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全員が揃うまでの間、あたしはブルーシートに座って教科書を読んでいた。


眺めているわけじゃない。


ちゃんと、文字を追いかけて読んでいた。


1つ1つの文字が文章になって繋がって、その意味が頭に入って来る。


そこに何が書かれているのか、どういう内容の本なのか、それが理解できる。


まだ完全とは言えないけれどここへ来た時とはおお違いだ。


「今日はみんな早いね」


そんな声が聞こえてきて教科書から顔を上げると、みゆなと穂香の2人がやってきたところだった。


2人ともなんだか今日は雰囲気が違う。


「少し化粧した?」


気がついてそう聞くと、2人は照れくさそうにほほ笑んで頷いた。


「教室に戻るんだから、少しはしとかないとね」


穂香がそう言って頭をかく。