と
反対する人がいる
でも、それでいい
だって
もし間違った選択をしてしまっても
賛同意見だけだったら堕ちるだけ
だから
踏み止まる為の枷は必要
◆
117.見える事実、見えない真実
◆
真っ黒な嘘で
塗り固められ
構築されたのは
真っ白な美しき世界
◆
118.建前と本音
◆
見つけたら (見つけ出して)
追いかけて (逃げないから)
捕まえて (手を伸ばすから)
無くさない様に (失いたくないから)
離さないで (傍にいて)
◆
119.手を当てること
◆
手当てとは処置をすること
それは
消毒?
包帯?
治療?
だけど方法はそれだけじゃない
怪我した部分に君が手を当てた
温かさが広がって
それだけで痛みが和らいだ気がした
◆
120.切り捨てるか共に行くか
◆
骸を
光を
優しさを
踏みつけていくのが
独裁者
骸を
闇を
悲しみを
背負っていくのが
英雄
◆
121.ひねくれた心の素直な願い
◆
もしも
願いが3つだけ叶うとしたら
あなたは何を願いますか?
アンサーは……?
1つ目の願いを
「叶えられる願いを無限大にしてください!」
これが天の邪鬼の解答
◆
122.止める者はもう居ない
◆
手の届く大切なものを
たくさん、たくさん、
押し退け、踏み台にして
一番高いところに実った
とても気高い果実を掴み取った
孤高の覇者は
憐れな独裁者に成り下がり
その果実がいつか枯れ逝く
淡く儚いものとも知らずに
破滅の道を歩いて逝く
◆
123.白は赤に支配される
◆
深々と押し刺した刃
赤色に染まり傷に溶ける
やがて周りも赤に染まると
君の顔は真っ白になって
純白のドレスに薔薇が咲いた様だと
うっとりと僕は笑った
◆
124.それは武器か枷か
◆
君を傷付けないように
僕が傷付かないように
嘘が増えてゆき
偽りの自分を造り上げた
それはいつしか一人歩きして
本物の自分は二度と出てこれなくなる
一度着けたら外すことの出来ない仮面を身にまとって
さぁ、仮面舞踏会を始めよう
◆
125.賽は投げられた
◆
鍵穴に鍵入れて回すと
扉の中の歯車達が動き出す
鍵は僕
鍵穴は心
歯車は想い
扉は君
開かれるのはいつだろうか?
◆
126.運命の軌道と宿命の対決
◆
否定の確率が
0%じゃない限り
何度だって抵抗する
ほんの少しでいい
今が変われば
未来も変わるから
◆
127.先手必勝
◆
迷わない様に手を繋ぐ
見失わない様に前を見る
間違わない様に道しるべ
踏み外さない様に同じ速度
君の隣には僕
僕の隣には君
それが輪廻から逃れる
最良の手段さ
◆
128.道化師(ピエロ)の動機
◆
笑い続けていれば
泣いている大切な人達も
いつかきっと
再び笑ってくれると
信じているから
◆
129.それはただ逃げているだけ
◆
何も知ろうとせずに
護られてるだけ
何も知らずに
囚われてるだけ
耳を塞いで
目を閉じて
そんな私は、籠の鳥
安全なところで
危険が過ぎ去るのを待つ
卑怯者の、私
◆
130.その時までは
◆
失うことを怖がるほど
手に入れたものなんて
なにもない
だから、
世界に生きている者が
自分一人になったら
考えようか
◆
131.直接の方が嬉しいもの
◆
本人がいないところでの
噂話は良くないんじゃない?
たとえ良い事でも
受け取り方は人それぞれだから
◆
132.予知夢か白昼夢か
◆
気付いたら一人だった
真っ暗の中
一人だった
どれだけ走っても
どれだけ叫んでも
一人だった
だけど、瞬き一つ
目の前には大切な人達
荒い呼吸の私を心配している
あぁ、ワルイユメだった
そう自覚した瞬間、涙が溢れた
◆
133.結果は同じだけど過程は違う
◆
裏切りは許さない
(離れることは構わない)
仲間でさえも
(たとえ敵になっても)
絶対に
(話し合えればいい)
私の大切な人達を傷付けるから
(仲間じゃなくて家族だから)
◆
134.迎えるんじゃなくて出迎える
◆
勝つ為に努力する
それだけでは勝てない
勝つことに固執しては
光を見失う
楽しめばいい
そう、初めて感じたあの楽しさを
そうすれば自ずと向こうからやってくるさ
◆
135.限界超過(リミットオーバー)
◆
闇に、気づいて
仮面を、暴いて
嘘を、見抜いて
流れる涙、隠しきれない
◆
136.頭と心は別物
◆
こんな日がいつか来ると
分かっていたはずなのに
心がついていかない
気が遠くなるほどの
長い日々も
無情に積み重なって行く
辛い記憶さえも
悲しい夢だったように
笑える日が来るの?
◆
137.ノンストップで
◆
諦めそうになっても
全てを現在-イマ-に繋いでいく
選んできたこの過去-ミチ-は
間違ってない
光-ミライ-へ走り続けよう
◆
138.涙は無色透明じゃない
◆
信じることが怖くて
涙を忘れた
強がらなくて良い
その言葉に背中を押され
子供の様に泣きじゃくった
悲しみに染まった冷たい涙じゃない
愛しさに包まれた温かい涙だった
◆
139.疑心暗鬼
◆
何気なく呟かれた言葉
惑わされ右へ左へ
心も惑い光を見失い
感情の渦は勢いを増す
気付いた時にはもう戻れない
気付かないままかも知れない
底無し闇へ堕ちてゆく
◆
140.だからそれ以外は悪
◆
秩序を守る
それがルール
それが正しい
それが正義
◆
141.不完全犯罪
◆
完全犯罪なんて存在しない
だって計画する人間が完璧ではないから
それでも完全犯罪が成立してしまうのは
それを捜査するのも人間だから
◆
142.辿り着いた愛情(オアシス)
◆
あてもなく探し続けていた
存在しているかすら分からない
大切なもの
だけど、やっと逢えた
僕だけの為に
微笑んでくれる君に
◆
143.理由は不明だけど根拠は明確
◆
いつの間にか好きになってた
理由なんて分からない
理由なんていらないね
『あなた』だから好き
◆
144.きっと増えてゆくよ
◆
小さな小さな恋を
ゆっくり、だけど、確実に
君と二人で集め作った
大きな大きな愛
◆
145.言葉より態度
◆
別れの台詞なんて
そんなものはいらない
消えて欲しいだけ
二度と視界に入らないように
◆
146.結末なんてくそくらえ
◆
未来は変えられる
例え決められていたとしても
私がいるから
私が変える
だから未来は変わる
◆
147.陽解放、陰封印
◆
笑ってて
悲しみも
苦しみも
辛さも
全て背負うから
君は笑ってて
◆
148.飛んでいけ
◆
心の内、書き出した紙で
飛行機作って飛ばした
気持ちとは真反対に
上へ、上へ、
高く、高く、
どこまでも遠く
澄み渡る青空へ消えていった
◆
149.偽装離婚(女性目線)
◆
仕事仕事で家庭を大切にしない
だから別れた
でも守る為だった
同じ業界で働いているから
出世の大切さは良く分かっていたから
あんな奴の為に
邪魔したくなかった
取り繕った理由は
キライなんて嘘でも言いたくなかったから
真実を知って
嘘を許した貴方は言った
やり直そう
もう一度俺と結婚してくれませんか?
◆
150.離婚理由(男性目線)
◆
出世が生き甲斐で家庭を大事にしなかった
だから別れを切り出された
本当は別れたくなかったけど
同じ業界で働いているからこそ
出世して君と同じ場所で働きたかったから
なりふり構わず
上だけ目指してやってきた
承諾した理由は
君の言うことは事実だったから
俺の為だけに付かれた嘘を暴かれ
真実を話してくれた君の答え
貴方が好き
私も貴方と結婚したいです
◆
151.孤独な片割れ
◆
ごめんね
私はあの子になれない
あの子の代わりにはなれない
同じ顔、同じDNA
だけど私はあの子じゃない
私を見るたび貴方は悲しい顔をする
私じゃ貴方を笑顔には出来ないね
◆
152.二度目はない
◆
やれるもんならやってみろ
もう奪われてたまるか
◆
153.高い場所から更に高く
◆
君がいない世界
手を伸ばせば届きそうな
小さい星が輝く空
あの星は君?
会いに行こうか
君のいる世界へ
君の元へ飛んで行こう
◆
154.バットエンドかリセットか
◆
無理矢理歯車を動かして
壊れて終わる
なんてするよりも
止めて戻して直して
続きを探そう
◆
155.Rebels against the got(神への反逆者)
◆
仲間だろうが!!
そう叫んだ貴方
1000年以上廻った魂は
運命や宿命によって導かれた
あの時と同じ
仲間という言葉
あの時と一番似ている
面影も状況も、何もかも
だけど似て非なる貴方
変わらない運命なら
変えられない宿命なら
守り守られた自身で
今度は、最後は、
あの時は感じなかった
愛と共に貴方と生きる
◆
156.幾つものボーダーラインを越えて
◆
選べない
大切な家族と家族を恨んでいる貴方と
そのどちらかをなんて
そう言って
自らに凶器を向けた貴女を抱き締め
優しくそして強く語りかける
証明しますよ
過去の憎しみよりも
貴女への愛情が勝っていることを
これからずっと
◆
157.原材料‐マテリアル‐
◆
ガラスのハートなんてよくいうけどガラスは強いよ
粉々に割れたって欠片があるもの
欠片を集めて繋げてくっ付けて
断片くらいはなんとかなる
だけど
私の心はシャボン玉
壊れたら跡形もなく消えるの
思い出は色褪せて
記憶は塗り潰されて
一瞬だって「私」には戻れない
◆
158.それでも求める、イミテーションラブ
◆
お前なんかいなければよかった
この疫病神
目障り
生まれてこなければよかった
視界に入るな
涙さえ出ないのに
体は震え、呼吸は荒くなる
ごめんなさい、ごめんなさい、
口に出るのはこんな言葉だけ
望む通りにするよ
良い子にするよ
だから……だからね…………
◆
159.メソッド オブ コンタクト
◆
メールは
簡単だけど文字だけじゃ伝わらないよ
電話は
声が聞けるけど顔も見たいな
かといって
テレビ電話なんて恥ずかしい
やっぱり会いたい
会って話したい
貴方の
姿も声も雰囲気も
全てを感じていたいから
◆
160.花に込められた意味
◆
退屈な日常にはオリーブを贈ろう
それはつまり平和ってこと
退屈な人生ではない毎日にはカスミソウを贈ろう
それはつまり感謝ってこと
あなたがいる世界にはセンブリを贈ろう
それはつまり安心ってこと
◆
161.狂気にまみれた葡萄がアネモネを捲き込み嫉妬の為に無実の犠牲を生んだ
◆
コスモスで芽生えた乙女心に
ブーゲンビリアのフィルターで君しか見えなくなった
クロッカスを手にあなたを待っています
だけど何故?
ガマズミの様に無視したら僕は死にますと伝えたはずなのに
オダマキみたく僕は捨てられた恋人なの?
