教室と屋上を行き来していると、あっという間に放課後が来ていた。


ホームルームが終ってそのまま帰ろうかと思ったが、まだ健太たちが屋上にいるかもしれないと思い、一旦旧校舎へと向かった。


その足取りは驚くほどに軽い。


最近は学校へ来ることが苦痛になりはじめていたので、久しぶりの感覚だった。


トントンとリズミカルに屋上への階段を上がる。


ドアを開けると、ちょうど5人が鞄を持って帰るところだった。


「あ、菜々花! また来たんだ!」


そう言ってすぐにかけて来る穂香とみゆな。


「うん。みんなまだいるかなって思ったから」


予想が当たった事が嬉しかった。


「わざわざ来てくれるなんて嬉しい~!」


みゆなは大げさにそう言ってあたしに抱き着いて来た。