「他愛ない話しかしなかったと思います。寺島君の好きな女の子のタイプとか、よく家の手伝いをする家庭的な子がいいとか、お菓子作りが上手だとポイント高いよねとか。男の子の〝好き〟の基準って、けっこう単純なんですよ。もちろん、性格のよさや好みが合うことのほうが重要だって言っていましたけど、見た目から入ることも多いのは、やっぱり男女どちらでも同じですから。七緒からも寺島君のことは一目惚れに近い形で好きになったって聞いていたので、それがごく当たり前の感覚なんだと思いました」
「確かに、好きになるのには、いろんなパターンがあるよね。一目惚れしちゃうときもあれば、知らないうちに好きになっていることもある。どういう人だろう? っていう単純な興味から、じわじわ好きになっていくこともあるし。恋をする人の側も、いつも同じパターンで人を好きになるわけじゃないのかもね」
渉の場合は、三つ目の例だ。
それまで多く恋をしてきたわけではなかったけれど、少ない経験値の中でも、とりわけ彼女との恋はきっかけからして特異なものだった。
「確かに、好きになるのには、いろんなパターンがあるよね。一目惚れしちゃうときもあれば、知らないうちに好きになっていることもある。どういう人だろう? っていう単純な興味から、じわじわ好きになっていくこともあるし。恋をする人の側も、いつも同じパターンで人を好きになるわけじゃないのかもね」
渉の場合は、三つ目の例だ。
それまで多く恋をしてきたわけではなかったけれど、少ない経験値の中でも、とりわけ彼女との恋はきっかけからして特異なものだった。


