「俺たちからも、報告がある」


源太のそんな声が聞こえてきて、あたしたちは視線を向けた。


「俺と有馬も、そろそろここを卒業しようと思ってる」


やっぱり、そうなんだ……。


「最初は自分たちの関係を隠して、バレたら必死になって否定して。でも、誰かを好きになる事って悪いことじゃないだろ？」


源太の言葉にあたしは大きく頷いた。


好きになった相手が同性であったからって、後ろ指をさされるようなことじゃない。


「悪い事をしてないのにこうしてコソコソするの、もうやめようと思うんだ」


「あたしと同じだね」


そう言ったのは穂香だった。


穂香の能力も、源太と有馬の関係も。


なにも悪いことはない。