そしてあたし達は救急車に乗った。

「お母さん!お母さん!」

ピクリともしない。

「…お嬢ちゃんまずお母さんがどうゆう状況だったのかおしえてくれるかな?」

そう言って近くにいた救急隊員があたしに聞いてきた。

「…が、学校から帰ってきて…。
そ、その時、
い、いつもい、家からか、帰って来たら
こ、声がす、するはずな、なのに、
ま、全く、こ、声がし、なくて…。
お、おかしいと、お、思ったら、
お、お母さんが…」

その時さっきの光景がフラッシュバックされてきた。

「…なるほど。辛かったよね。…話してくれてありがとね。他に誰か居なかった?」

あたしは、首を横に振った。

「…お父さん。…失礼ですが、最近ご家族内で何かトラブルなどは?」

「…!!」

その時、お父さんの顔が曇った。

「…最近。借金をしてまして…。
妻とはあまりうまくいってなくて…。」

「…借金ですか。…分かりました。
とりあえず、お母様を一度近くの病院へ搬送させて頂きます。
…一応事件性もあるかもしれませんので
警察にもご報告させて頂きます。」

ピーポピーポ

そして救急車は発車した。