「みんなここにいたのか」


工藤先生はあたしたちを見て驚いたように目を見開いた。


「工藤先生! 健太がいなくなったんです!」


穂香がそう言い、工藤先生に駆け寄った。


「ついさっきまでそこにいたのに、5時のチャイムが鳴った時に消えたんです!」


早口に説明する穂香に、工藤先生はうんうんと、ゆっくり頷いた。


「そうか。お前らも見たんだな。健太が消える瞬間を」


「先生それってどういう意味ですか? 先生はなにか知ってるんですか?」


そう聞くと、工藤先生はフェンスへと近づいた。


しぼんだグリーンの風船が風に揺られている。


「5時のチャイムが鳴る時間。向井健太はここから飛び降りて自殺した」