「菜々花ちゃんはこれから沢山のことを経験するでしょう。辛い事、悲しい事、楽しい事、嬉しい事。そのどれもが宝物になればいいなと思います。人生は1度きり、できれば菜々花ちゃんの好きな事を好きなようにしてほしいと思います」


それが、いつからかそんな言葉は聞かなくなった。


好きな事を好きなように。


それは、昔の父親は無条件にあたしを愛していたのだとわかる文面だった。


「……あたしが好きな事ってなんだっけ?」


ふと、そう呟いた。


この手紙をもらった頃は珍しい物が大好きだった記憶がある。


友達関係も勉強も良好で、それこそ毎日が宝石のように輝いていた。


そんなあたしはもういない。