いつも眠そうで、なにも気にしていないように見えるけれど、だからこそ危うさを感じさせた。


健太のお姉さんたちのことは聞いたけれど、教室へ戻れない理由がそれだけだとも思えなかった。


だって、教室にはお姉さんたちはいないのだから。


「あたしは健太のこと心配してるんだよ!?」


そう言っても、健太はそっぽを向いたまま返事をしない。


規則正しい呼吸を繰り返しているが、まだ眠ってはいないはずなのに。


あたしはグッと下唇を噛みしめた。


青空クラスを卒業するなら、6人全員で。


その思いは健太には届かない……。