イトスギは絶望をパセリは死の前兆を僕の元へ運んできた
君の隣の男がオニユリとメハジキを纏い嫌悪と憎悪が増す
トリカブトで君は僕に死の機会を与えてしまったんだ
世の中はイラクサの様に残酷で意地悪だよ
クロユリとマンサクを使って呪文を唱えたらクワを抱いて共に死のう
だけど心配しないで
アイビーが死んでも離れないように僕達を繋いでてくれるから
ドクニンジンの様に死も恐れない愛を胸に
ゴシアオイを抱いて僕達は明日死ぬだろう
そんな顔をしなくても大丈夫
僕は僕らを引き裂いたあの男にアザミみたく復讐なんて望まないよ
僕達の桜とサザンカみたいな心の美しいひたむきな愛に
ガーベラとカキツバタとすずらんで花束を作れば希望と幸福は必ず訪れる
そうタンポポが神様のお告げを教えてくれたんだから
◆
162.悲しんでいる貴女が好き
◆
貴女の友達が1人いなくなった
貴女は悲しんでいる
でも僕がいるよ
貴女は友達次々と亡くしていく
でも僕がいるよ
ずっといるよ
リンドウの花が似合う貴女のそばに
ずーっとね・・・
◆
163.ラブスコトーマ、つまり恋は盲目
◆
あの時から世界が泣いている
私の力で救えるの
私の力で止められるの
だから逝くね
そう言って君は消えた
世界と一つになった
そして俺は再び歩き出す
立ち止まっても仲間がいる
世界中で私を感じられる
だから私がいなくても大丈夫
そう君が言った
目から汗が流れたって
俺は大丈夫なんだ
◆
164.トリニティライブラリー
◆
何百?何千?
数えるのが億劫になるくらいページがある分厚い本
それらはこれまた数えられないくらいの棚に
所狭しとしまわれている
白紙もあればびっしり内容があるものもあり
表紙もページ数も様々だ
誰かが産まれる度増えていく
誰かが亡くなる度受け継がれていく
開く度にプラネタリウムの様に広がるのは大切な思い出
過去と現在と未来が
三位一体となって一同に会する
摩訶不思議な空間
そうここは命の図書館
◆
165.ボイスアクター
◆
俳優は年相応か見た目
だけど声優は何にでもなれる
人間から動物
更には無機質なものまで
狭き門に無限の可能性
◆
166.ミステリアスシグナル
◆
私は三つ子
同じ服を着れば親さえ間違う容姿
でも貴方は私を私だって分かってくれた
他の2人の違いは分からないのに
分かる理由だって雰囲気
愛は親も越えるみたい
◆
167.罪生シェルター
◆
別れよう
想いが通じた日とても嬉しかった
大事に大事に、大切に大切に
悲しみを半分にして
楽しさを2倍にして
自らの背を盾にして
何があろうと守ると決めた
でも傷付けたのは僕
恨んでもいい
憎んでもいい
だから、生きていて
◆
168.滅亡パンデミック
◆
大都市(メトロポリス)より繰り広げられる白兵戦
太平洋(パシフィック)を越え
灰色犯罪(グリザイユクライム)から
暴力殺戮(バイオレンスカーネイジ)に
姿を変えた兵士(ソルジャー)達
連続殺人犯(シリアルキラー)は
快楽殺人犯(サイコキラー)に成り下がる
冥府(オルクス)と化した世界からの危機(クライシス)を
迷宮(ラビリンス)に迷った彼らは見逃した
New World Order(新世界からの指令)によりGovernance of Decease(死亡統治)が始まる
死の選別(タナトストリアージ)を実行したのは
Nuclear(放射性物質)でも
Biological(生物剤)でも
Chemical(化学物質)でもない
生物災害(バイオハザード)を引き起こしたのは
朱色(ヴアーミリオン)や深紅色(クリムゾンレーキ)に染まり
美しく咲き誇るスイレンだ
一旦は小康状態になるものの
正義を隠れ蓑にした戦争によって
痺れを切らした掃除屋(スイーパー)
学習能力のない者達のせいで
再征服(レコンキスタ)は
周期更新(バイオリズムリロード)され続ける
◆
169.ムードメーカーの君と噛ませ犬の僕
◆
ツンデレの君
主人である僕にもなつかない
なのにお客が来ると
ニャアと甘えた声で鳴いてすりよる
アンニュイでな雰囲気を纏い
一時のアバンチュールを楽しむ
ちょっと感じが悪い
……いや、すごく感じが悪い
でも、それでお客を笑顔にして癒してしまう
野球でいえば強打者(スラッガー)だ
因みに野球で例えたのは
君が野球ボールが好きだから
やり手の営業部長のボーナスは
いつも通り、新しい野球ボールかな?
◆
170.心は君シンドローム
◆
自分の命よりも大切なものなんてない
命を投げ出して守れたとしてもその時だけだから
僕はずっと守っていたいから
君と共にいたいから
◆
171.エモーションモンタージュ
◆
喜んだり
笑ったり
悲しんだり
泣いたり
怒ったり
嫉妬したり
君と出会って気付いたよ
君だから感じる色んな自分に
◆
172.後悔は蜃気楼となった。だけど君はそうはさせない。
◆
体に刻まれた消えない傷
これを人は忠誠の証という
隠してきたのは
固定観念が生んだ後ろめたさのせい
でも君は綺麗だと言った
俺が守った証だからと
だから
他人に見せたってどうってことない
君が良いと言ったから俺はそれだけでいいんだ
隠す為の服なんかで止まるなら
君の体から流れる赤が止まるなら
誰に後ろ指さされたって構わない
◆
173.パラノイアインサート~ハーメルンにて笛なるものを吹く男~
◆
ペンタグラフとクロイツを掲げ
クライストを讃えたレジスタンス
解放戦線を謳っているキャラバンの名は
Liberation Front
カーストの序列は
さながらミニタリーのよう
インカムより下る命令を忠実に遂行する
オペレーターはサウダージの音色を奏で
抗うことの出来ないバイラルを撒き散らす
誘われた者は
インベーダーである彼らの正体を知ることもなく
スフマートの如く溶け込んで逝く
◆
174.異世界恐慌
◆
空(シロエ)に浮かぶ雲(ユィン)から
闇(テネブラエ)を纏った霰(グラート)と
悪(ユーベル)を含んだ雪(シュネー)が降り注ぎ
影(スキアー)を造り出す
海(メーア)より炎(フランマ)の様に
湧き出るは毒(ギフト)
血(クローフィ)に染まったのは
鋼の銃(スターリリエート)のせいか
魔神(サタン)と
魔女(ブルハ)と
悪魔(ディアブロ)の
三つ巴の悪夢(ペサディージャ)は
始まったばかり
それから長い年月が経ち
宇宙(コスモス)は
氷水晶(スウェイフルスターリ)に覆われていた
しかし雷(グローム)と共に現れた
妖龍霊(ヤウロンファンタスマ)は救世主(メシア)
太陽(ソル)と
月(セレーネ)と
星(アステリ)をもたらし
光(リヒト)を与える
不可能(インビジブル)と言わざるを得ない
見捨てられた世界(レチッドワールド)を見事に再生させた
◆
175.マザーグース・カーニバル
◆
アカイヌホウズキが彩りを添えるワンルーム
マッドサイエンティストが主催するは愉快なショー
コラボレーションを繰り広げるは
お友達のサイコパス達
烏(ビローナ)と孔雀(ピーコック)
演目は鬼ごっこ
狩猟笛や操虫棍を使い扇で操り
鎌や薙刀を振り回す
梟(オウル)と燕(ラースタチカ)
演目は的当て
鉄球やクナイを投げたり
手裏剣やブーメランを飛ばす
駒鳥(クックロビン)と雀(バラビー)
演目は射撃
ライフルやマシンガンを撃ちまくり
弓やボウガンを射る
雲雀(ジャーバラナク)と鶏(ゲームシャウル)
演目はもぐらたたき
杖や鞭で叩き追い詰める
啄木鳥(ウッドペッカー)と蜂鳥(ハミングバード)
演目は真剣白刃取り
斧やハンマーを降り下ろしたり
槍や小太刀で突く
コールド・リーディングの達人である
進行役のアンダーテイーカーが
大砲を撃ち鳴らして合図する
罠(ブービートラップ)を仕掛けたら
いよいよフィナーレ
爆弾(ダイナマイト)の音色と共に
待望のコープスは完成される
◆
176.六限奇怪(ビザールセイス)
◆
私だけの為に創られた世界
お父さんはカッコよくて
お母さんは優しくて
親友は楽しくて
クラスメイトは面白くて
恋人とはラブラブで
不幸なことなんて何もない
そんな私だけの世界
だけど
知らない間に
意識することもなく
ごく自然に無くしていく
シアワセの意味を
◆
177.852+554~その男、社会死状態につき警察官要請~
◆
俺がいたから
成し遂げられた偉業がある
俺がいなかったら
救われない命があった
なんて
いくら大義名分があろうと
悪事に手を染めてはいけない
そんな人間の恩恵など
必要とはしていないのだから
◆
178.神様なんかになれやしない、だけどそれでもいいと思えるんだ
◆
助けてくれてありがとう
一生懸命でいてくれてありがとう
最後まで諦めないでいてくれてありがとう
別れ際、家族の方はそう言ってくれる
けれど
こちらこそ、ですよ
助けさせてくれてありがとう
出会わせてくれてありがとう
命の大切さを教えてくれてありがとう
◆
179.派手な死闘と静かな戦略
◆
仕掛けるは
高貴な皇帝(アデルカイザー)
巨大な荒嵐(ジップストーム)より
四方八方に放つ電撃(ブリッツ)
対するは
冷酷な賢者(フロスティウイズ)
幾多もの射手(シューター)から
乱れ射つ槍(スピア)
バトルシークエンス
征したのは後者
何故ならば、水面下で
魚雷(トーピード)を
発射(ラウフェン)させていたから
完璧なパフォーマンスに抜かりはない
◆
180.アルビノ~白さはきっと心が澄んでいるから~
◆
僕はみんなと違うの
髪の毛が白いの
目は太陽の光に弱いの
ただ、それだけなのに
悪魔みたいって言われるの
神様みたいに崇められるの
なんで、なんで?
僕は僕だよ
みんなと同じ
人間だよ
◆
181.ミュンヒハウゼン症候群
◆
ねぇ、ママ?
怪我しちゃったの
ねぇ、パパ?
お腹が痛いの
この傷もこの痛みも
全部ゼンブぜんぶ
苦しいの
だから、助けて?
だから、こっちを見て?
私、カワイソウでしょ?
◆
182.代理ミュンヒハウゼン症候群
◆
ねぇ、あなた?
この子が苦しがってるの
ねぇ、奥様?
この子は体が弱いの
あの傷もあの痛みも
全部ゼンブぜんぶ
苦しそうでしょ
だから、助けなきゃ!
だから、一時も離れられないの
私、ガンバッテルでしょ?
◆
183.花市迷走
◆
かってうれしい はないちもんめ
(お母さんが笑ってる、だから良い子)
まけてくやしい はないちもんめ
(お父さんが怒ってる、だから悪い子)
たんす ながもち このこがほしい
(笑って?怒らないで?良い子にするから)
このこじゃわからん
(どうしたらいいの?)
そうだんしましょ
(どうしたら、)
そうしましょ
(僕はイイコになる?)
◆
184.彼岸参列
◆
とうりゃんせ とうりゃんせ
(暗い暗い一本道)
ここはどこのほそみちじゃ
(どこに繋がっているの?)
