「あの、本当にありがとうございました。失恋は痛かったですけど、そのおかげで見えてきたものがありました。野乃ちゃんと元樹君にも、ありがとうとお伝えください。二人がいてくれたから、上尾君と入れ違いにならずに済みました。本当に感謝してます」
そう言って財布を取り出そうとする文香さんの手を、上尾さんがやんわりと制する。
渉がさらにその上尾さんを制すると、二人はきょとんとして渉を見る。
「サービスです。文香さんには昨日も無理にもう一杯、カプチーノにお付き合いさせてしまいましたし。それにしても、文香さんはカプチーノがお好きなんですね」
「いえ、無理になんて、そんな……。でも、そう言われてみれば、このお店ではカプチーノしか飲んでませんね。そういえば、学生の頃からそうなんですよ。コーヒーショップに入ると、夏でもカプチーノばっかり頼んでしまって。冷房が効いているので、熱いカプチーノはちょうどいいんですけど……でも、どうしてだろう? 不思議ですよね」
少々強引だろうかと思いつつ話題を変えると、文香さんが不思議そうに首をかしげた。
そう言って財布を取り出そうとする文香さんの手を、上尾さんがやんわりと制する。
渉がさらにその上尾さんを制すると、二人はきょとんとして渉を見る。
「サービスです。文香さんには昨日も無理にもう一杯、カプチーノにお付き合いさせてしまいましたし。それにしても、文香さんはカプチーノがお好きなんですね」
「いえ、無理になんて、そんな……。でも、そう言われてみれば、このお店ではカプチーノしか飲んでませんね。そういえば、学生の頃からそうなんですよ。コーヒーショップに入ると、夏でもカプチーノばっかり頼んでしまって。冷房が効いているので、熱いカプチーノはちょうどいいんですけど……でも、どうしてだろう? 不思議ですよね」
少々強引だろうかと思いつつ話題を変えると、文香さんが不思議そうに首をかしげた。