長いテーブルと木製の椅子は使われていない教室から拝借してきた。


その上にはホールのケーキが用意され、すでにロウソクに火も灯っている。


誰ともなく、手拍子と共にハッピーバースデーを歌い始めた。


「工藤先生、ロウソクを吹き消してください」


穂香がそう言うと、工藤先生は照れくさそうに笑いながらケーキへと近づいて行く。


そして、一気に炎を吹き消した。


「なんだよ。こんなの用意してたなら、知らせてくれよなぁ」


工藤先生はそう言いながら、目頭をぬぐった。


「泣くほど嬉しかった?」


健太にそう聞かれて「泣いてねぇよ」と言い返している。


「工藤先生。これ、あたしたちからのプレゼントです」


あたしはそう言い、昨日購入したばかりのプレゼントを袋から取り出した。