いかんせん、野乃は今、不安定だ。
渉と元樹君の心配は尽きない。
「……俺、やっぱ、ちょっと探してきます」
元樹君がそう言って立ち上がったのは、それから数秒もしないうちだった。
野乃を待つ間、ずっと行こうかどうか考えていたのだろう。
明日も夜中から源蔵さんを手伝って漁に行くのに悪いな、と渉は申し訳なく思う。
でも元樹君のおかげで渉の腹も決まった。
「俺も一緒に行くよ。ここで気を揉んでたって仕方ないしね」
心配なら迎えに行けばいいだけの話だ。
午後六時を過ぎれば、お客様は入らない。
そうして二人は店を一時閉店し、野乃を探しに行くことにした。
ここに来てまだ三日、土地勘もないことだし、文香さんを追いかけたはいいが、そのうち迷ってしまったことも考えられる。
のどかな海辺の町だが、路地はけっこう入り組んでいるし。
渉と元樹君の心配は尽きない。
「……俺、やっぱ、ちょっと探してきます」
元樹君がそう言って立ち上がったのは、それから数秒もしないうちだった。
野乃を待つ間、ずっと行こうかどうか考えていたのだろう。
明日も夜中から源蔵さんを手伝って漁に行くのに悪いな、と渉は申し訳なく思う。
でも元樹君のおかげで渉の腹も決まった。
「俺も一緒に行くよ。ここで気を揉んでたって仕方ないしね」
心配なら迎えに行けばいいだけの話だ。
午後六時を過ぎれば、お客様は入らない。
そうして二人は店を一時閉店し、野乃を探しに行くことにした。
ここに来てまだ三日、土地勘もないことだし、文香さんを追いかけたはいいが、そのうち迷ってしまったことも考えられる。
のどかな海辺の町だが、路地はけっこう入り組んでいるし。