俺と茂樹はバンド仲間を探す為だけに高校に進学した。
将来の事なんか何も考えてはおらず、バンドで一旗上げようと夢見ていた平凡な高校生だった。
「あのふざけたお姉様達の中に、天才ドラマーが居たかも」
「…ねえよ。
つーかボーカルも女になっちまうだろ」
「優也歌えばいいじゃん
ベンジーみたいに」
「ボーカルまでやったら歌ってる時コードしか鳴らせねえよ…」
「でも、お前がボーカルやったら顔だけでファン付くぞ」
平凡で、平穏な
でも、高い場所を夢見ては毎日を楽しく過ごす、そんな、どこにでも在る普通の高校生活が待っていると思っていた。