「どうしたの? 3行目からですよ」


先生が教えてくれて、教科書へ視線を落として文字を探す。


3行目、3行目……。


心なしか文字が歪んでいるように見えた。


目の霞みだろうか?


そう思って指先で目をこすった。


しかし、文字のゆがみは直らない。


それ所か歪みは徐々に激しさを増し、文字が読めなくなっていく。


「枝松さん?」


「えっと……。わ……れわ……れ……に、ほ……んじん……」


片言のように文字を追いかけて行く。


しかし、それがなんの意味を示しているのか、どういう文章なのか全くわからなかった。