そして、あたしは宗太郎さんが帰った後、部屋の片付けをした。


このシーツにはまだ、


宗太郎さんがさっきまでここにいたという証の香りがたくさんある。


テーブルには、さっきまで一緒に飲んだ2人用のティーカップがある。



さっきまでこの部屋に宗太郎さんがいたんだ。


さっきまであの人があたしの所にいたのが嘘みたいだ。


でも、匂いがあるのだから、

それが証拠だ。



だけど…。


あたしは、シーツを洗濯機に入れ、


そして、ティーカップをさっと洗い流す。


ジャー


「寂しいなんて感情」


とっくの昔に捨てたからだ。


あたしに寂しいなんて感情


持ってたって仕方ないんだ。