「…君大丈夫?」

一人ベンチに座るあたしにリーマンが声を掛けてきた。

その人が何故か一瞬お父さんに見えた。

(…お父さん?)

「…こんな所にいたら、風邪引くよ?お家は?家族は?」

ああ…なんて優しい人なんだろ。

この人ならあたしを温めてくれるのかな?

「…ねえ、大丈夫?しんどい?」

何でもいい。

抱き締めて欲しい。

「…ねえ」

「ん?」

「あたし一人なの?…慰めてくれる?」

「え?」