てんじんさまのほそみちじゃ
(きっと楽になれる場所ね)
ちっと とおしてくだしゃんせ
(早く楽になりたいの)
ごようのないもの とうしゃせぬ
(邪魔をしないで)
このこの ななつのおいわいに
(今日は私の誕生日)
おふだをおさめにまいります
(ネットで買ったプレゼント)
いきはよいよい
(どれにしようか迷うわね)
かえりはこわい
(痛いかしら?)
こわいながらも
(だけどもう、どうでもいいわ)
とうりゃんせ
(果てにある闇色の底無し沼は)
とうりゃんせ
(私の光)
◆
185.盗難防止
◆
かーごめ かごめ
(美しいお嬢さん)
かーごの なーかの とーりは
(箱入り娘は退屈でしょう?)
いつ いつ でやる
(僕がいるじゃないか)
よあけのばんに
(闇に紛れる)
つると かめが すべった
(お嬢さん、貴女の隣は誰?)
うしろの しょーめん
(そこは僕の特等席)
だあれ?
(誰にも渡さない)
◆
186.あたしは家族のプリンス・プリンセス
◆
あたしはママが大好き
可愛いお洋服をたくさん着させてくれる
あたしはパパが大好き
自慢の娘って言ってくれる
ママとパパの望む通りにするよ
だってあたしは、
アイサレテイルから
◆
187.うちは誰ものマスコット
◆
うちは、クラスの人気者
笑って笑かして
いつも話の中心やねん
うちがいないとみんなあかんねん
絶対あかんねん
うちは、必要とされてる
そうやんな?
◆
188.僕は小さな世界のヒーロー
◆
僕は優秀だ
家ではお手伝い
学校では勉強
友達も先生も優等生と褒めてくれる
だから、ママ?
次は100点取るから叫ばないで
だから、パパ?
次は1番になるから殴らないで
だから、ねぇ?
ボクを見て
◆
189.私は社会のケア・テイカー
◆
ねぇ、ママ
お手伝いしたいの
ねぇ、パパ
疲れてない?肩揉んであげる
ねぇ、なんで泣いているの?
そばにいるよ
ねぇ、なんで怒っているの?
謝るよ
ねぇ、
私はみんなの
ヤクニタチタイノ
◆
190.俺はあいつらのスケープ・ゴート
◆
俺は、嫌われ者
あいつが、腫れ物に触るみたいによそよそしい
あのやろうが、軽蔑した目で見下す
みんな、みんな
俺のことが大嫌い
だからどうでもいいんだ
俺がどうなろうと
だって、俺は
アイサレテナイカラ
◆
191.小生はこの世のロスト・ワン
◆
誰かが怒っている
誰か泣いている
誰かが笑っている
小生はそこにはいない
その輪の中には入らない
いなくてもいい
誰も気付かないから
だって、小生は
イラナイから
◆
192.ストックホルム症候群
◆
殺さないで、殺さないで
人質という名の協力者
青い制服の大群は捕まえようとしている
でも、捕まえないで
入ってきたら殺される
あの人は私達に優しくしてくれる
食べ物も飲み物も気を使ってくれる
だから、放っておいて
◆
193.革命か侵略か
◆
スラングが飛び交い
多様なエスニックが暮らす
そう、ここは………
高貴な世界では
スラム街と呼ばれるところ
カーネーションは踏みにじられ
黄色いチューリップを求める
空(ルフト)は灰にまみれ
街が抱え込んだストレスで
流し込んだものの味なんて既に分からなくなった
司法取引により手に入れた
青酸化合物・ヒ素・農薬・強心剤・麻薬・覚醒剤
法律なんて役立たず
善か悪かなんて興味もない
自己の利益の為だけに
ただ、生きていく
しかし、突然かの国より訪れたジャーナリスト
チューターと呼ばれた彼がもたらしたシンセサイザー
頭の中で交互(デュアル)に鳴り響く赤色灯は
最後に残された本能か
均衡が崩れ去った街の記憶はブラックアウト
目覚めた世界はまるで異世界
リフレインするシュプレヒコールは
異様な光景か
それとも
希望の光(リュミエール)か
◆
194.人間の為に咲く訳じゃない
◆
いろはにほへと
(色とりどりの花が咲き乱れる)
ちりぬるを
(併せ持つのは散る儚さ)
わかよたれそ
(何を感じているのか)
つねならむ
(人間は知るよしもない)
うゐのおくやま
(花の絨毯は裾を広げ)
けふこえて
(今日もひたすらどこまでも)
あさきゆめみし
(夢幻の彼方へ)
えひもせす
(招き誘う)
◆
195.ホロスコープのように
◆
記憶が消えた訳じゃない
今までのたくさん作った記憶の引き出し
それが開かなくなっただけ
鍵が掛かってしまっただけ
だから、鍵が見付かれば
きっと、思い出せるから
◆
196.世の中そんなに甘くないさ
◆
一歩ずつ登る階段は
登れば登るほど
高ければ高くなるほど
転がり落ちるのは一瞬
だけど、登る度に
経験をストッパーにするから平気さ
でもね、
一気に高くなってしまったら
階段じゃなくて坂道だから
気を付けてね
◆
197.凡人万歳
◆
感覚だけの天才
結果だけの秀才
過程だけの努力
どれが一番?
いや、
楽しんだもの勝ちでしょ!
◆
198.プロフェッショナル
◆
あらゆる技能を持った職人が
世界にはたくさんいる
なのに、
僕には職人技なんてない
だけど、僕も職人だ
僕は僕の人生の職人だ
◆
199.被害者に家族があるように、加害者にも家族がいる
◆
人生を根掘り葉掘り暴き出す
一人で生きて来た訳じゃないのに
誰かと関わっているのに
罪は許されないけど
侵していい範囲ではない
知りたい欲求と
隠さなければならない情報と
知らせなければならない義務と
隠したい権利と
一体、どれを重視すれば
世の中は良くなるのだろうか
◆
200.哀憐遊戯
◆
陶器で造られた体は
楽しくても動かせない
ガラスで造られた瞳は
悲しくても涙を流せない
様々な布で造られた洋服は
製作者自慢の一級品
透明な箱に入れられて
飾られる私はいつも笑顔
あなたと遊ぶ為に
私は造られたの
さあ、遊びましょう?
1.子供は特別
◆
「動物は可愛いな~。文句は言わないし、癒される。」
『悪かったね可愛くなくて。』
「まぁ、言う事聞かない時もあるしねー。憎たらしくて可愛くない時もあるよ。でもそんなのどうでもいい事だけどね。だって子供は特別だから。」
とある日の母と子の会話。
◆
2.守る戦い
◆
戦争はなくならない。
争い事がない世界なんてない。
自分も相手も大切なものを守る為の手段なのだから。
だけど僕は戦う事を、命を奪う事を止めない。
君と君の愛する国を守る為に。
◆
3.幸せと不幸
◆
幸せがあるから不幸を感じる。
不幸があるから幸せを感じる。
どちらかだけでは駄目なんだ。
笑ったり泣いたり、両方あるから良いんだ。
◆
4.約束の挨拶
◆
「行ってきます」
『行ってらっしゃい』
「ただいま」
『お帰り』
――行って来るけど必ず帰るよ
そんな暗黙の約束
◆
5.不参加の理由
◆
兄は戦いで命を落とした。
妹は強く戦えるにも関わらず手は出さなかった。
『だって兄が言ったの。』
――「お前は手を出すな。頼むからお前は生きろ。たった1人の妹くらい守らせてくれ。」――
『だから手を出さなかったの。馬鹿な兄よね。でも…』
――そんな兄の言う事を聞いた私は最低な妹ね…
◆
6.生きることにした
◆
戦乱の世、殺戮の為の存在。
人形同然に扱われてきた私にも大切な人が出来た。
だけど、赤黒く血に染まった手でお前を抱き締め返す事なんて出来なかった。
だから、戦いと共に私の全てを終わらせようとしたのに…
「もう命を奪わなくていい、戦わなくていいんだ。過去は忘れてはいけないけど、俺は君に隣に居て欲しい。生きられないなら俺の為に生きてくれ。それがどうしても出来ないなら一緒に終わらせてやる。」
なんて、怒った様で泣きそうな顔で言うから。
生きることにしたよ。
だってどんな事があっても、お前に死んで欲しくないから。
こんな事思えるなんてお前のせいだからな。責任とれよ?
「『愛してる』」
◆
7.夫婦とは
◆
仕事ばかりですれ違いの毎日。
「苦労ばかりかける。」と謝る僕に君は言ったんだ。
『大丈夫。そんな事分かってて一緒になったのだから。』と。
――あぁ、やっぱり敵わない。
緊張で噛みまくりのプロポーズを1度で理解してくれた君には。
◆
8.天国の証明
◆
ドラマでよく聞く台詞。
他の奴のものになるぐらいなら殺して自分も死んでやる!
「なんでこんな馬鹿な事考えるかなー?大体天国とか地獄とかあの世とか、俺らに分かる訳ないっつーの!《一緒に》なら死ぬじゃなくて生きるだろ?君もそう思うよなぁ?」
なんてテレビを見ながら、写真に向かって喋ってる私の夫。
良かった、私の心配は貴方には馬鹿な考えだったのね。
でも、天国はあるのよ?
だって私がその証明だもの。
◆
9.お約束の少し前
◆
命に代えても守ってやる!
なんてカッコイイ勇者様。
でも、自分の命さえ粗末に扱って何を守れるのかしら?
自分も愛する人も世界も救ってこそ、本当の英雄でしょう?
私を倒してハッピーエンド、正義は必ず勝つんでしょ?
でもだからって、私はご都合主義に屈しない。
簡単になんて負けてやらないんだから!
勇者一行を目の前に、ラスボス魔王様の無駄な決意であった。
◆
10.自分か他人か
◆
「自分が自分の子供をけなすのはいいけど、それを他人に言われるとイラッとするのよね。」
『けなすって、なんて歪んだ愛情よ。普通に愛して!』
「諦めろ。親とはそういうものだ。」
『いや、親には誉められたいだろ。』
この家族は今日も平和です。
◆
11.帰還を願う
◆
戦地に赴く貴方を見送る。
『これをお持ち下さい。』
「大切な守り刀であろう?」
『はい。…ですから、戻られたらお返しいただけますか?』
「承知した。必ず手渡すことを約束しよう。」
――どうかご無事で
お戻り下さい。――
遠ざかる背中に祈りを込めて。
◆
12.指定席
◆
安全な場所で守ってもらっても、貴方の居ない世界なんて絶対に嫌。
どれだけ傷ついても構わないから、共に立ち向かう。
貴方の隣は私の指定席。
◆
13.親孝行
◆
親孝行ってどんなことをすればいい?
お金?
旅行?
家?
