そしていつも通り会社に向かった。

入り口に向かい、オフィスを歩いているとヒソヒソと声が聞こえた。

『うわ、今日もなんかメイクバッチリじゃない?ヤりまい。』

『本当こいつ男の事しか考えてないよね』

26になった今でも、あたしはこうやってヒソヒソ言われ続けてる。

昔はこんな小さな小言を言われるのは耳が痛くなるくらい嫌だったけど

今は別に何とも思わない。

あの人が側にいてくれるから。

報われない恋でもあたしはこの人が側にいれば幸せ。

「おはよう、葛城」

「おはようございます、新見さん。」

会社に入ってからは

上司と部下。

これはずっと変わらない。

「…そういえば今日うちにヘッドハンティングされてきた男性社員が入ってくるな。」

「…そうですね。」

新見さんにしかあたしは興味ない。

「…葛城と同じくらいらしいぞ。」

この人は一体どうゆうつもりなんだろうか?

あたしとの関係を終わらせたいのか?

違うか。

所詮あたし達は身体の関係しかないもんね。

「…葛城も若い男に興味あるの?」

なんでそんな意地悪な質問してくるんだろう。

あたしは一度身体も心もあなたに食べられたような物なのに

あなたしか興味がないのに

こうゆう所…むかつく。

「…かもしれませんね。」

これぐらいの意地悪はあたしも少しはいいよね?