ここは日常、たくさんの人間で溢れる街である。平日はもちろん、土日は人でごった返す、言わば都会である。
 そんな大通りから外れた小道の先に、ひっそりと建つひとつの店があった。

 茶色い壁に映える白枠の窓。赤い屋根が何とも可愛いレンガ作りの家は、レトロな雰囲気が漂う。
 カフェや雑貨屋なら、女性が足繁く通う店となりそうだが、人気は全くない。

 装いは申し分ないと言うのに、こんなにも閑散としてしまっているのは、立地の問題だけではないだろう。



『オワコン-最期の願い叶えます-』

 怪しげな店の名前が、最大の理由であった。