きっと違う。
笑って泣いて、そして何より健康に生きていること…かな。
子供は親より長生きしなきゃ。
それが親の願いだもの。
◆
14.君なりの言葉
◆
「お前は俺に守られてりゃ良いんだよ!」
お喋りでお節介な私に、無口で不器用な君が言う。
君なりの愛の言葉はちゃんと届いたよ。
◆
15.そうありたい
◆
感謝されたくて親切にするわけじゃない。
でも【ありがとう】と言われる様な人でありたい。
あの人がそうだった様に。
◆
16.思っちゃった
◆
「私のどこが好き?」
そんな事聞かれても答えようがないよ。
理由なんてないんだから。
容姿とか性格とか価値観とかじゃない。
君は君で、君以外の何者でもなくて。
君のこと
【好き】って【愛してる】って思っちゃったんだからさ。
◆
17.私だけの
◆
君はいかにも不良って感じの風貌で、怖い噂は数知れず。
君が暴力は嫌いだと叫ぶのに、私以外誰一人信じようとしなかったみたい。
転校初日の質問攻めにうんざりして、逃げる様に屋上でサボってる君の隣で落ち着いた日々を過ごす。
『俺が怖くねぇの?噂とか色々あるし。』
「別に。噂は尾ひれが付くし事実と異なる事もあるから。自分の目で見て感じた事を信じる。だから君を怖いと思ったことはない。」
ある日突然の質問に思ってるまま答えたら、『ば、ばっかじゃねーの!』なんて君は言いながらそっぽを向いた。
でも私は知ってる。言葉は乱暴でも思いは違うってこと。
だって見え隠れしてる耳が少し赤いから。
君の素顔は私だけが知る、私だけの特権。
◆
18.好きで恋して愛する
◆
恋って気持ちじゃなくて
心でするもんなんだね。
何度でも君だけを好きになる。
だって、君と愛し合った日々も
産まれてから今までの思い出も
全ての記憶が無くなった現実。
それが今の僕なのに、こんなにも《君が好き》って気持ちが溢れてる。
僕はいつだって君を好きで君に恋して君と愛する。
◆
19.上司の言葉
◆
「凄く助かってるよ」
言われたいわけじゃないけど嬉しくなる。
認められた様で。
必要とされてる様で。
『これからも頑張ります。』
再び決心した新人の夏。
◆
20.謝罪と感謝と自慢と
◆
「あいつは俺を庇って…。俺はあいつをころ」
『してない!お兄ちゃんは誰にも殺されてない。貴方を守ったの。勝手に殺さないで。』
「だけど…」
『お兄ちゃんに言うの。お兄ちゃんが守った貴方は最高の彼氏で旦那だって。言うの。言うって決めてるんだから!』
救われたと同時にプロポーズまでされちまった。
今度は俺の番だな。
花と線香とお前の好物持って、たっぷり聞かせてやるよ。
嫁自慢をな。
◆
21.良いんだ
◆
辛い事・悲しい事・しんどい事
色々な事があっても
頑張らなくて良い
悩んだって良い
立ち止まったって良い
逃げたって良い
いつか前に進めるなら
そして前に進めても忘れちゃいけない
それがあったから今があるって事をね
◆
22.時の流れに思うこと
◆
過去は思いを馳せるもの
今は現実を見つめるもの
未来は夢見るもの
◆
23.ママには分かる
◆
言葉が通じないって大変。
でも少しずつではあるけれど、君の伝えたい事が分かってきたよ。
新米で悪戦苦闘しながらだけど頑張るね。
ママって呼んでくれる日を楽しみにしながら。
◆
24.応援ではなく
◆
「勝てると思うか?」
『どうだろうね。』
「………。
【勝てるよ】とか【頑張れ】とか応援しねぇか普通。」
『応援して欲しいの?』
「いや…、そういう訳じゃねぇけど。」
『勝ちたいのも頑張ってきたのも知ってるから何も言わない。でも、待ってるから。どんな結果になっても私はベンチで待ってるから。』
笑顔で言い切ったマネージャーに【勝利】を誓った試合前日。
◆
25.本音と建前
◆
就職して1年経過、仕事も雑用も色々こなして任される。
でもさすがにオーバーワーク、頼られて任されてこなしてまた任されて…一向に自分の仕事が出来ない悪循環。
やっと任された仕事の要領が分かってきて、時間配分をやりくりして定時で帰っていたら暇だと思われる。
等々…色々と限界なので、やる気を見せつつ密かに転職活動。
気付かれずにひっそりと。
面倒な事押し付けられる度、ストレスは溜まるけど華麗に完璧にこなす。
必要不可欠な存在になる為に。
私が辞めた後困る様に。
嫌がらせの様に。
なんてちょっと意地悪かしら?
◆
26.謝罪じゃなくて感謝
◆
【すみません】
【ごめんなさい】
【申し訳ありません】
謝ってばかりだね。
謝罪も大事だけどさ、代わりに
【ありがとう】
【助かったよ】
【嬉しいよ】
なんて言ってもいいんじゃないかな。
感謝の言葉の方が、あったかい気持ちになるでしょ?
◆
27.私達だけの軌跡
◆
貴方の決めた事に反対しない。間違ってたら言うけど。
貴方の人生だから。
一度きりの人生だから。
悩んで考えた末の結論でしょ?私は貴方の味方よ。
たくさん苦労したってどんなに貧しくたって構わない。
歩んで行こう、私達なりの最高と言える人生を。
◆
28.背中合わせ
◆
貴方が辛い時、
なんて言ったらいいか分からないから。
泣き顔なんて見られたくないだろうから。
背中合わせで手を重ねる。
――私はここにいる、気が済むまでずっと傍にいるよ。だからどんな感情を見せても大丈夫。
そう伝わる様に。
◆
29.抱え込んで駄目になる前に
◆
悩み事なら言ってごらん?
解決法なんて分からないけど、聞くだけなら出来る。
溜めずに吐き出して?
そしたら受け止めて、そのままどっか遠くへ放り投げてあげるからさ。
◆
30.思い込みと決め付けは事実ではない
◆
闇に堕ちた漆黒の天使
光を導く純白の悪魔
狂気と赤に染まる神
慈悲深い優しき死神
見た目と中身が同じだとは限らない。
◆
31.地道だけど大切
◆
「みんなやってんじゃん。先にあいつらに言えよ。」
『確かにあの人達もそうなんだけど、君もそう思われてるんだよ。だからまず君から注意してるんだ。』
言い訳や屁理屈も何のその。
何度だって説明する。
理解してくれるまで。
納得してくれるまで。
それが君達に世を託す前の大人の責任だから。
◆
32.自分の意志で
◆
生きろと言われたから死ななかった訳じゃない
助けられたから生かされてる訳じゃない
貴方と生きていきたいと思ったからなんだ。
◆
33.他人の為には自分を変える
◆
全てに決着が付いた。
これで自分の人生歩んでくれると思ったのに。
まだ他人の為に生きるのか?
もっと我が儘で利己的になっていい。
誰かの為なんかじゃない、自分の為に生きてくれ。
そうすれば悲しみを含んだものじゃなくて心から笑えるから。
大切な人達と今までよりもっと笑い合えるから。
今の自分の人生は1度しかないんだよ。
◆
34.暗殺者(アサシン)心中
◆
剣を振るう度
命を奪う度
既に砕け散った心は
その欠片さえ無くしてく
けれど斬った感覚は
この手に焼き付き
決して消えることはない
罪は重なり、罰は枷となり、
思考さえ停止させて蝕み続ける
◆
35.退軍を決めた理由
◆
いいかなーってさ。
未来にいるであろう子供と
お前の帰りを待ってるのも。
国じゃなくて家を守りたいと
そう思ったんだ。
◆
36.つまり私が君といたいだけ
◆
どんな過去を抱えていても
君の傍にいられない理由にはならないよ
◆
37.消えない罪と受けられない罰
◆
許されない罪はたくさんある
それでも必要としてくれるなら構わない
私は他が為に。
◆
38.贖罪
◆
命を奪った罪
死ぬ事は許されない罰
生き続けるという償い
◆
39.操り人形から人間に
◆
お前が傍にいるなら
私は二度と心を失わない
笑ったり泣いたり怒ったり出来る事を教えてくれたから
◆
40.全ては君だから
◆
電話をしたのは
声が聞きたかったから
会いに来たのは
顔が見たかったから
抱き締めたのは
愛しいと思ったから
◆
41.三段活用
◆
変えられないのは
過去と他人
変えられるのは
未来と自分
変わらないのは
時間の流れと人情
◆
42.殺し屋(ヒットマン)精神
◆
殺すなら殺せばいい
君の大切な人を傷付けたのは私
命を奪うなら奪われる
殺せば殺される
それくらいの覚悟はあるわ
まぁ、簡単に殺られたりなんてしないけどね
◆
43.原因は君
◆
笑ったのは安心したから
泣いたのは嬉しかったから
怒ったのは心配したから
◆
44.比べるなんてできない
◆
「私とあの子どっちが大切?」
そんなの両方だよ。
あいつは友達としての【友情】
お前は好きという【愛情】
大切なのは同じだけど、種類が違うんだ。
◆
45.オレオレ詐欺
◆
プルプル……
「もしもし俺俺、俺だけど…」
「オレオレ詐欺?残念だけどうちに息子はいませんよ。」
◆
46.シンメトリー
◆
人には同じ部分と足りない部分がある
同じだから高め合えて
足りないから補える
同じだから嫉妬して
足りないから羨む
一人じゃない
きっと誰かと対になる
◆
47.愛別離苦
◆
大切だから、悲しませない様に家族の死を見なくていい様に、最初に殺すんだ、普通はね。
だけど…それはしなかった。
出来なかった。
悲しませても、恨まれても、
君に辛い未来が待っていると分かっていても。
殺せなかったんじゃない、
生きていて欲しかった。
一番大事で大切な君だから。
◆
48.世界より君を
◆
世界を手に入れようとするアイツと世界を守る為に戦う
自分が神的立場になれば平和が訪れるなんて身勝手な理由
言葉巧みに敵さえ騙し操って
仲間を殺したアイツを
あと一歩、あと数センチで
引き裂ける距離
……だけど
君が泣いてるから
心の中で泣いてるから
アイツでさえ死ねば君はもっと悲しむから
アイツを止めてと言ったけど
倒してとは言ってなかったな
刃を下ろし攻撃を止める
矛盾だらけの辛く悲しい物語に終止符を打った
◆
49.人生は有意義に
◆
終わったことを
あれこれ悩んだところで
結果は変わらない
過去の出来事に
時間を取られちゃ勿体無い
もっと力抜いてさ
気楽に行こうよ
◆
50.最後に見たのは後ろ姿
◆
とても言いたかった
アリガトウ
絶対言いたくなかった
サヨナラ
どうしても言えなかった
ダイスキ
言わなかった
思いが
言葉が
静まりかえった部屋に溢れる
◆
51.守られるだけの傍観者
◆
私は大方知っていた
でも報告はしなかった
憶測だったから
自分の目で確かめた事しか報告はしない
それが例えあの方に有利な情報でも
だってあの方とあの人の
敵にも味方にもなりたくなかったから
◆
52.重要なのは
◆
善でも悪でも良い
あいつは仲間
それは変わらない
◆
53.我慢は良くないから
◆
泣きたかったら
泣けばいい
泣き止むまで
ずっと居るから
◆
54.1億円あげます
◆
でも手数料として1000円分のポイントを購入して下さい。
時間はかかりません。1000円購入するだけで1億円が貴方のものです。
A,今手持ちが無いから、差し引いて構わないのでそこから支払って。
◆
55.死と生
◆
死にたくなかったのは悲しませたくなかったから
死にたかったのは失いたくなかったから
生きてきたのは望まれたから
生きていきたいのは貴方がいるから
◆
56.復讐者(アヴェンジャー)の心情
◆
出逢ったのは必然
再会は偶然
ねじ曲げた運命
手にした宿命
一緒にいるのは好きで側に居たいと思ったから
理由なんてただそれだけ
貴方にどれだけ後悔があろうと離れないのは私の意思
◆
57.悲恋(女の子ver)
◆
戦争
家族が祈ったのは
仲間が願ったのは
世界の平和、皆が無事に戻ること
終戦、
失った命は英雄
残された命は悲しみながらも前を向く
だけど
戦えなくて、守られて
生きてと願われて
幸せになれと望まれた
争いの原因の自分
『貴方が無事で良かった』
『貴方が生きていて良かった』
なんて自分勝手で自己中で我が儘な思考回路
貴方からの告白で分かる相思相愛
でも、ごめん、ごめんね
私もなんて言えないよ
幸せが悲しかった
◆
58.悲恋(男の子ver)
◆
戦争
君への愛の告白と共に僕が誓ったのは君の元へ帰ること
終戦、
君の元へ戻っても悲しい顔
誰も気付かない程の些細なもの
でも僕には分かる
ずっと側にいて守ってきたから
君が抱えている気持ちぐらい分かる
戦えないことへの謝罪
守られてばかりの罪悪
死なずに生きると決めた贖罪
君はいつも他人のことばかり
周りが止めるのも聞かず君に叫ぶ
お願いだから自分を大事にしてと
もっと正直になってと
誰も責めないからと
『僕が無事で良かった』
『僕が生きていて良かった』
なんて俯きながら震える手が僕の服を掴んで言う
そのまま君は僕の腕の中で小さな子供の様に泣いた
ごめんと繰り返しながら言う君からは返事なんて聞くことは出来ないね
自分の幸せより他人の悲しみを優先する君とはきっと相思相愛
やっぱり君は他人のことばかり
悲しみが幸せだった
◆
59.私だけの理由
◆
過去に人の道を踏み外した
でも今は平凡ながら平和に過ごしてる
未来を守らなきゃならない大切な奴らもできた
でも幸せになるなんてできない
奪った命
守れなかった命
記憶に残るは
澄み渡る青空に
大地に広がる赤い海
手に染み付く命の重み
過去の罪に押し潰されそうになっている貴方に
後悔の念にさいなまれている貴方に
罪は消えないけど
貴方に家族を奪われた私についてぐらいは許してあげるよ
だって貴方は私の想い人
◆
60.きっと記憶は廻らない
◆
輪廻転生ってあると思う?
