そんな調子なので、渉はすごすごとカウンターの奥に引っ込むことにした。
席におじさんが混じっては、きっと話せるものも話せない。特に三川さんは、クラスのみんなに対して精神的につらい思いをすることが多いここ数日だったはずだ。
そんなところに部外者が混じってしまってはいけない。在庫の整理をしよう、とさらに奥へと引っ込む。
「さて、全部聞いてやるから話してみろ」
そう言って話の水を向けた元樹君の声を最後に、しばし店内には四人の高校生が残った。
しかし、程なくしてコンコンと外側から控えめなノックの音が響いた。「どうしたの? お代わり?」と尋ねながらドアを開けると、
「渉さんにもいてほしいって三川さんが……あの、彼女の好きなコーヒーを淹れてあげてもらえませんか? ラテアートのカフェラテが好きなんだそうです」
「……うん、わかった。デザインは何がいいって?」
「クマちゃん、って」
「よし。ちょっと頑張ってみるから待ってて」
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
店内に呼び戻しにきた野乃に軽く笑って、渉は再度、カウンターの中に立った。
席におじさんが混じっては、きっと話せるものも話せない。特に三川さんは、クラスのみんなに対して精神的につらい思いをすることが多いここ数日だったはずだ。
そんなところに部外者が混じってしまってはいけない。在庫の整理をしよう、とさらに奥へと引っ込む。
「さて、全部聞いてやるから話してみろ」
そう言って話の水を向けた元樹君の声を最後に、しばし店内には四人の高校生が残った。
しかし、程なくしてコンコンと外側から控えめなノックの音が響いた。「どうしたの? お代わり?」と尋ねながらドアを開けると、
「渉さんにもいてほしいって三川さんが……あの、彼女の好きなコーヒーを淹れてあげてもらえませんか? ラテアートのカフェラテが好きなんだそうです」
「……うん、わかった。デザインは何がいいって?」
「クマちゃん、って」
「よし。ちょっと頑張ってみるから待ってて」
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
店内に呼び戻しにきた野乃に軽く笑って、渉は再度、カウンターの中に立った。