そういえば、時期も早いし試食品で悪いんだけど、と先日、エビの殻を練り込んだ素麺を近くの加工場の社長から頂いていた。
ピンク色にツブツブと殻の色が混じった素麺は、見るからに美味しそうな代物だった。
代わり素麺としてお中元セットに入れようと試行錯誤をしているとかで、開発をはじめて一年、早くも商品として近隣の店舗や知り合いに試食品として配れるくらいに開発は順調のようだ。
「じゃあ、この前頂いたエビ素麺を茹でようか。野乃ちゃんには話したっけ? 漁港のそばの『大潮水産』の社長さんが試食してくれって持ってきてくれたやつ。どうだったか感想を聞かせてくれって言われてるんだ。ツルッとしたものが食べたいんなら、ちょうどよかったし、それを食べよう。うち、シソも自生してるんだよね。ちょっと取ってくる」
「じゃあ私は、お湯を沸かします」
「うん」
野乃がほっとした顔をしたということは、渉も同じ顔をしていたということだ。
キッチンカウンターを離れていく渉と入れ違うようにして野乃がカウンターに入り、渉は外に出て自生のシソを取りに向かう。
ピンク色にツブツブと殻の色が混じった素麺は、見るからに美味しそうな代物だった。
代わり素麺としてお中元セットに入れようと試行錯誤をしているとかで、開発をはじめて一年、早くも商品として近隣の店舗や知り合いに試食品として配れるくらいに開発は順調のようだ。
「じゃあ、この前頂いたエビ素麺を茹でようか。野乃ちゃんには話したっけ? 漁港のそばの『大潮水産』の社長さんが試食してくれって持ってきてくれたやつ。どうだったか感想を聞かせてくれって言われてるんだ。ツルッとしたものが食べたいんなら、ちょうどよかったし、それを食べよう。うち、シソも自生してるんだよね。ちょっと取ってくる」
「じゃあ私は、お湯を沸かします」
「うん」
野乃がほっとした顔をしたということは、渉も同じ顔をしていたということだ。
キッチンカウンターを離れていく渉と入れ違うようにして野乃がカウンターに入り、渉は外に出て自生のシソを取りに向かう。