私はあってもいいけど、どうでもいい
だって今の私には前世の記憶がない
来世の私に現世の記憶がある保証もない
だから私は現在-イマ-を生きる
◆
61.だけど心は廻る?
◆
顔も
名前も
声も
思い出せない知らない人
だけどもう一度会いたいと
身体中が叫んでる
一体『誰』の記憶?
◆
62.ただそれだけのために
◆
いつ失うかも分からない命
でも
明日も君の側に居る為に
生きると誓う
◆
63.都合のいい夢
◆
真っ黒な空に浮かぶ真っ白な満月
その光に照らされた君
景色ははっきりしているのに君はぼやけてる
話しかけたって答えない
困った様に
悲しそうに
寂しそうに
それでも幸せそうに
君は声も無く笑うだけ
これが夢だと認識したのは
君がこの世にもう居ないと気付いたから
◆
64.形に残らないものだからこそ
◆
声が
感触が
ぬくもりが
肉体が
全て跡形もなく無くなっても
貴方を想う気持ちだけは
消えてくれないんだ
◆
65.失ってから気付くのはお決まり事
◆
かつて仲間と呼んでいたあいつと対峙する
混沌の世界で願ったのは
勝つこと?
生き延びること?
守りきること?
いや、平凡だけど今となっては幸せだったあの日々に戻りたいだけ
取り戻したいだけだ
◆
66.それはきっと君だから
◆
大切な人達に
ありきたりでありふれた
平凡でも最期に幸せだったと言える
そんな人生を送ってほしい
そこにたとえ自分の存在がないとしても
でも君の人生には僕という存在がいて欲しい
僕が想う分だけ君にも想って欲しい
出逢った頃は君が生きているだけでよかったのに
いつの間にかそれだけじゃ満足出来なくなっていた
あぁ、欲張りだね
◆
67.Q & A
◆
クエスチョン
愛される資格なんてないけど
貴方を好きでいていいですか?
アンサー
僕だって君が好きだから
そうでないと困るよ
◆
68.遅すぎる事なんてない
◆
真実を全て知っていた
でも言えなかった
たとえそれで味方の命が消えるとしても
敵と呼ばれる人達でさえ大切と思えてしまったから
でも言えていたなら何かが変わっていたかな
「ねぇ、――――――……」
◆
69.世界は不平等で平等
◆
俺が居なかったら
失わずにいた命もあったはず
でも貴方が居なかったら
守れなかった命もある
◆
70.実現不可能な現実
◆
ありきたりな日常を
切り取って閉じ込めたい
鮮やかなこの景色が
色褪せないように
◆
71.原因はただ一つだけ
◆
敵はもういないのに
戦争は終わったのに
何故あなたはそんなに苦しい顔をするの?
―――あぁ、そうか
『あの人』がもういないからだ
◆
72.きっと平行線
◆
貴方には私の願いを叶えることは出来ない
優しい貴方には絶対出来ないし、して欲しくない
だって私が望むのは貴方とは正反対のこと
私の『死』なのだから
◆
73.なにをしても
◆
身体が朽ち果てても
魂が転生しても
記憶を失っても
それでも
相思相愛なんて不思議だね
◆
74.答えてしまったらきっとまた
◆
たくさん失った
もう失いたくない
だから貴方の気持ちには答えられない
◆
75.お願いは誓い
◆
亡くすのは怖いけど
貴方と生きていきたいから
貴方とやりたいことがたくさんあるから
だから…、
だから私と
生きてくれませんか?
◆
76.当然のこと
◆
誰も信じてはくれなかった
だってあり得ないことだから
だけど信じてくれた
疑わなかった
「何で仲間の言うこと疑うんだよ」
不思議そうに言う
貴方の言葉が嬉しかった
◆
77.ぷれぜんとふぉーゆー
◆
君が喜んでくれるなら
いくらでも悩もう
ありがとうと大好きが
伝わるように
君が産まれた
年に一度だけの特別な日だから
◆
78.真っ白い部屋
◆
君と僕
呼吸する音と時計の音
スースー、スースー
カチコチ、カチコチ
規則正しく刻む
スースー、スー………
カチコチ、カチ………
君の呼吸と時計の音が止まる時
僕は壊れ、世界は停止する
◆
79.世界は貴方
◆
家族も友達も仲間もたくさんいる
だけど、
私の世界は貴方だけなの
どれだけ大切な人達がたくさんできても
貴方がいないなら
私の世界は意味を成さない
貴方はそういう存在
◆
80.暗中模索
◆
前はどこ?
進むべき道はどこ?
未来はどこ?
振り返れば過去という足跡がある
立ち止まったり
曲がりくねったり
ギザギザだったりしている
二度と戻れないけれど
過去と共に生きていく
模索しながら生きていく
選択肢を選んで枝分かれしたとしても
それが正しかったなんて誰にも分からない
それを決めるのは自分しかいないのだから
◆
81.連鎖反応
◆
神様は人を創った
人は人工物を作った
人工物は自然を壊した
でも
壊れてしまった自然は修復される
とても長い長い年月をかけて
元通りには程遠いけれど
それでも人は求め続ける
完璧を目指し続ける
自然と人と人工物が世界の中で存在し続ける為に
◆
82.火の無い所には煙は立たぬ
◆
ある町に笑顔が似合う可愛い女の子がいる
彼女は殺し屋
歴史ある一家のお嬢様
その一家は有名だけれどお嬢様と受付である執事以外の顔を町の誰一人として知らない
つまりお嬢様は広告塔
因みに町のアイドルでもある
町の皆は彼女が好きだ
彼女も町の皆が好きだ
端から見るとどこにでもいる女の子
でも気を付けた方がいい
彼女の通り名は「赤き天使」
天使の様な笑顔で
鉄の香りがする赤色の世界で
舞うという噂だから
◆
83.闇と音と水と
◆
夜は好き
住宅と街灯と月の明かりだけ
昼間の騒音とは正反対の静寂
雨も好き
屋根や道路にうちつける雨音だけ
騒音を掻き消す
明るい昼間も晴れ渡った空も好きだけれど
人が溢れているのを観察するのも好きだけれど
誰一人居ない道路で
傘をさしながら歩く
こんな夜の散歩もいいものよ
もちろん、怪しい人がいないか注意しながらね
◆
84.愛か絆か
◆
私はマフィア
結構名の知れた組織
現ボスの一人娘
仲間の一人に叶わぬ恋をした
先代まではかなり酷いことをしてきたらしい
人体実験もしていたらしく、貴方はそこにいた
貴方はマフィアを恨んでる
貴方の元仲間も恨んでる
いくら貴方から愛を伝えられても
いくら貴方の元仲間が幸せになってと言っても
私は応えられない
利害関係が一致している今はいいけれど、貴方達が私の組織に銃口を向ければ
私は貴方達を、
貴方を、
必ず、
仲間の為に
組織の為に
必ず……――――――
◆
85.夢は夢のまま終わる事が多い
◆
相合い傘
制服デート
二人乗り
少女漫画で思い描いていた淡い夢は
通勤途中に見る学生達によって思い出された
◆
86.遠回りした赤い糸
◆
「貴方も優勝目指してるの?」
卒業間近、足を伸ばした公園で出会った同い年の子
二言、三言、話してサヨナラする
「勝ち上がっていったらいつか会えるかもね。名前はその時にでも。またね。」
なんて自分から言ったのに
私は怪我をして諦めた。
リハビリで1年遅れの入学
桜を見上げていたら声をかけられた。
「俺は、〇〇」
貴方は名前を告げた
「私は、○○」
振り返り私も告げる
約束にも満たないただの会話、戯れ言だった
思い描いたシチュエーションとは全く違うけれど
私達には大切なものだった
紆余曲折あったけれど
優勝の祝杯をあげる仲間を
彼と手を繋ぎ見守るのは
また別のお話。
◆
87.視力が悪いのを嫌だと思ったことは一度だって無い
◆
眼鏡を外した
当然見える世界はぼやけてる
眼鏡をかければハッキリ見える
外しても見えないことはないけれど日常生活は困るからかける
でも眼鏡を外した世界が好き
景色も光も人も
まあるく、やさあしく
見える気がするから
◆
88.無理しなくったって嫌いになんてならないよ
◆
テレビの中でいつも笑顔の君
所謂芸能人というやつだ
僕と君は同級生で恋人
世間では内緒だけどね
そんな君が倒れてしまった
過労だって
駆け付けた僕に
ベッドの上の君は困った様に、心配かけてごめんねと謝る
「君の性格は良く知っている。だけど僕の前だけは、無理しないで。芸能人の君じゃなくて君自身が好きだ。だから、」
だから、僕の前だけはありのままの君でいて?
