「この前からちょっと様子が変よね? なにかあったなら、ちゃんと話してみて欲しいんだけど……」


先生は悪くない。


あたしのことを心配して言ってくれているのだ。


それは理解しているのだけれど、先生があたしに声をかければかけるほど、クラスメートの話声が大きくなっていく。


「大丈夫です」


そう答える声が驚くほどに震えていた。


手の先がビリビリとしびれて呼吸が短くなって行くのを感じた。


「枝松さん?」


先生の声がどこか遠くに感じる。


呼吸を整えようと大きく深呼吸をしてみるけれど、上手く行かない。


深呼吸すら笑われているように思えてしまい、ひどく周囲の目が気になった。