マンションへの行き帰りに向けられる報道陣のマイク。 無言で立ち去る姿はニュースに流された。 被害者であるはずの住人へ向けられる好奇の目。 管理組合の不甲斐なさ。 何もかもが嫌になって逃げ出したいのに、逃げられなかった。 そして何より和人を憤慨させたのは、報道から真実を知るという現状だった。 管理組合は何も知らせてはくれなかった。 それどころかテレビに映し出されるのは『私達こそ被害者です』と被害者面した管理組合の役員達。 その姿に反吐が出そうだった。