渉は彼に向けて一つ小さく頷くと、カ ウンター内の椅子に再び腰を落ち着けた。それぞれのカップからは、ゆらゆらと湯気が立ち上っている。
やがてゆっくりと息を吐き出した拓真君は、意を決したように口を開く。
「……俺がいけなかったんです。波が荒れてたのに、やっとボードの上に立てるようになって、つい楽しくて無理に弘人さんに付き合ってもらったから。そのことは、弘人さんの家族にも珠希さんにも、一生をかけて償っていきます。人の命を奪っておきながら謝ることしかできないのが本当に申し訳ないんですけど、やっぱり俺には謝ることしかできません。……あのときは本当にすみませんでした。本当にすみません……」
そう言って頭を下げた拓真君は、顔を上げると渉たちにかいつまんで事情を説明した。
拓真君が弘人さんに出会ったのは十八歳のときの、夏の盛りだったそうだ。
当時弘人さんは二十二歳で、珠希さんとは同い年。
彼女が美容師の目標に向かって頑張っている姿に刺激を受け、自分も好きなことを仕事にしたいと思うようになったという弘人さんが働いていたサーフショップ兼カフェで、知り合ったのだという。
やがてゆっくりと息を吐き出した拓真君は、意を決したように口を開く。
「……俺がいけなかったんです。波が荒れてたのに、やっとボードの上に立てるようになって、つい楽しくて無理に弘人さんに付き合ってもらったから。そのことは、弘人さんの家族にも珠希さんにも、一生をかけて償っていきます。人の命を奪っておきながら謝ることしかできないのが本当に申し訳ないんですけど、やっぱり俺には謝ることしかできません。……あのときは本当にすみませんでした。本当にすみません……」
そう言って頭を下げた拓真君は、顔を上げると渉たちにかいつまんで事情を説明した。
拓真君が弘人さんに出会ったのは十八歳のときの、夏の盛りだったそうだ。
当時弘人さんは二十二歳で、珠希さんとは同い年。
彼女が美容師の目標に向かって頑張っている姿に刺激を受け、自分も好きなことを仕事にしたいと思うようになったという弘人さんが働いていたサーフショップ兼カフェで、知り合ったのだという。