僕は君自身のファン0号
◆
89.子供から大人になった証拠かもしれない
◆
いつからだろう
少女漫画を読まなくなり
十数本見ていたテレビアニメは数本になって
バラエティーが白々しくて馬鹿馬鹿しくなったのは
きっとそれは
過去が思い出になり
明日が未来になったから
私が現実を見てしまったから
◆
90.「たとえ」が「たとえ」じゃなくなっても
◆
たとえ
目が見えなくても
たとえ
耳が聞こえなくても
たとえ
手足が無くても
貴方の
その体温が
貴方の
その鼓動が
私の支え
私の意味
◆
91.その時の為に
◆
強くなりたいと思うのは
勝負で勝ちたいからじゃない
守らなきゃならない時に
仲間と戦う為
足手纏いじゃなくて
戦力になれるように
同じ舞台で
隣に立てるように
◆
92.一見複雑に見えても
◆
世界は簡単だ
「好き」か
「嫌い」か
そのニ択で出来ている
◆
93.優しい偽り
◆
君を守る為に嘘を付く
真実を話さないのは
真実が君を傷付けるから
もし、もしも、
真実が明るみになったとしても君を疑わなくて済むから
真実から君を守り抜く
◆
94.永遠の眠り姫
◆
まるで眠り姫
だけど愛のキスでは目覚めない
何をしても目覚めない
おとぎ話みたいな物語を
幸せな奇跡を
決して語ってはくれないと
触れた僕の掌に教えていたのは
君の頬の冷たさだった
◆
95.どんなに難しくても
◆
気持ちを伝えるのは難しい
だけど
不器用でも
上手く言えなくても
伝えたい
「君に」伝えたい
◆
96.それはまるで勲章のよう
◆
貴方の体は傷だらけ
でも平気な顔して強がる
私を守る為に
世界を守る為に
大きく温かいその両手で
振りかざす武器は
凛と輝く
◆
97.誰がなんと言おうと
◆
シミができた
白髪が増えた
シワが目立ってきた
なんて嘆くけど
私は好きだよ
老けたくない、若く見られたいって聞くけどさ
笑ったらくしゃくしゃになるその顔は
とても可愛いと思うから
◆
98.2色はやがて1色になる
◆
混沌の空間
目の前には
黒い天使と白い悪魔
明暗が分かれた世界で
微笑んだのはどちら?
◆
99.夏色の風物詩
◆
漆黒の空に咲きほこり
暗黒の海に散りゆくのは
虹色に輝く
大きな大きな「花」だった
◆
100.運命でも宿命でも
◆
どうにも出来ないことがある
だけど一緒に悩むことは出来る
解決策なんて絶対にないんだけれど
その時が来るまで
その時が来ても
その後も
必ず傍にいる
それだけは変わらない
◆
101.強がりの本音
◆
大丈夫だよ
平気だから
心配いらない
それは無敵の言葉?
それとも嘘の魔法?
◆
102.まだ子供の立場だけど
◆
親は子供に苦労させたくない
って言うけど
苦労はした方がいい
子供が苦労している時
支えたり見守ったり出来る
そんな親になりたい
◆
103.結局のところ
◆
努力するのも
諦めるのも
自分しか出来ない
◆
104.存在証明
◆
今いる世界を
現実だと証明することが
できるだろうか?
けれど夢の世界だと
立証することもできやしない
◆
105.廻る廻る
◆
何も奪わず
生きてはいけない
でも
すべて奪っていいわけじゃない
頂いてその分還す
巡り巡る命の魂
◆
106.カレンダー
◆
それはまるで宝箱
単純な数字しかないまっさらなところに
たくさん予定を書いて
空白が埋まってゆく
時が過ぎ行く程に増えてゆく
目には見えない大事な宝物
心に積もる大切な思い出
◆
107.四つの季節
◆
青空に舞う桜
夜空に咲く花火
澄み渡る空に煌めく星
寒空に降り積もる雪
どこまでも続く空は
大きなキャンバスとなり
様々な色を描き続ける
◆
108.努める力
◆
頑張れば必ず成功する
なんて
世の中そんなに甘くない
でも
成功している人は努力している
運や才能も確かに大切な要素だけれど
それだけではその先に続いていかないさ
◆
109.探求は迷宮されど答えは単純
◆
生きている意味なんて
生まれてきた理由なんて
探したってどこにもない
親の都合で産み落とされて生を受けただけだから
自分で作り出すしかないんだ
人生の終わりの時
こんな人生で良かったのかなときっと悩んでしまうんだろうけど
それでも
生きてきて良かったと思える人生でいたい
◆
110.鏡花水月上映中
◆
カタカタと回り続ける映写機が映し出すのは
あの時の
あの場所の
あの出来事
観客席には私だけ
同じ場面で途切れてしまう
続きのない物語
私の頭の中で映り続ける
終わりのない物語
私だけの物語
◆
111.それはきっと球形
◆
海も陸も
いつかどこかで途切れてしまう
だけど
見上げたこの空だけは
どこまでも繋がっているよ
表情はくるくる変化するけれどそれはどれも同じ空だよ
◆
112.行動は同じでも意味が違う
◆
身を守る為に逃げることと
諦めて投げ出すことは違う
◆
113.流れ降る
◆
降るは
冷たい雨か
煌めく星か
それとも
温かい涙か
◆
114.答えは永遠に聞けない
◆
君の頬を両手で包み込む
色を無くして
温かさも無くしてるから
僕は温める
僕の手の温もりが
君に伝わればいいのに
君に移ればいいのに
どうしてかな?
いつまで経っても
何時間経っても
温かくならないな
僕の手は不良品?
君の頬すら温めてあげられないの?
ねぇ答えてくれない?
◆
115.それだけではないけれど
◆
今までのお金は好きにしたらいい
僕との未来にかかるお金は
これから2人で稼げばいいさ
だから困っている誰かの為に出来ることを
◆
116.賛否両論は不可欠
◆
何かの意見に対して
賛同する人と
反対する人がいる
でも、それでいい
だって
もし間違った選択をしてしまっても
賛同意見だけだったら堕ちるだけ
だから
踏み止まる為の枷は必要
◆
117.見える事実、見えない真実
◆
真っ黒な嘘で
塗り固められ
構築されたのは
真っ白な美しき世界
◆
118.建前と本音
◆
見つけたら (見つけ出して)
追いかけて (逃げないから)
捕まえて (手を伸ばすから)
無くさない様に (失いたくないから)
離さないで (傍にいて)
◆
119.手を当てること
◆
手当てとは処置をすること
それは
消毒?
包帯?
治療?
だけど方法はそれだけじゃない
怪我した部分に君が手を当てた
温かさが広がって
それだけで痛みが和らいだ気がした
◆
120.切り捨てるか共に行くか
◆
骸を
光を
優しさを
踏みつけていくのが
独裁者
骸を
闇を
悲しみを
背負っていくのが
英雄
◆
121.ひねくれた心の素直な願い
◆
もしも
願いが3つだけ叶うとしたら
あなたは何を願いますか?
アンサーは……?
1つ目の願いを
「叶えられる願いを無限大にしてください!」
これが天の邪鬼の解答
◆
122.止める者はもう居ない
◆
手の届く大切なものを
たくさん、たくさん、
押し退け、踏み台にして
一番高いところに実った
とても気高い果実を掴み取った
孤高の覇者は
憐れな独裁者に成り下がり
その果実がいつか枯れ逝く
淡く儚いものとも知らずに
破滅の道を歩いて逝く
◆
123.白は赤に支配される
◆
深々と押し刺した刃
赤色に染まり傷に溶ける
やがて周りも赤に染まると
君の顔は真っ白になって
純白のドレスに薔薇が咲いた様だと
うっとりと僕は笑った
◆
124.それは武器か枷か
◆
君を傷付けないように
僕が傷付かないように
嘘が増えてゆき
偽りの自分を造り上げた
それはいつしか一人歩きして
本物の自分は二度と出てこれなくなる
一度着けたら外すことの出来ない仮面を身にまとって
さぁ、仮面舞踏会を始めよう
◆
125.賽は投げられた
◆
鍵穴に鍵入れて回すと
扉の中の歯車達が動き出す
鍵は僕
鍵穴は心
歯車は想い
扉は君
開かれるのはいつだろうか?
◆
126.運命の軌道と宿命の対決
◆
否定の確率が
0%じゃない限り
何度だって抵抗する
ほんの少しでいい
今が変われば
未来も変わるから
◆
127.先手必勝
◆
迷わない様に手を繋ぐ
見失わない様に前を見る
間違わない様に道しるべ
踏み外さない様に同じ速度
君の隣には僕
僕の隣には君
それが輪廻から逃れる
最良の手段さ
◆
128.道化師(ピエロ)の動機
◆
笑い続けていれば
泣いている大切な人達も
いつかきっと
再び笑ってくれると
信じているから
◆
129.それはただ逃げているだけ
◆
何も知ろうとせずに
護られてるだけ
何も知らずに
囚われてるだけ
耳を塞いで
目を閉じて
そんな私は、籠の鳥
安全なところで
危険が過ぎ去るのを待つ
卑怯者の、私
◆
130.その時までは
◆
失うことを怖がるほど
手に入れたものなんて
なにもない
だから、
世界に生きている者が
自分一人になったら
考えようか
◆
131.直接の方が嬉しいもの
◆
本人がいないところでの
噂話は良くないんじゃない?
たとえ良い事でも
受け取り方は人それぞれだから
◆
132.予知夢か白昼夢か
◆
気付いたら一人だった
真っ暗の中
一人だった
どれだけ走っても
どれだけ叫んでも
一人だった
だけど、瞬き一つ
目の前には大切な人達
荒い呼吸の私を心配している
あぁ、ワルイユメだった
そう自覚した瞬間、涙が溢れた
◆
133.結果は同じだけど過程は違う
◆
裏切りは許さない
(離れることは構わない)
仲間でさえも
(たとえ敵になっても)
絶対に
(話し合えればいい)
私の大切な人達を傷付けるから
(仲間じゃなくて家族だから)
◆
134.迎えるんじゃなくて出迎える
◆
勝つ為に努力する
それだけでは勝てない
勝つことに固執しては
光を見失う
楽しめばいい
そう、初めて感じたあの楽しさを
そうすれば自ずと向こうからやってくるさ
◆
135.限界超過(リミットオーバー)
◆
闇に、気づいて
仮面を、暴いて
嘘を、見抜いて
流れる涙、隠しきれない
◆
136.頭と心は別物
◆
こんな日がいつか来ると
分かっていたはずなのに
心がついていかない
気が遠くなるほどの
長い日々も
無情に積み重なって行く
辛い記憶さえも
悲しい夢だったように
笑える日が来るの?
◆
137.ノンストップで
◆
諦めそうになっても
全てを現在-イマ-に繋いでいく
選んできたこの過去-ミチ-は
間違ってない
光-ミライ-へ走り続けよう
◆
138.涙は無色透明じゃない
◆
信じることが怖くて
涙を忘れた
強がらなくて良い
その言葉に背中を押され
子供の様に泣きじゃくった
悲しみに染まった冷たい涙じゃない
愛しさに包まれた温かい涙だった
◆
139.疑心暗鬼
◆
何気なく呟かれた言葉
惑わされ右へ左へ
心も惑い光を見失い
感情の渦は勢いを増す
気付いた時にはもう戻れない
気付かないままかも知れない
底無し闇へ堕ちてゆく
◆
140.だからそれ以外は悪
◆
秩序を守る
それがルール
それが正しい
それが正義
◆
141.不完全犯罪
◆
完全犯罪なんて存在しない
だって計画する人間が完璧ではないから
それでも完全犯罪が成立してしまうのは
それを捜査するのも人間だから
◆
142.辿り着いた愛情(オアシス)
◆
あてもなく探し続けていた
存在しているかすら分からない
大切なもの
だけど、やっと逢えた
僕だけの為に
微笑んでくれる君に
◆
143.理由は不明だけど根拠は明確
◆
いつの間にか好きになってた
理由なんて分からない
理由なんていらないね
『あなた』だから好き
◆
144.きっと増えてゆくよ
◆
小さな小さな恋を
ゆっくり、だけど、確実に
君と二人で集め作った
大きな大きな愛
◆
145.言葉より態度
◆
別れの台詞なんて
そんなものはいらない
消えて欲しいだけ
二度と視界に入らないように
◆
146.結末なんてくそくらえ
◆
未来は変えられる
例え決められていたとしても
私がいるから
私が変える
だから未来は変わる
◆
147.陽解放、陰封印
◆
笑ってて
悲しみも
苦しみも
辛さも
全て背負うから
君は笑ってて
◆
148.飛んでいけ
◆
心の内、書き出した紙で
飛行機作って飛ばした
気持ちとは真反対に
上へ、上へ、
高く、高く、
どこまでも遠く
澄み渡る青空へ消えていった
◆
149.偽装離婚(女性目線)
◆
仕事仕事で家庭を大切にしない
だから別れた
でも守る為だった
同じ業界で働いているから
出世の大切さは良く分かっていたから
あんな奴の為に
邪魔したくなかった
取り繕った理由は
キライなんて嘘でも言いたくなかったから
真実を知って
嘘を許した貴方は言った
やり直そう
もう一度俺と結婚してくれませんか?
