そういえば今日はまだお昼を食べていないのだ。


今さら教室へ戻ってもお昼ごはんはないし、購買へ行くにしても財布は鞄の中だということを思い出した。


「なんだよ、食べてないのか?」


源太にそう聞かれてあたしは頷いた。


「それならこれ食べてよ」


穂香がそう言い、ポーチの中からラッピングされたカップケーキを取り出した。


透明なラッピング袋の中に2つ入れられている。


「え、いいの?」


ピンク色のリボンで結ばれている袋は、どう見ても誰かにあげるために持ってきたものだった。


「もちろん。ここにいるみんなの為に作ってきたんだから」


穂香はそう言うと、5人分のカップケーキを取り出した。