あの初めて夜を迎えた日言われた。

「…葛城。俺は結婚してる。…それでも本当にいいのか？おじさんだぞ俺は。」

「良いんです。…あたしは…新見さんが好きだから。」

「…俺も既婚者だからずっと隠してたけど…葛城の事は本当は好きだった。 」

「…え？」

「…でも俺は結婚してるし、子供だって、いる。

…部下に恋をしてるなんて俺も最初はダメだって分かってたんだ。

だから葛城の前では冷たくしてた部分もあった。

葛城はいつも仕事熱心だけど

何故か寂しそうだったから

だから上司として支えたいって言ったのは本心だ。」

「…新見さん。」

「…でも葛城に告白されたら俺も歯止めが聞かなくなった。

葛城俺は葛城が好きだ。

でも、何度も言うが俺は既婚者だ。

…本当に俺でいいのか？」

「…良いんです。」

奥さんと別れてくれなんて言わない。

だから…。

「…新見さんの心はいりません。」

「え？」

「…その代わり、身体だけの関係を下さい。」

心は触れなくていいから。

身体だけ触れてくれればいい。

「…分かった。」