「私が……私さえ、七緒に全部を打ち明ける勇気を持てていたら。寺島君のことも最初からちゃんと一線を引いて接することができていたら、きっとこんなことにはならなかったはずなんです。今なら、友達に寺島君のことが気になってる子がいてとか、だからいろいろ話を聞かせてほしいとか、いくらでも言いようがあったってわかってます。……それなのに、どうしてあのときは、そういうことを少しも考えなかったんでしょうか。スパイみたいで楽しいなって、七緒に頼ってもらえて舞い上がっていたんでしょうか……」
野乃の懺悔は止まらない。
「肝心の一番初めを間違えたら、ずっと間違ったまま進んじゃうのに……。そんな簡単なことに告白されてから気づくなんて、本当にバカすぎますよ。おかげで七緒が私を見る目もどんどん変わっていったし、寺島君はそれを七緒が諦めたって解釈して、夏休み中も頻繁に連絡を寄こすようになったし……。でも、全部私の自業自得なんですよね。マークシートの答案用紙って、一つマークを付け間違えば、最後まで間違ったままマークしちゃって時間ギリギリになって気づいて慌てて直すなんて、よく聞く話じゃないですか。まさにそんな感じなんです。でも私は、マークし直さずに投げ出したんです。二人から逃げて、家に隠れて。そして今は、ここにいるんですよ。何にも向き合わずに、直そうって足掻きもせずに、諦めて逃げ出すことを選んだ腰抜けなんです。最低なんです……」
野乃の懺悔は止まらない。
「肝心の一番初めを間違えたら、ずっと間違ったまま進んじゃうのに……。そんな簡単なことに告白されてから気づくなんて、本当にバカすぎますよ。おかげで七緒が私を見る目もどんどん変わっていったし、寺島君はそれを七緒が諦めたって解釈して、夏休み中も頻繁に連絡を寄こすようになったし……。でも、全部私の自業自得なんですよね。マークシートの答案用紙って、一つマークを付け間違えば、最後まで間違ったままマークしちゃって時間ギリギリになって気づいて慌てて直すなんて、よく聞く話じゃないですか。まさにそんな感じなんです。でも私は、マークし直さずに投げ出したんです。二人から逃げて、家に隠れて。そして今は、ここにいるんですよ。何にも向き合わずに、直そうって足掻きもせずに、諦めて逃げ出すことを選んだ腰抜けなんです。最低なんです……」


