「じゃあ、聞いてください。私もいつまでも両親に黙っておくわけにもいかないですし、渉さんにはここでの保護者として知る権利があります。私の話が終わって、二人でちゃんと結末を決められたら、そのときは、うんと美味しいコーヒーを飲みましょうね」
そう言って野乃は、決然とした表情はそのままに、彼女の失くした恋の話をはじめた。
話は一年前にさかのぼる。
野乃のかつての友達に、七緒《なお》という子がいたのだそうだ。
野乃とその子がちゃんと友達だった頃の話。
野乃がした、どうにもならない恋の話。
*
彼女――江南《えなみ》七緒とは高校で知り合い、席が前後だったこともあって二人はすぐに仲良くなったのだという。
そして彼女には、中学の頃から片想いしている男の子がいた。仲良くなってしばらくして、野乃は彼女から相談を持ち掛けられることとなる。
『彼と接点がほしいんだけど、野乃ちゃん、協力してくれない?』と。
そう言って野乃は、決然とした表情はそのままに、彼女の失くした恋の話をはじめた。
話は一年前にさかのぼる。
野乃のかつての友達に、七緒《なお》という子がいたのだそうだ。
野乃とその子がちゃんと友達だった頃の話。
野乃がした、どうにもならない恋の話。
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彼女――江南《えなみ》七緒とは高校で知り合い、席が前後だったこともあって二人はすぐに仲良くなったのだという。
そして彼女には、中学の頃から片想いしている男の子がいた。仲良くなってしばらくして、野乃は彼女から相談を持ち掛けられることとなる。
『彼と接点がほしいんだけど、野乃ちゃん、協力してくれない?』と。


