そして20歳になった頃、あたしは事務職に就職した。

相変わらずセフレは何人かいるけど。

暇潰しにあたしは身体を求められた。

まあ、あたしも気を紛らわす為なら別に良かったし、その意味で何度も色んな男と肌を重ねた。

「またな、舞。」

「うん。」

だけど全部が全部うまくいってた訳じゃなかった。

23歳の頃、あたしは同じ部署の女に外に呼び出された。

「ちょっとあんた!あたしの彼氏寝たんでしょ!?」

「はっ?ああ…別に良いじゃん。付き合ってた訳じゃないし。ただのセフレだし。」

「…こんの!」

バチン

「…痛。」

「ヤリマン!」

そしてその女はあたしの顔を叩いて帰って行った。

「…痛…。あっちから来たんだっつーの。つか彼女いないっつてたし。」

ああ…何でどいつもこいつもあたしの話聞いてくれないんだろ…。

そらそっか。

赤の他人の話なんて聞くわけないか。

どこにいってもあたしは悪者。

結局、あたしを慰めてくれるやつなんていない。

その時雨が降ってきた。

「…最悪。…傘なんて持ってないし。」

…本当ついてない。

だけどなんでだろう。

この雨があたしの涙を洗い流してくれた気がした。

その時あたしの頭に傘がさされた。

「…大丈夫か?」