◆
150.離婚理由(男性目線)
◆
出世が生き甲斐で家庭を大事にしなかった
だから別れを切り出された
本当は別れたくなかったけど
同じ業界で働いているからこそ
出世して君と同じ場所で働きたかったから
なりふり構わず
上だけ目指してやってきた
承諾した理由は
君の言うことは事実だったから
俺の為だけに付かれた嘘を暴かれ
真実を話してくれた君の答え
貴方が好き
私も貴方と結婚したいです
◆
151.孤独な片割れ
◆
ごめんね
私はあの子になれない
あの子の代わりにはなれない
同じ顔、同じDNA
だけど私はあの子じゃない
私を見るたび貴方は悲しい顔をする
私じゃ貴方を笑顔には出来ないね
◆
152.二度目はない
◆
やれるもんならやってみろ
もう奪われてたまるか
◆
153.高い場所から更に高く
◆
君がいない世界
手を伸ばせば届きそうな
小さい星が輝く空
あの星は君?
会いに行こうか
君のいる世界へ
君の元へ飛んで行こう
◆
154.バットエンドかリセットか
◆
無理矢理歯車を動かして
壊れて終わる
なんてするよりも
止めて戻して直して
続きを探そう
◆
155.Rebels against the got(神への反逆者)
◆
仲間だろうが!!
そう叫んだ貴方
1000年以上廻った魂は
運命や宿命によって導かれた
あの時と同じ
仲間という言葉
あの時と一番似ている
面影も状況も、何もかも
だけど似て非なる貴方
変わらない運命なら
変えられない宿命なら
守り守られた自身で
今度は、最後は、
あの時は感じなかった
愛と共に貴方と生きる
◆
156.幾つものボーダーラインを越えて
◆
選べない
大切な家族と家族を恨んでいる貴方と
そのどちらかをなんて
そう言って
自らに凶器を向けた貴女を抱き締め
優しくそして強く語りかける
証明しますよ
過去の憎しみよりも
貴女への愛情が勝っていることを
これからずっと
◆
157.原材料‐マテリアル‐
◆
ガラスのハートなんてよくいうけどガラスは強いよ
粉々に割れたって欠片があるもの
欠片を集めて繋げてくっ付けて
断片くらいはなんとかなる
だけど
私の心はシャボン玉
壊れたら跡形もなく消えるの
思い出は色褪せて
記憶は塗り潰されて
一瞬だって「私」には戻れない
◆
158.それでも求める、イミテーションラブ
◆
お前なんかいなければよかった
この疫病神
目障り
生まれてこなければよかった
視界に入るな
涙さえ出ないのに
体は震え、呼吸は荒くなる
ごめんなさい、ごめんなさい、
口に出るのはこんな言葉だけ
望む通りにするよ
良い子にするよ
だから……だからね…………
◆
159.メソッド オブ コンタクト
◆
メールは
簡単だけど文字だけじゃ伝わらないよ
電話は
声が聞けるけど顔も見たいな
かといって
テレビ電話なんて恥ずかしい
やっぱり会いたい
会って話したい
貴方の
姿も声も雰囲気も
全てを感じていたいから
◆
160.花に込められた意味
◆
退屈な日常にはオリーブを贈ろう
それはつまり平和ってこと
退屈な人生ではない毎日にはカスミソウを贈ろう
それはつまり感謝ってこと
あなたがいる世界にはセンブリを贈ろう
それはつまり安心ってこと
◆
161.狂気にまみれた葡萄がアネモネを捲き込み嫉妬の為に無実の犠牲を生んだ
◆
コスモスで芽生えた乙女心に
ブーゲンビリアのフィルターで君しか見えなくなった
クロッカスを手にあなたを待っています
だけど何故?
ガマズミの様に無視したら僕は死にますと伝えたはずなのに
オダマキみたく僕は捨てられた恋人なの?
イトスギは絶望をパセリは死の前兆を僕の元へ運んできた
君の隣の男がオニユリとメハジキを纏い嫌悪と憎悪が増す
トリカブトで君は僕に死の機会を与えてしまったんだ
世の中はイラクサの様に残酷で意地悪だよ
クロユリとマンサクを使って呪文を唱えたらクワを抱いて共に死のう
だけど心配しないで
アイビーが死んでも離れないように僕達を繋いでてくれるから
ドクニンジンの様に死も恐れない愛を胸に
ゴシアオイを抱いて僕達は明日死ぬだろう
そんな顔をしなくても大丈夫
僕は僕らを引き裂いたあの男にアザミみたく復讐なんて望まないよ
僕達の桜とサザンカみたいな心の美しいひたむきな愛に
ガーベラとカキツバタとすずらんで花束を作れば希望と幸福は必ず訪れる
そうタンポポが神様のお告げを教えてくれたんだから
◆
162.悲しんでいる貴女が好き
◆
貴女の友達が1人いなくなった
貴女は悲しんでいる
でも僕がいるよ
貴女は友達次々と亡くしていく
でも僕がいるよ
ずっといるよ
リンドウの花が似合う貴女のそばに
ずーっとね・・・
◆
163.ラブスコトーマ、つまり恋は盲目
◆
あの時から世界が泣いている
私の力で救えるの
私の力で止められるの
だから逝くね
そう言って君は消えた
世界と一つになった
そして俺は再び歩き出す
立ち止まっても仲間がいる
世界中で私を感じられる
だから私がいなくても大丈夫
そう君が言った
目から汗が流れたって
俺は大丈夫なんだ
◆
164.トリニティライブラリー
◆
何百?何千?
数えるのが億劫になるくらいページがある分厚い本
それらはこれまた数えられないくらいの棚に
所狭しとしまわれている
白紙もあればびっしり内容があるものもあり
表紙もページ数も様々だ
誰かが産まれる度増えていく
誰かが亡くなる度受け継がれていく
開く度にプラネタリウムの様に広がるのは大切な思い出
過去と現在と未来が
三位一体となって一同に会する
摩訶不思議な空間
そうここは命の図書館
◆
165.ボイスアクター
◆
俳優は年相応か見た目
だけど声優は何にでもなれる
人間から動物
更には無機質なものまで
狭き門に無限の可能性
◆
166.ミステリアスシグナル
◆
私は三つ子
同じ服を着れば親さえ間違う容姿
でも貴方は私を私だって分かってくれた
他の2人の違いは分からないのに
分かる理由だって雰囲気
愛は親も越えるみたい
◆
167.罪生シェルター
◆
別れよう
想いが通じた日とても嬉しかった
大事に大事に、大切に大切に
悲しみを半分にして
楽しさを2倍にして
自らの背を盾にして
何があろうと守ると決めた
でも傷付けたのは僕
恨んでもいい
憎んでもいい
だから、生きていて
◆
168.滅亡パンデミック
◆
大都市(メトロポリス)より繰り広げられる白兵戦
太平洋(パシフィック)を越え
灰色犯罪(グリザイユクライム)から
暴力殺戮(バイオレンスカーネイジ)に
姿を変えた兵士(ソルジャー)達
連続殺人犯(シリアルキラー)は
快楽殺人犯(サイコキラー)に成り下がる
冥府(オルクス)と化した世界からの危機(クライシス)を
迷宮(ラビリンス)に迷った彼らは見逃した
New World Order(新世界からの指令)によりGovernance of Decease(死亡統治)が始まる
死の選別(タナトストリアージ)を実行したのは
Nuclear(放射性物質)でも
Biological(生物剤)でも
Chemical(化学物質)でもない
生物災害(バイオハザード)を引き起こしたのは
朱色(ヴアーミリオン)や深紅色(クリムゾンレーキ)に染まり
美しく咲き誇るスイレンだ
一旦は小康状態になるものの
正義を隠れ蓑にした戦争によって
痺れを切らした掃除屋(スイーパー)
学習能力のない者達のせいで
再征服(レコンキスタ)は
周期更新(バイオリズムリロード)され続ける
◆
169.ムードメーカーの君と噛ませ犬の僕
◆
ツンデレの君
主人である僕にもなつかない
なのにお客が来ると
ニャアと甘えた声で鳴いてすりよる
アンニュイでな雰囲気を纏い
一時のアバンチュールを楽しむ
ちょっと感じが悪い
……いや、すごく感じが悪い
でも、それでお客を笑顔にして癒してしまう
野球でいえば強打者(スラッガー)だ
因みに野球で例えたのは
君が野球ボールが好きだから
やり手の営業部長のボーナスは
いつも通り、新しい野球ボールかな?
