栞奈たちからハブられるようになって2週間が経過していた。


セミの泣き声が一層激しくなってきている。


もうすぐ夏休みだから、それまでの辛抱だ。


あたしは自分にそう言い聞かせて、今日も学校へ向かっていた。


「じゃあ次の行から枝松さん、読んで」


国語の授業中、突然名前を呼ばれてあたしは我に返った。


「はい」


そう返事をして席を立ち、教科書を持つ。


何行目だろうか?


そう思って栞奈へ視線を向けても、栞奈は手鏡でリップを塗っている所だった。