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教室へ入ると、先に登校してきていたクラスメートたちからの視線を感じる。


あたしを見て、コソコソと会話しはじめるクラスメートもいる。


それらを無視してあたしは自分の席に座った。


すぐにテキストを開いて勉強を始める。


1人の時間が増えると自然と勉強時間が増えることになり、最近家で両親からの小言を聞く回数が減っていた。


「友達がいないからまた勉強?」


栞奈の声にあたしはテキストから顔を上げた。


栞奈の後ろにはいつものように美月がくっついている。


まるで金魚のフンだ。


「別に……」


あたしはそれだけ返事をしてテキストに視線を戻そうとする。


そのテキストを美月が横から奪い取った。


「菜々花の父親って有名な学校の先生なんでしょ?」


美月の言葉にあたしは自分の表情が険しくなるのを感じた。