午後からはきっと大丈夫。


あと2時間で帰れると思えば授業だって集中できるはず。


自分自身にそう言い聞かせて、あたしはトイレを出た。


そして教室へ入った瞬間、あちこちから含み笑いが漏れて聞こえて来た。


一瞬嫌な予感がして立ち止まる。


みんながあたしを見ているような気がして、居心地が悪い。


うつむき加減で自分の席まで戻ると、ほぼ同時に立ち尽くしていた。


机の上に出していたコンビニのサンドイッチが袋から出され、床に散乱している。


机の上には黒いマジックで『ブス』『自意識過剰』と言った文字が落書きされていた。


幸いにも、今のあたしはその文字を読むことはできなかったけれど、悪意にまみれた言葉を書かれているのだろうということは、理解できてしまった。