そして松川家での生活が始まった。

「舞。冷蔵庫からお肉取ってくれる?」

「うん!分かった!お義母さん!」

薫さんはあたしを本当の娘のように扱ってくれた。

あたしは、いつしか薫さんをお義母さんと呼べるようになった。

「ただいまー。」

「お帰りなさい貴方。」

「お帰りなさい、お義父さん」

「ただいまー。薫、舞。今日はケーキを買って来たぞー!」

「やったー!」

祐二さんも娘のようにあたしを扱ってくれた。

あたしも祐二さんをお義父さんと呼べるようになっていた。

「舞、勉強大丈夫?一緒に見てあげようか?」

「ありがとう…お兄ちゃん!

実はもうすぐ期末なんだよね…。」

「じゃあ見てあげるよ!」

隼人さんもあたしを妹のように扱ってくれた。

あたしも隼人さんをお兄ちゃんと呼べるようになっていた。

「舞は何でも出来て偉いなー。」

「本当に。」

名前を呼ばれるたびに、

誉められるたびに

あたしは嬉しくなった。

毎日毎日幸せだった。

でもそんなのはほんの一瞬に過ぎなかった…。