◆
170.心は君シンドローム
◆
自分の命よりも大切なものなんてない
命を投げ出して守れたとしてもその時だけだから
僕はずっと守っていたいから
君と共にいたいから
◆
171.エモーションモンタージュ
◆
喜んだり
笑ったり
悲しんだり
泣いたり
怒ったり
嫉妬したり
君と出会って気付いたよ
君だから感じる色んな自分に
◆
172.後悔は蜃気楼となった。だけど君はそうはさせない。
◆
体に刻まれた消えない傷
これを人は忠誠の証という
隠してきたのは
固定観念が生んだ後ろめたさのせい
でも君は綺麗だと言った
俺が守った証だからと
だから
他人に見せたってどうってことない
君が良いと言ったから俺はそれだけでいいんだ
隠す為の服なんかで止まるなら
君の体から流れる赤が止まるなら
誰に後ろ指さされたって構わない
◆
173.パラノイアインサート~ハーメルンにて笛なるものを吹く男~
◆
ペンタグラフとクロイツを掲げ
クライストを讃えたレジスタンス
解放戦線を謳っているキャラバンの名は
Liberation Front
カーストの序列は
さながらミニタリーのよう
インカムより下る命令を忠実に遂行する
オペレーターはサウダージの音色を奏で
抗うことの出来ないバイラルを撒き散らす
誘われた者は
インベーダーである彼らの正体を知ることもなく
スフマートの如く溶け込んで逝く
◆
174.異世界恐慌
◆
空(シロエ)に浮かぶ雲(ユィン)から
闇(テネブラエ)を纏った霰(グラート)と
悪(ユーベル)を含んだ雪(シュネー)が降り注ぎ
影(スキアー)を造り出す
海(メーア)より炎(フランマ)の様に
湧き出るは毒(ギフト)
血(クローフィ)に染まったのは
鋼の銃(スターリリエート)のせいか
魔神(サタン)と
魔女(ブルハ)と
悪魔(ディアブロ)の
三つ巴の悪夢(ペサディージャ)は
始まったばかり
それから長い年月が経ち
宇宙(コスモス)は
氷水晶(スウェイフルスターリ)に覆われていた
しかし雷(グローム)と共に現れた
妖龍霊(ヤウロンファンタスマ)は救世主(メシア)
太陽(ソル)と
月(セレーネ)と
星(アステリ)をもたらし
光(リヒト)を与える
不可能(インビジブル)と言わざるを得ない
見捨てられた世界(レチッドワールド)を見事に再生させた
◆
175.マザーグース・カーニバル
◆
アカイヌホウズキが彩りを添えるワンルーム
マッドサイエンティストが主催するは愉快なショー
コラボレーションを繰り広げるは
お友達のサイコパス達
烏(ビローナ)と孔雀(ピーコック)
演目は鬼ごっこ
狩猟笛や操虫棍を使い扇で操り
鎌や薙刀を振り回す
梟(オウル)と燕(ラースタチカ)
演目は的当て
鉄球やクナイを投げたり
手裏剣やブーメランを飛ばす
駒鳥(クックロビン)と雀(バラビー)
演目は射撃
ライフルやマシンガンを撃ちまくり
弓やボウガンを射る
雲雀(ジャーバラナク)と鶏(ゲームシャウル)
演目はもぐらたたき
杖や鞭で叩き追い詰める
啄木鳥(ウッドペッカー)と蜂鳥(ハミングバード)
演目は真剣白刃取り
斧やハンマーを降り下ろしたり
槍や小太刀で突く
コールド・リーディングの達人である
進行役のアンダーテイーカーが
大砲を撃ち鳴らして合図する
罠(ブービートラップ)を仕掛けたら
いよいよフィナーレ
爆弾(ダイナマイト)の音色と共に
待望のコープスは完成される
◆
176.六限奇怪(ビザールセイス)
◆
私だけの為に創られた世界
お父さんはカッコよくて
お母さんは優しくて
親友は楽しくて
クラスメイトは面白くて
恋人とはラブラブで
不幸なことなんて何もない
そんな私だけの世界
だけど
知らない間に
意識することもなく
ごく自然に無くしていく
シアワセの意味を
◆
177.852+554~その男、社会死状態につき警察官要請~
◆
俺がいたから
成し遂げられた偉業がある
俺がいなかったら
救われない命があった
なんて
いくら大義名分があろうと
悪事に手を染めてはいけない
そんな人間の恩恵など
必要とはしていないのだから
◆
178.神様なんかになれやしない、だけどそれでもいいと思えるんだ
◆
助けてくれてありがとう
一生懸命でいてくれてありがとう
最後まで諦めないでいてくれてありがとう
別れ際、家族の方はそう言ってくれる
けれど
こちらこそ、ですよ
助けさせてくれてありがとう
出会わせてくれてありがとう
命の大切さを教えてくれてありがとう
◆
179.派手な死闘と静かな戦略
◆
仕掛けるは
高貴な皇帝(アデルカイザー)
巨大な荒嵐(ジップストーム)より
四方八方に放つ電撃(ブリッツ)
対するは
冷酷な賢者(フロスティウイズ)
幾多もの射手(シューター)から
乱れ射つ槍(スピア)
バトルシークエンス
征したのは後者
何故ならば、水面下で
魚雷(トーピード)を
発射(ラウフェン)させていたから
完璧なパフォーマンスに抜かりはない
◆
180.アルビノ~白さはきっと心が澄んでいるから~
◆
僕はみんなと違うの
髪の毛が白いの
目は太陽の光に弱いの
ただ、それだけなのに
悪魔みたいって言われるの
神様みたいに崇められるの
なんで、なんで?
僕は僕だよ
みんなと同じ
人間だよ
◆
181.ミュンヒハウゼン症候群
◆
ねぇ、ママ?
怪我しちゃったの
ねぇ、パパ?
お腹が痛いの
この傷もこの痛みも
全部ゼンブぜんぶ
苦しいの
だから、助けて?
だから、こっちを見て?
私、カワイソウでしょ?
◆
182.代理ミュンヒハウゼン症候群
◆
ねぇ、あなた?
この子が苦しがってるの
ねぇ、奥様?
この子は体が弱いの
あの傷もあの痛みも
全部ゼンブぜんぶ
苦しそうでしょ
だから、助けなきゃ!
だから、一時も離れられないの
私、ガンバッテルでしょ?
◆
183.花市迷走
◆
かってうれしい はないちもんめ
(お母さんが笑ってる、だから良い子)
まけてくやしい はないちもんめ
(お父さんが怒ってる、だから悪い子)
たんす ながもち このこがほしい
(笑って?怒らないで?良い子にするから)
このこじゃわからん
(どうしたらいいの?)
そうだんしましょ
(どうしたら、)
そうしましょ
(僕はイイコになる?)
◆
184.彼岸参列
◆
とうりゃんせ とうりゃんせ
(暗い暗い一本道)
ここはどこのほそみちじゃ
(どこに繋がっているの?)
てんじんさまのほそみちじゃ
(きっと楽になれる場所ね)
ちっと とおしてくだしゃんせ
(早く楽になりたいの)
ごようのないもの とうしゃせぬ
(邪魔をしないで)
このこの ななつのおいわいに
(今日は私の誕生日)
おふだをおさめにまいります
(ネットで買ったプレゼント)
いきはよいよい
(どれにしようか迷うわね)
かえりはこわい
(痛いかしら?)
こわいながらも
(だけどもう、どうでもいいわ)
とうりゃんせ
(果てにある闇色の底無し沼は)
とうりゃんせ
(私の光)
◆
185.盗難防止
◆
かーごめ かごめ
(美しいお嬢さん)
かーごの なーかの とーりは
(箱入り娘は退屈でしょう?)
いつ いつ でやる
(僕がいるじゃないか)
よあけのばんに
(闇に紛れる)
つると かめが すべった
(お嬢さん、貴女の隣は誰?)
うしろの しょーめん
(そこは僕の特等席)
だあれ?
(誰にも渡さない)
◆
186.あたしは家族のプリンス・プリンセス
◆
あたしはママが大好き
可愛いお洋服をたくさん着させてくれる
あたしはパパが大好き
自慢の娘って言ってくれる
ママとパパの望む通りにするよ
だってあたしは、
アイサレテイルから
◆
187.うちは誰ものマスコット
◆
うちは、クラスの人気者
笑って笑かして
いつも話の中心やねん
うちがいないとみんなあかんねん
絶対あかんねん
うちは、必要とされてる
そうやんな?
◆
188.僕は小さな世界のヒーロー
◆
僕は優秀だ
家ではお手伝い
学校では勉強
友達も先生も優等生と褒めてくれる
だから、ママ?
次は100点取るから叫ばないで
だから、パパ?
次は1番になるから殴らないで
だから、ねぇ?
ボクを見て
◆
189.私は社会のケア・テイカー
◆
ねぇ、ママ
お手伝いしたいの
ねぇ、パパ
疲れてない?肩揉んであげる
ねぇ、なんで泣いているの?
そばにいるよ
ねぇ、なんで怒っているの?
謝るよ
ねぇ、
私はみんなの
ヤクニタチタイノ
◆
190.俺はあいつらのスケープ・ゴート
◆
俺は、嫌われ者
あいつが、腫れ物に触るみたいによそよそしい
あのやろうが、軽蔑した目で見下す
みんな、みんな
俺のことが大嫌い
だからどうでもいいんだ
俺がどうなろうと
だって、俺は
アイサレテナイカラ
◆
191.小生はこの世のロスト・ワン
◆
誰かが怒っている
誰か泣いている
誰かが笑っている
小生はそこにはいない
その輪の中には入らない
いなくてもいい
誰も気付かないから
だって、小生は
イラナイから
◆
192.ストックホルム症候群
◆
殺さないで、殺さないで
人質という名の協力者
青い制服の大群は捕まえようとしている
でも、捕まえないで
入ってきたら殺される
あの人は私達に優しくしてくれる
食べ物も飲み物も気を使ってくれる
だから、放っておいて
◆
193.革命か侵略か
◆
スラングが飛び交い
多様なエスニックが暮らす
そう、ここは………
高貴な世界では
スラム街と呼ばれるところ
カーネーションは踏みにじられ
黄色いチューリップを求める
空(ルフト)は灰にまみれ
街が抱え込んだストレスで
流し込んだものの味なんて既に分からなくなった
司法取引により手に入れた
青酸化合物・ヒ素・農薬・強心剤・麻薬・覚醒剤
法律なんて役立たず
善か悪かなんて興味もない
自己の利益の為だけに
ただ、生きていく
しかし、突然かの国より訪れたジャーナリスト
チューターと呼ばれた彼がもたらしたシンセサイザー
頭の中で交互(デュアル)に鳴り響く赤色灯は
最後に残された本能か
均衡が崩れ去った街の記憶はブラックアウト
目覚めた世界はまるで異世界
リフレインするシュプレヒコールは
異様な光景か
それとも
希望の光(リュミエール)か
◆
194.人間の為に咲く訳じゃない
◆
いろはにほへと
(色とりどりの花が咲き乱れる)
ちりぬるを
(併せ持つのは散る儚さ)
わかよたれそ
(何を感じているのか)
つねならむ
(人間は知るよしもない)
うゐのおくやま
(花の絨毯は裾を広げ)
けふこえて
(今日もひたすらどこまでも)
あさきゆめみし
(夢幻の彼方へ)
えひもせす
(招き誘う)
◆
195.ホロスコープのように
◆
記憶が消えた訳じゃない
今までのたくさん作った記憶の引き出し
それが開かなくなっただけ
鍵が掛かってしまっただけ
だから、鍵が見付かれば
きっと、思い出せるから
◆
196.世の中そんなに甘くないさ
◆
一歩ずつ登る階段は
登れば登るほど
高ければ高くなるほど
転がり落ちるのは一瞬
だけど、登る度に
経験をストッパーにするから平気さ
でもね、
一気に高くなってしまったら
階段じゃなくて坂道だから
気を付けてね
◆
197.凡人万歳
◆
感覚だけの天才
結果だけの秀才
過程だけの努力
どれが一番?
いや、
楽しんだもの勝ちでしょ!
◆
198.プロフェッショナル
◆
あらゆる技能を持った職人が
世界にはたくさんいる
なのに、
僕には職人技なんてない
だけど、僕も職人だ
僕は僕の人生の職人だ
◆
199.被害者に家族があるように、加害者にも家族がいる
◆
人生を根掘り葉掘り暴き出す
一人で生きて来た訳じゃないのに
誰かと関わっているのに
罪は許されないけど
侵していい範囲ではない
知りたい欲求と
隠さなければならない情報と
知らせなければならない義務と
隠したい権利と
一体、どれを重視すれば
世の中は良くなるのだろうか
◆
200.哀憐遊戯
◆
陶器で造られた体は
楽しくても動かせない
ガラスで造られた瞳は
悲しくても涙を流せない
様々な布で造られた洋服は
製作者自慢の一級品
透明な箱に入れられて
飾られる私はいつも笑顔
あなたと遊ぶ為に
私は造られたの
さあ、遊びましょう?