ここにいちゃいけないと、本能的に感じた。


「どうしたの? 顔、真っ青だけど」


美月がニヤついた笑みをこちらへ向けてそう言った。


あたしは何も答えないまま、弾かれたように教室から出ていた。


誰もかれもが敵に見える。

あたしを被弾しているように見える。



隣のクラスのあの子も、見知らぬ先輩も、家族すらも……。


走って走ってあたしは旧校舎に入り込んでいた。


誰もいなくて薄暗い旧校舎を足を止めずに走り続ける。


気が付けば涙があふれ出していた。


悲しくて悔しくてやるせなくて。


自分が真由子や美羽に対して似たようなことをしていたんだと思うと、情けなくて。


涙は次から次へと溢れ出して止まらない。


周囲に誰もいないのをいいことに、あたしは大きな声を上げて泣いていたのだった。