ただ少しだけ人と違う。


それだけで教室にいることができないなんて、やっぱり変だった。


「菜々花は?」


不意にみゆなからそう聞かれて、あたしは「えっ?」と、驚いて聞き返した。


「まだ、ここにいるの?」


続けてそう聞かれて、あたしはチラリと健太を見た。


「そうだね。もう少しここに――」


「お前も、もう卒業だろ」


あたしの言葉を遮ってそう言ったのは健太だった。


健太はあたしから視線を逸らせ、欠伸をしている。


「文字、読めてるんだろ?」


健太にそう言われて、あたしはグッと言葉を詰まらせた。