体調がおかしくなりはじめてから、自分はこんなに脆かったんだ、情けない人間だったんだと、ひどい自己嫌悪に陥ったと野乃は言う。
それがさらに野乃を精神的に参らせ、体調にも悪影響を及ぼしていったというわけだ。
今どきの野乃くらいの年齢の子たちがどんな事情を抱えているのかは、表からぱっと見ただけではわからないことも多いだろうけれど。それにしても野乃が巻き込まれたこの三角関係は、その歪さゆえ、言葉も出ない。
「でも、一度休んでしまうと、なんていうか……」
「うん、そうだよね。ほっとしたよね。解放されたというか」
「……はい。七緒も限界でしたけど、私も限界だったんです。一日だけ、ちょっと休みたいなって思ってしまって。もう目の前に夏休みも迫っていたので、終業式の日くらい休んでもいいだろう、ニ~三時間だし大丈夫だろうって。……そう、思ってしまったんです」
涙目で微苦笑した野乃の言葉尻を引き継ぐ。
言ってしまえばズル休みだ。
でも、そのときの野乃は、現に体調不良が続いていたし、ピンと張り詰めていた緊張の糸を一瞬だけでも緩められる時間が必要だった。野乃本人もきっとそれを望んでいたに違いない。
それがさらに野乃を精神的に参らせ、体調にも悪影響を及ぼしていったというわけだ。
今どきの野乃くらいの年齢の子たちがどんな事情を抱えているのかは、表からぱっと見ただけではわからないことも多いだろうけれど。それにしても野乃が巻き込まれたこの三角関係は、その歪さゆえ、言葉も出ない。
「でも、一度休んでしまうと、なんていうか……」
「うん、そうだよね。ほっとしたよね。解放されたというか」
「……はい。七緒も限界でしたけど、私も限界だったんです。一日だけ、ちょっと休みたいなって思ってしまって。もう目の前に夏休みも迫っていたので、終業式の日くらい休んでもいいだろう、ニ~三時間だし大丈夫だろうって。……そう、思ってしまったんです」
涙目で微苦笑した野乃の言葉尻を引き継ぐ。
言ってしまえばズル休みだ。
でも、そのときの野乃は、現に体調不良が続いていたし、ピンと張り詰めていた緊張の糸を一瞬だけでも緩められる時間が必要だった。野乃本人もきっとそれを望んでいたに違いない。


