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「工藤先生が来た!」


入口で外の様子を確認していた有馬がそう言って、走って戻って来た。


全員横に並び、クラッカーを手にして工藤先生の登場を待つ。


「こういうのした事ないからドキドキする」


あたしがそう呟いた次の瞬間、屋上のドアが開いた。


工藤先生の姿が見えると同時に盛大にクラッカーが鳴りひびく。


「工藤先生誕生日おめでとうございます!!」


6人分の声が空気を震わせ、工藤先生は驚いた表情で立ちどまった。


「今日って……そうか、俺の誕生日か!」


どうやら工藤先生は自分の誕生日をすっかり忘れてしまっていたようだ。


あたしとみゆなは工藤先生の手を左右から握り、簡易的なパーティー会場の中央へと連れて来た。