泣いて泣いて、階段を駆け上がった先に屋上のドアが見えた。


青い空を思い出す。


くったくなく笑う先輩たちを思い出す。


あたしは屋上へと続くドアの前で立ちどまり、制服で涙をぬぐった。


穂香もみゆなも、ここにいるとは限らないと言っていた。


きっと、他の生徒達も同様なのだろう。


それでも誰か1人でもいてくれれば……。


そう思って、ドアを開いた。


途端に空の青さに目を細める。


「あ、菜々花来たぁ」


嬉しそうな声に包まれて、あたしは視線を屋上の中央へと向けた。


そこには穂香、みゆな、健太、有馬、源太の5人がいた。


「なんだよ、遅かったな」