文香さんは、命を粗末に扱うような人にはとても見えない。
さっき「死んでしまって」と言った彼女の表情には、金魚を死なせてしまった後悔の色が濃かった。
ほっとした顔で渉を見ると、文香さんは続ける。
「ありがとうございます。それで、今年の三月ですかね。そろそろ三年経つけど、みんなどうだ? って連絡があって、みんなでなんとか都合をつけて七人で集まって。……だいぶ酔ってはいましたけど、そういう決め事はみんな、どうしてだか覚えているものなんですよね。その席で男性側と女性側の金魚がそれぞれ一匹ずつ健在だって話になって、その二人、なんだかんだで付き合いはじめてしまったんです」
はぁ、と一つ息をつき、文香さんはカプチーノを一口含む。
渉も一口、自分のカップを口元に運んだ。
泡立てたミルクが蓋をして、まだ中は熱い。美味しい。
ソーサーにカップを戻した文香さんは、少し笑って再度、口を開く。
さっき「死んでしまって」と言った彼女の表情には、金魚を死なせてしまった後悔の色が濃かった。
ほっとした顔で渉を見ると、文香さんは続ける。
「ありがとうございます。それで、今年の三月ですかね。そろそろ三年経つけど、みんなどうだ? って連絡があって、みんなでなんとか都合をつけて七人で集まって。……だいぶ酔ってはいましたけど、そういう決め事はみんな、どうしてだか覚えているものなんですよね。その席で男性側と女性側の金魚がそれぞれ一匹ずつ健在だって話になって、その二人、なんだかんだで付き合いはじめてしまったんです」
はぁ、と一つ息をつき、文香さんはカプチーノを一口含む。
渉も一口、自分のカップを口元に運んだ。
泡立てたミルクが蓋をして、まだ中は熱い。美味しい。
ソーサーにカップを戻した文香さんは、少し笑って再度、口を開く。