向かった先は女子トイレだった。


あたしたち3人の他に生徒の姿はない。


「なに?」


あたしはできるだけ明るい声でそう言った。


しかし、栞奈には相変わらず笑顔がなかった。


「龍一に告白されたんでしょ」


そう言ったのは美月だった。


あたしは目を見開いて美月を見る。


「なんで……?」


あの告白のことは誰にも言っていない。


なのに、どうして知ってるんだろう。


「あたし見てたんだよね」


美月がそう言ったので、あたしはすべてを理解した。