男二人でしゅんとなり、顔を見合わせるなり野乃に謝る。渉も元樹君も、どこか三川さんの気持ちを面白がっていたところがあったように思う。


 元樹君は、彼女が取った行動や言動の意味がわからないながらも。渉は、高校生の恋愛模様に甘酸っぱさやノスタルジーを感じながらも、ワクワク感が抑えきれないところがあったのだ。


 これでは、どっちが大人で、どっちが子供なんだか……。


 元樹君より子供で、野乃よりも子供で。そんな姿を学校の委員仲間に見せてしまった自分がひどく情けない。


「あ、私こそごめんなさい。きつい言い方をしてしまって……」


「いや、野乃からすると迷惑なのは確かだし。俺もちょっとは自分で考えないとな」


「うん。野乃ちゃんが気にすることじゃないよ。悪いのは俺たちのほうなんだから」


 我に返った野乃が、とっさにというように小さく頭を下げたので、元樹君も渉も慌てて彼女に比がないことを伝える。


 野乃の立場からすると、変に板挟みになってしまっている状況なのだ。何を無責任なことを言っているんだと気が立ってもおかしくない。


「でも宮内さん、優しいよねぇ。それに、めちゃくちゃ強い……」