でもやっぱり炭谷瞬のこの目は苦手。

吸い込まれそうな目と

何か見透かされているようなその目が。

「…お疲れさまです。」

「…お疲れさまです。」

炭谷が挨拶をした時あたしはあまり奴の目は見ないようにした。

「…新見さんとご一緒じゃないんですか？」

「えっ…。」

「さっき、お二人でどこかに向かわれてましたよね？」

(見てたのか…。)

「…新見さんがファイル探してたので」

「それなら口頭ですみませんか？」

何こいつ…。

なんであたしに構うの…？

「口頭だと分からないので、

一緒についていっただけです。」

「…そうですか。…でも可笑しいですね」

「…何がですか？」

「僕が入った時、ファイル探してるようには見えませんでしたが」

「…！？は？」

何こいついたの？

まさか…さっきの聞かれて…。

「あそこにいたんですか？」

「いえ、俺はその隣の部屋にいましたから。」

「じゃあなんでファイルを探してるようには見えないって…」

「ああ、あの資料保管庫と隣の部屋繋がってる作りになってるんですよ。」

「えっ…？」

「つまり、俺がいた部屋と、

あなたと新見さんがいた資料保管庫は繋がっているので

俺の部屋からも資料保管庫に行けるって事です。

さっき部長から聞いたので。」

そんな…。