あたしはその手をおずおずと握り返す。


「あの……ここって一体……?」


「あぁ、気にしないで。来たときに来てるだけだから」


男の子の1人がそう言ってパタパタと手を振って見せた。


来たいときに来る。


説明としてはよくわからないけれど、来たいときに来ることができる場所があるのは、羨ましいと感じた。


「とりあえず自己紹介をしようか」


健太が他の4人を見てそう言った。


「そうだね。あたしは3年1組の尾高穂香(オダカ ホノカ)」


そう言ってツインテールの先輩がペコリと頭を下げる。


年上なのに、中学生くらいに見える。