気持ちいい……。


素直にそう感じられた。


グリーンのさび付いたフェンスの向こうには街並みも見える。


懸念していた不良生徒たちの姿はなかった。


「へぇ……結構いいじゃん」


フェンスに近づいてそう呟いた時「新入りの子?」と、声がして振り向いた。


いつの間に立っていのだろう。


そこには見知らぬ男子生徒の姿があった。


「新入りって……?」


そう訊ねると男子生徒はくったくなく笑い、あたしに近づいて来た。


なんだか、人を寄せ付ける雰囲気のある生徒だ。