バレてたんだ……。


「そうなの?」


みゆなの嬉しそうな声に、思わず左右に首を振っていた。


「ううん。でも、まだちゃんと読めてるわけじゃないから、教室に戻っても授業に追いつけないと思う」


早口でそう言った。


これは嘘じゃない。


「俺のことを気にしてるなら、いい迷惑だ」


健太の言葉にあたしは凍り付いていた。


『いい迷惑だ』


そう言い放った健太は、ゴロンッと横になって目を閉じてしまった。


「なに……それ。なんでそんなこと言うの!?」


まだちゃんと文字が読めないことは本当だ。


それに健太のことも心配だった。