「謝りなよ!」


2人に便乗して美月が言った。


こうなると、もう教室内は止められない。


あちこちから「謝れ」「謝れ」と声が上がる。


どこから、誰が言っているのかもわからなくなる。


今すぐ教室から逃げてしまえば楽になるのに、全身が氷ついたように動かなくなった。


ジッと俯いて机の木目を見つめる。


「ほら、早く」


栞奈があたしの頭を手のひらで押し、額が机にピッタリとくっついた。


『ごめんなさい』


そう言えばこの悪夢は終わるんだろうか。


でも言えない。


言えば悪いことしたと認めることになる。


「言えよ」


龍一が言う。