「なぁお前、大丈夫かよ?」


数日後の登校途中、突然後ろからそう声をかけられていた。


「え?」


驚いて振り返ると、そこに立っていたのは同じ高校の先輩だった。


2年2組の小塚元(コヅカ ハジメ)先輩。


中学時代に同じ吹奏楽部にいたので、今でも時々話をするときがあった。


「なんだ、元先輩か」


そう言って再び歩き出す。


「なんだってことはないだろ? 心配してるんだから」


元先輩はあたしの隣を歩きながらそう言った。


「心配?」


「あぁ。最近クラスで孤立してるだろ」


そう言われてあたしは足元へ視線を向けた。


「別に、そんなことないけど」


極力明るい声で言う。