☆☆☆

栞奈たちと折り合いをつけ毎日を送るのは、少しだけ苦痛だった。


けれど大丈夫。


色々あるけれど、あたしはまた文字を読むことができるようになったのだ。


何度も読み返した父親からのラブレターも、また好きな時に読むことができる。


それと同じで、ちょっと遠回りをしても元に戻ってくることができればいいんだ。


「ごめん、先に行ってて」


移動教室の途中、1年1組の前を通りかかったあたしは、真由子と美羽にそう声をかけて手ちどまった。


青空クラスに行かなくなって一週間が経過していた。


穂香とみゆなの2人とは時々校内で合うし、有馬と源太も仲良くしていると工藤先生から聞いていた。


でも、健太の話は誰からも聞かなかったのだ。


あたしは開けっ放しになっている1組のドアから、教室内を確認した。