目玉焼きはまだ柔らかすぎる。野乃も渉も七割五分くらいの半熟が好きだ。もう少し時間がかかる。
「ずっとけじめを付けなきゃいけないと思ってきたんです。このままドロップアウトするのは、いくらなんでもひどすぎるって。でも、渉さんのごみ袋を見て、私も頑張らないとなって改めて気合いが入りました。どうにもできなかったことの最後の悪あがきです。正直、まだ少し怖いですけど、恋し浜の人たちはいつも温かいですから。もしまた泣いてしまったとしても、もう一人じゃないって知っているので大丈夫です」
そう言って、野乃はにっこり、微笑みを作る。
「じゃあ、コーヒーを飲むのはそれからがいいかな?」
「あ、そうですね。結局、昨日は飲み残してしまいましたし、実は私、意外にも七緒がブラックコーヒーが好きだったので、思わず笑っちゃうくらい美味しいのを飲んでみたいと思ってたんですよ。七緒は缶コーヒーでもなんでも美味しそうに飲んでましたけど、私はミルクと砂糖がないと、どうしても苦くて。飲むならそれがいいです」
「うん。実は彼女もブラック派だったんだよね。腕によりをかけてオリジナルブレンドを作っておくから、全部にけじめがついたら、そのときはブラックで飲もう」
「ふふ。はい」
「ずっとけじめを付けなきゃいけないと思ってきたんです。このままドロップアウトするのは、いくらなんでもひどすぎるって。でも、渉さんのごみ袋を見て、私も頑張らないとなって改めて気合いが入りました。どうにもできなかったことの最後の悪あがきです。正直、まだ少し怖いですけど、恋し浜の人たちはいつも温かいですから。もしまた泣いてしまったとしても、もう一人じゃないって知っているので大丈夫です」
そう言って、野乃はにっこり、微笑みを作る。
「じゃあ、コーヒーを飲むのはそれからがいいかな?」
「あ、そうですね。結局、昨日は飲み残してしまいましたし、実は私、意外にも七緒がブラックコーヒーが好きだったので、思わず笑っちゃうくらい美味しいのを飲んでみたいと思ってたんですよ。七緒は缶コーヒーでもなんでも美味しそうに飲んでましたけど、私はミルクと砂糖がないと、どうしても苦くて。飲むならそれがいいです」
「うん。実は彼女もブラック派だったんだよね。腕によりをかけてオリジナルブレンドを作っておくから、全部にけじめがついたら、そのときはブラックで飲もう」
「ふふ。はい」