どれも百円均一で調達したものだから、金額は大したことなかった。


「これだけ盛大だと、工藤先生も喜ぶだろうね」


穂香がそう言い、風船を膨らませ始めた。


風で飛んで行ってしまわないよう、ちゃんと紐が付けられている。


あたしはしぼんだままのピンク色の風船に手を伸ばした。


主導の空気入れを手に、膨らませていく。


「昨日、クラスメートに会ったよ」


風船を膨らませながら、あたしは言った。


みゆなと穂香がこちらへ視線を向けて来たので、2人へ向けて左右に首を振った。


「家に帰ったときにね、玄関の前に立ってたの」


「それってもしかして……」


「ううん。栞奈たちじゃなくて、他の子」


あたしの言葉にみゆながホッとしたように息を吐きだした。


「あたし、その子たちのことをイジメてたんだよね」